・・・って、難しいと思いませんか~
大勢での合奏のとき、必ずといっていいほど師匠からこう言われる。
「落ち着いて」と「さっさと」との接点って、
どこらへんにあるのだろ~
こどもがうるさい。
声と気配が感じられるようになってから年単位で時が経ったころに一度だけ、
他からもらったらしい贈答品を持って、
やけに若い夫婦があいさつにやってきた。
研究職なので、家で調べものや書き仕事をしていることもあると断りつつ、
でもこちらも楽器の演奏をするからと、
まぁそのときはやんわりと受け流していたのだけど。
ここ1年で、階下に伝わってくるのは、
とてとて、というかわいらしい足音から、
高いところから飛び降りては走り回ってるらしい衝撃波へと激変。
マンションやホテルみたいに、下にも人がいるところでは、
どすどす無神経に歩いたり走り回ってはいけませんとか、
どんどん飛び跳ねてはいけませんとか、
うちの甥っ子クンはめちゃめちゃ厳しく叱られていたけどなぁ。
朝は7時や8時から、夜は12時過ぎまで騒いでいることもある。
もちろん、曜日なんか関係ない。
自分が子どものころは、夜9時でも真夜中だと思ってた気がするけどなぁ。
こちらが家にいない日の真昼間ならともかく、
たまの休日の午前中とか、遅い夕食の真っ最中とか、頭のうえから、
どすーんッ!!!という大きな振動が前触れなく降ってくるのはちょっとね。
あと何年くらい続くんかな。
てゆうか、ちゃんとこどもしつけてるんかな。
こういうこと自分がされたらどう思うかなっていう想像力を身につけさせること、
こどものためだと思うぞ。
この前の日曜日、めづらしく師匠に褒められた。
「安定感があっていいわね。大変結構でした」
声がでないほど低い音が含まれているくだりは、
今回のお相手の彼が歌ってくれることにしていただいたおかげで、
ちゃんとできてるように聞こえたのかな。
声が出るっていうのと、その音を歌えるっていうのとは、全然ちがう。
われながら、満足に歌える声域が狭いなと、つくづく思う。
オペラなんかの西洋の声楽曲だと、
自分なりにぎりぎり納得できるのはやっぱりアルトの音域。
じゃあばっちり低音に自信アリかというと、全然。
たとえば地歌では歌い出しなんかに当たり前に出てくる、
五線譜でいえば五線より下にあるE(ミ)とかD(レ)とか。
そんなん全然ムリ。息すら出ないし。
しかも地歌の本番シーズンにパワー全開で襲い掛かるスギ花粉。
鼻はつまるしノドは充血するしで、さらに声域縮小。
なのに今日はまた、娘先生にも褒められた。
「声がきれいによく伸びているわね」
なんでだろー。
なんかすごい息が苦しかったんだけどな。
ノドがいがいがしてて、声がかさかさしてたんだけどな。
明日もリハーサルだ・・・
色んな人に顔を知られているというのも善し悪しで。
出かけた帰りに■ンコーズで博士論文の英訳原稿を印刷して、
家からいちばん近い銀行ATMにちょっと立ち寄って、
用を済ませて顔をあげたら、
「あら~♪」
と声をかけられた。
例によって顔しか記憶にないけれど、
(たぶん先方もこちらの顔だけ憶えてるんだろうけど)
オペラ合唱で何度かご一緒したことのあるご近所さん。
次回の公演も出られますかと尋ねられて、
ATMの順番待ってる人たちの視線を気にしつつ、
ええたぶんまた夏の開講式で~、と、そそくさと別れた。
家に帰っていろいろ片づけてしばらくして、
