こないだの日曜日、国立劇場のとある楽屋では、
やれ膝が痛いの、腰が痛いのと、“悪いところ自慢”が花盛り。
出番までまだまだ時間があるから正座のままで待つのはツラいと、
しまいには鏡台に腰掛けちゃう大先輩がたもちらほら。
「もうね、40過ぎたころから、どこか傷めるとなかなか治らないんだよ」
お家元、そりゃちょっと、早すぎますって。
来る日も来る日もそう思っているなぁ、という事柄が公私ともに増えてしまった。
昨日の国立劇場が終わるまでは思うようにできなかった三絃の稽古。
同じく昨日までは手を付けられなかった温習会演奏曲の暗譜。
オペラ仲間が送ってくれた、休んだ稽古のダメ出しメモのチェック。
データが出そろわず始められないままずるずると“待ち”状態のプロジェクトその1。
〆切後に慌てて回答してくれちゃう人が多すぎて集計にかかれないプロジェクトその2。
明後日の出張先でクライアントさんに確認しなければならない項目のリストアップ。
学生さんたちが毎週きっちり提出してくれるレポートの読み込み&評価。
立て続けに開催したり参加したりしてるイベントで名刺をいただいた方々へのお礼メール。
そんなこんなの何はさておき。
出版社に修正稿を送る〆切はいよいよ明日に迫ってしまった。
これがとにかく最優先だな。
・・・なーんてことは、ハナから分かり切っているのだけれども、
遅く帰ってきて、たっぷり1時間かけてのんびり晩御飯を食べて、
そのうえ先にゆっくりお風呂につかって温まって、
挙句の果てに、他愛もない写真とつぶやきをFacebookにアップしたりして。
いいかげんブログなんか書いてないでやればいいんだけど。
どうも、いよいよこれで最後、ってときにいったん全力で逃避する悪い癖がある。
まーあと1時間ぐらい粘ってから、あきらめるか。
今日の国立劇場本番の何日か前に師匠からメールが来て、
とんとんと、次の演奏会出演が決まった。
まさか自分があそこに上がれるとは、という上野の某大ホールでの演奏会。
曲目は、昨年秋に初めて暗記での本番に挑んだ曲。
この演奏会、じつはこの前のお稽古のときに師匠から、
「貴女も弾ける曲だったらぜひ出てちょうだいね」と言われていたのだが。
まだまだ駆け出しゆえ、お家元が演奏会向けに選ばれるような曲は、
習っていないものの方が圧倒的に多い。(と思う。)
本番まであまり日がないので、これから習う曲目ならば暗記は難しそうだし、
すでに習っている曲だったとしても、暗記する時間は、温習会の後、ひと月もない。
師匠には、そういう気持ちを正直にお答えしておいた。
その後しばらくして来たのが件のメールだった。
まぁ、一度“暗記で本番”をクリアしてる曲ならば大丈夫かな、ということで、出演が本決まり。
そして今日。 楽屋で小耳にはさんだ、お家元の発言。
「せっかく憶えた人がいるから、ってことだったからね、もう一度あの曲にした」
むむむ。。。もしかして、師匠にハメられたかな。
二日続けて、帰る道々先生とじっくりお話し、という時間があって。
「4年以内に首都直下型地震」よりも早く「国債の大暴落」が来るんじゃないかとか、
両方一緒に来ちゃうかもね、とか、ネガティヴにもほどがある話になってしまい。
そんなレベルのことが起こった後に、どう生きていけばいいのだろ、
という心配もさることながら、よくよく考えてみたら、
――とりあえずまず、生き延びなきゃってことですよね。
「そりゃそうだな。死んじゃってたら何も考えなくていいからね」
結局、カラダ鍛えとかなきゃ、てとこに落ち着いたというのに。
翌朝の寝起きに地震二連発。
とっさに枕元のテレビをつけて耳でニュース速報は気にしてみるものの、
寒さ&眠さには勝てず、ベッドのなかで往生際の悪さを露呈。
直下型が真冬に来たら、生き延びるのは難しいかも知れない。。。
仕事のあと、NPOの会合があって遠いほうの大学へ。
日が暮れてからの無機質な建物の部屋って暖まりにくくて、
結局ミーティングが終わるころにもまだ寒くてマフラーしたままだった。
みんなで食事に行こうと身支度しながら、やたらとあくびが出て。
