立て続けにいろいろな地方に出張していると、
東京に暮らしていることが“特殊”なのかなと気づかされる。
前日も仕事をあらかたこなしてから移動したときは、
夜９時とか１０時の現地到着。
地方のホテルではレストランの閉店が早かったり、ルームサービスがなかったり。
夜おそくに開いている飲食店といえば、ネオンきらめく一角の中だったり。
それから、都銀が、ない。
バタバタと決まった出張のときは、現金を補充しないまま出かけることも。
でも、県庁所在地とかでも、その町いちばんの繁華街や鉄道駅の周辺には、
いくら見回しても、いやというほど歩き回っても、都銀は、ない。
ささいな日常の、細かいことだけど。
こういうのを、不便、と感じるか、心のゆったりとした暮らしよう、と思うか。
自分のことを心に留めてくれている人がいるって気づくことは、
とても幸せな気持ちになれる。
親とかきょうだいとかの身内じゃなくてね。
昨夜おそく、携帯電話を充電器につないだ瞬間にぶるぶるっと鳴って、
メールが１通、舞い込んだ。
送り主は、今年の春にお家の事情で郷里に帰ったイケメン音楽仲間。
ヒイラギのオリンピック話が師匠からいちばんに彼に伝えられたものとみえて、
おめでとう、緊張したでしょ、お疲れさま、というメール。
かざらない気持ちだけが詰まった、短い言葉の連なりがシンプルに嬉しい。
こういう人だから、彼の奏でる音楽
は、やっぱりすごく、いい
昨夜は雷鳴とどろくゲリラ豪雨
だったのに、珍しくよぉく寝た実感。
雨で温度も湿度も過ごしやすく下がってくれて、
ごきげんよく眠ったらしい。
夢の中で面白おかしい冒険を大いに楽しんだことを、
起きた後も憶えてた。
鉄道で大陸横断中みたいな話になってて。
乗ってるのは、タイタニックみたいな巨大なスケールの豪華列車。
スパ施設の車両もあれば、何両かつながって遊園地になってるところもあったり。
スパ車両では、みんなロッカーに荷物を入れて、
バスローブ姿でぺたぺた歩きまわっていて。
温泉に入ったり、プールで泳いだりしたあとで、
水着にバスローブ羽織って遊園地車両に遊びにでかけたり。
そろそろ降りる駅ですよってアナウンスがあって、
ぺたぺたスパ車両まで戻ってきたら・・・！
着替えがない！
というか、ロッカーがない！
というか、スパがない！
遊びほうけてる間にナントカっていう、車両のつなぎ方を変える駅を通って、
着替えと荷物を乗せたスパ車両は全然ちがう国に行っちゃいましたとさ。
まあいいか、って、終着駅のプラットホームにバスローブに裸足で降り立ったところで、
いつになくすっきりと目が覚めた。
この夏は、全世界的にオリンピックの夏だったのですが。
個人的にも、和の世界でのオリンピックだったのでした。
残暑ににわか雨に台風、と三拍子そろっていた今日は、
じつは昇格試験の受験日。
お昼過ぎ、本番用の三絃ほか、演奏道具一式と、
こうした和のしきたりに欠かせない諸々の儀礼的なものなど、
わっさり大荷物かついで、
でも、よそゆきのお洋服で、汗ひとつかいてないよな顔をして、家元宅へ。
師匠に合奏していただきながら、
初めにニガテな三絃、次に専門種目のお箏、の順に、
それぞれ１５分弱の曲をノーカットで演奏。
さすがに〝Living National Treasure
〟がじぃーっ
と見ている目の前で、
ふつうに演奏しろったって難しいわけで。
演奏の出来は、自己採点で三絃７０点、お箏８５点。
もうひたすら、
お家元のご機嫌がうるわしかったことに感謝。
得難い演奏アドバイスをじかにいただけたことは、宝物。
師匠も、
娘先生も、全力で応援してくださったことに感謝。
山あり谷ありの芸の道を、親身に導いて下さる師の存在も、宝物。
間に合うように、万全の状態に修理してくださった楽器屋さんに感謝。
そして、行き帰りの道中、にわか雨にも、焼けるような陽射しにも遭わず、
ちょうどよく日が陰ったなかを歩けたことにも感謝。
オリンピックでメダルを獲って凱旋した選手たちが、
「みなさんの応援のおかげ」と口をそろえていたことに、深～くうなずく。
宝物いっぱい。
オリンピック、終了。 その先の、始まり。
長く家を空ける仕事が続くからと思って、
ベランダのプランターたち用に「DriWater」を設置。
これ、水をブリンと固めたゲルで、
たっぷり水やりした土に押し付けるようにして設置しておくと、
乾くに従って土がゲルから水を吸い取る、という原理のもの。
こんな感じ。
↓
（写真は商品説明画面から拝借）
「鉢なら２～３週間は大丈夫」ってふれこみだったのだけど。
これが。
フタを開けてみればまったくのガセ商品で。
帰宅してベランダに駆けつけてみれば、
すくすく背を伸ばしていたひまわりは、哀れ全滅、
ぜんぶの葉を黄色く干からびさせながらギリギリ耐えぬいたのは、
朝市で買ってきた例のジュズサンゴただひとりだった。
いよいよ明日は。
大事な大事なセレモニーというかイベントの第一弾。
けど、周りにご迷惑をおかけする事態で、今からすでにどんより。
とある西洋音楽家の知り合いから、なぜだか妨害行為を受けており。
ま、その話はまた後日。
そんなどんよりからの、ひまわり全滅。。。
メールの返事はとんと来ないわ『ヒイラギ日記』は止まってるわで、
一部の方々から大変ご心配いただいたようなので、
とりあえず何か書いとこう。
こないだの往復のフライトで暇つぶしに見た映画。
Dark Shadows
Mission Impossible: Ghost Protocol
Mirror Mirror
Safe House
Prometheus
Snow White and the Huntsman。
以上６本。
なぜだか白雪姫的なのが２本あったからとりあえず両方観ておいた。
そんなこんなで、旅費の立て替えでお給料１か月分軽くふっ飛ぶペースの出張責め。
唯一のスキマの今週末にはちょいと重大なセレモニーも控え。
あたふた。
まあ。
気がつけば『ヒイラギ日記』1700回へのカウントダウン。
ロンドンで駈けずりまわっていたこの一週間は、
連日、朝の集合時間から夕食を終えて解散するまで、
ほぼ自由時間ナシのオシゴト三昧。
移動の合間にふと見上げる空は、街中でもけっこう広い。
大陸系の海外にくるたび思うけど、やっぱり広さの基本が別次元。
街の真ん中でもこれだけの空があったら、
飛行機やヘリコプターがしょっちゅうあちこちに飛行機雲をつくっていても、
はてしない空の、ほんの一角にしか感じないから不思議。
ムーミンのおもちゃカメラで見上げた空。
真ん中の、下の方にも小さな飛行機雲。