さて、英訳原稿の校正にかかろうと思ったら、
ないじゃん。 どこにも。
あ゛ーあのATMだ、ってピーンと来た。
「あら~♪」の瞬間に、脇へちょいと置いた■ンコーズの袋の存在が、
脳ミソからどこかへ吹っ飛んだものと思われる。
もいちど行ってみたけど置いたハズのとこにはカゲもカタチもなくて、
近所の交番に訊いてみたけど届いてなくて。
むむむ、わざわざ遠回りして■ンコーズ行ったのに。
それにしても、あんなもん持ってった人、どうしたいんかな。
英語がびっしり印刷してあるA4サイズの紙×44枚。
しかもタイトルが、
A Study on Business Models and Diffusion Process of Job Assistance for Challenged People and the Diffusion Process of Social Innovation
と来た日にゃ、少なくとも、拾ってラッキー♪って感じでは、ない。
あくまでも元原稿が発表されちゃってる論文だし、
単なる翻訳だからパクられるってこともないだろうけど・・・、
と思いながらも、とりあえず大急ぎで原文電子ファイルと公開許諾を送信。
元原稿は微妙に英文タイトル違うしね。
(原題:A Study on Busines Models of Job Assistance for Challenged People and the Diffusion Process of Social Innovation)
ま、一年以上だらだら放ったらかしてたことが一気に片づいたと思えば、
これも“怪我の功名”ってことかな。
前向きに考えよう。
われながらビョーキっぽいな。
パソコンのモニター画面いっぱいに表計算ソフトのシートを広げて、
一面に広がる数字の海を眺めながら、
ちまちま、ちまちま、関数を打ち込んでいく。
たまに、こっそり、ぽっかり、空欄になってるセルなんか見つけては、
うっすらふふんと半笑いしながら“na”とか“-”とか入力して、
全部の列でデータ件数がぴったり合うと、なぜかやったーと心の中でガッツポーズ。
来月から稽古が始まるオペラを小さな音でBGMに流しながら、
そんなこと黙々とやっていて、気がついたらオフィスにひとり。
そういえば何回か遠くのほうで、
「ヒイラギさん、お先に失礼しまーす」ってきこえたような。
まったく、ヤツはどうしてあんなにすたこらさっさと逃げたんだ。
データいじりって楽しいのに。
「笑いたくなくても無理やりでも笑うと体にいいらしいですよ!」
どことなくしょんぼり仕事しているヒイラギを励まそうとしてか、
近ごろ同僚がやたら明るい。
というか、にぎやか。
「このインクジェットプリンタ、電源入ってますよね?
さっきから3回も印刷ボタン押してんのに、ちっとも出てこないなー」
――あのさ、プリンタケーブル、挿してなくない?
「ほんとだ!」
「あれ、でも、やっぱり出てこないなー、もっかい印刷するか!」
「紙がないのかな、…よしっ、紙は入れた、と。」
――なんかさ、レーザープリンタのほうのランプが点滅してる気がするんだけどさ、あっちに出したんじゃないの?
「えーっ、どうしよー、恥ずかしいー、
いやぁ~、ネット通販のお金払うのすっかり忘れちゃってて、
●天からメール来ちゃったんですよぉー
やだー945円の請求書がレーザープリンタから出て来ちゃうー!
やっだー、945円の請求書が3枚も…、あそっか、印刷中止、中止!」
てゆうかさ、プリンタに紙入れたりしてる場合じゃなくてさ、
振込先メモって銀行行って振込しよ。
最近、電車に乗ると目の高さくらいのところに本の広告があって。
大ウケして思わず本屋さんに走って衝動買いしたのが、
『あたらしいみかんのむきかた』(小学館刊)
ご興味あるかたは、▲mazonあたりで探してみてくださいまし。
もう、表紙のむきおくんの「ぼく むくよ!」が、
まっしぐらにツボにはまってしまったヒイラギでした。
本の実物は見てないけど、目に留まった二冊目。
『魚座』(WAVE出版刊)
「あらゆる境界をやすやすと越える。
無限の愛で世界を包み、
自他の悲しみや苦しみを引き受ける人たち。」
わが星座ながら、素晴らしい。
人の分まで色々感じ取ってしまうのは、正直つらいことも多々あるけれど、
それがこの命に与えられた役割なのなら、
精いっぱいひたすら愛に生きていくしかないのかなと思う。
人並みの親孝行は何一つできない人生を歩いてきてしまったけど、
精いっぱい、もらった命を、よく生きておこうか。
そんなことを、電車に揺られながら広告見て(う~ん…)と考えていた、
今日は2月21日。
ハッピー・バースディ、ヒイラギ。
今年もなんとか、まだ元気に生きている。
真正面から吹きつける強い風と低く重く垂れこめた雲がニガテ。
ここ二日の間、頭痛が治る気配がないのは、
きっとこうゆうお天気のせい。
一日中どこにも行かないで練習三昧できる予定で、
前の日のうちに買い物や用事も全部済ませて、
いざ、という日に限って、こういうお天気と頭痛がやってくる。
なんだかついてない。
明日は晴れて、暖かいといいな。
「今回はあまり思い入れられる共演者がいないの」
とこぼしていたとあるオペラ仲間さんに、
アルフレードさんとは別の公演でご一緒したことがあって、
すごーく声量もあるし、高いところで気持ちよく響く硬い声のテノールさんで、
好き嫌いはあるかも知れないけど、ヒイラギは好きなタイプの声かな~
って稽古のたびに言っていたら、本番を迎えるころには彼女も、
「やっぱりいいね~♪ ステキ~♪」
に変わっていた。
アルフレードさんがステキだったのは真実だから別にいいんだけれども、
ふと、言葉を発するって結構こわいことだなと思ってしまう今日このごろ。
何気なく口にしていたことでも、
それを受け止めてくれた相手の考え方が変わっちゃったりするかも知れないんだなぁ…
自分を信じる、と書いて自信というけれど、
そういう気持ちを抱けないまま生きてきているだけに、
あまり自分の言うことを信用しないでほしいと思うことすらある。
当分おとなしくしてよっと。
ゆうべ演出家の馬場紀雄先生のサインもらって浮かれていたころ、
Bambooさんがこんな記事を書いていた。
そうそう、まさに今回のオペラ本番前後のお天気はそんな感じだったんですよー
と思ってしまった。
ゲネプロ前日に一日中降りしきる、雪。
翌日のゲネプロを終えて外に出たら、
まだちょっと降り足りないんだけどな、て感じでみぞれ交じりの雨。
オペラ仲間から「ぜひ彼に伝言を」と頼まれて、
数年前のこの区民オペラで張り切り過ぎて大雪を降らせた某マエストロに、
お願いメール送信!
「明日の本番は雪を降らせないでください」
翌朝の空の、まぁものの見事に晴れたことといったら!
で、ありがとうございました、って思っていたら、
本番無事終了したとたん猛スピードで曇り→雨→雪って…
じつは彼には、だいぶ前にも一度、
明日は着物でおでかけするから雨をふらせないでください、だなんて、
勝手なお願いメールを送ったら、
「色々すみません」ってお返事くれて(優し~い)、
次の日ホントに晴れたってこともあった。
すごいなー。
この人、じつは神様なのかもしれん。ありがたや。
そんなこんなのCittadino歌劇団の第11期公演『La Traviata』は、
暖かに晴れた昨日、無事終了。
で、打ち上げにて、馬場先生からいただいたお言葉が、
本日のタイトルのこのひと言。
いや、これは最高に嬉しい!
舞台が終わったあとというのは、色んな人が、色んな事を言うし、
色んな評判が飛び交うものだけど、
「繰り返して言いますが、僕は皆さんの一番最初のお客さんです。
だから、僕が言うことが、一番正しいです。
もう一度言います。
今日の皆さんの舞台は、最高でした!」
感激のあまり、ばばせんせ~♪って押しかけてって、
記念に、修了証書にサインしていただけませんか?って頼んだら、
返ってきた返事がまたシンプル。
「光栄です、喜んで。」
いやもう、嬉しいのなんの。
めでたしめでたし。