なんだか寒いと眠くなるんですよね~…とふにゃふにゃ言ってたら、
「大変だ、死んじゃうじゃん」
とみんなから心配された。
でも個人的には、体が外気温に合わせて自動的に冬眠しようとしてるだけで、
温かくなったらまた自動的に解凍するんだと思っている。
前世はきっと、冬眠する生きものか、
そうでなければ冬を知らないラテンな民族だったに違いない。
年末にばたばたと決まったプロジェクトがある。
しかも納期が3月半ばだというので、年が明けてからこっち、
いきなりのハイペース&全員態勢で取りかかっている。
クライアントさんから送られてきたデータCDを、いつだったか、
「新規プロジェクトのデータです」とスタッフが持ってきたので預かっていた。
預かったはいいけど、自分のデスクに仕舞い込むわけにもいかない。
事務用品のキャビネから新しいファイルを取り出して、
プロジェクトの関係書類と資料とCDと一緒にして、とりあえずデスクの脇へ。
夕方になって、クライアントさんとの電話が終わった同僚から、
「新規プロジェクトのファイルを作っておきますね」と声をかけられたので、
あ、これ・・・、と脇に置いていたブツ一式を指す。
「速(はや)っ!」
――いや、まだファイルしてない。こないだこのCD預かったから、あとでやろうと思って。あと、仕様書とかも・・・
「・・・こないだ、じゃなくて、それつい昨日のハナシですよ。 ヒイラギさん、仕事速すぎです」
アレ、そうだっけ?
頭の中のスピード感によれば、こないだ、くらい前の出来事だったんだけどね。
ま、ざっとこんなもんよ。
世の中的にはたぶんパスネットやSUICAを使ってる人のほうが多くなっているから、
さほど大きくない駅では、きっぷを通せる改札機が、
改札口に1台しかないことも珍しくない。
そういう駅で、きっぷで改札を通りたいとき、
反対側からパスネットやSUICAの人が“ピッ”とやってしまって、
こちら側から通れるようになるまで待たされることが、最近とても多い。
まさに改札機にきっぷを入れようと構えている瞬間に、
背後から小走りに割り込んできて“ピッ”とやる人も、これまた多い。
どちらの場合も、関わり合いになりたくない種類の人間の所業。
とっさに周囲を観察できる程度の余裕すらなくなってるヤツと本気でケンカするのも疲れる、
きっぷ派はひたすら泣き寝入りである。
ただし。
そうまでしてきっぷ派に迷惑をかけたヤツが、
“ピッ”とやって、“ピンポンピンポンピンポン!”をやらかしたときだけは、
さすがに黙っちゃいられない。
すこぶる行儀は悪いけれども、
相手に聞こえるように舌打ちのひとつくらいはお見舞いさせてもらう。
・・・なぁんてネタを、鍼の先生がぷりぷり怒りながら話してくれましたとさ。
次の日曜に本番の舞台で着る、一門おそろいの着物。
「十何日かに届くそうだから」と師匠から聞いていて、
それが、気がつけば二十日を過ぎていた。
ちょっぴりひやひやしたけれど、今日やっと、
ポストに入っていた配達の“不在連絡票”
電話をかけたら、宅急便のお兄さんがすぐに来てくれた。 やれやれ。
しわにならないようにと、すぐさま広げて、和室の衣紋掛けに。
昨夜の衣装合わせから帰って、
やっぱりすぐにハンガーに掛けておいたドレスが隣にあって。
あらま。 見事に同じ色。
少し、うっすらとグレーがかった、落ち着いた薄いピンク。
外は雪。
日曜には、待ちわびるかのような桜が舞台に咲きそろう。
これから起こるイノベーションて、何なんでしょうね、
なんていう話を、金曜日に先生や学生さんたちとしていたとき。
時間か空間でしょうね、ということになった。
タイムマシンか、どこでもドア。
どっちも子どものころから“夢の未来”のシンボルだった。
どこでもドアはさすがにないけど、
タイムマシンはすでに実現してたりして、なんて思った。
だってほら、疲れ果ててベッドにバタンキューなときは、
一瞬で朝になってるもんね。
昨夜開催した公開講座には、他大学の学生にもずいぶん人気があった。
天下の東京大学から「ぜひ聴講したいのですが」とやって来た男の子もいれば、
はるばる新潟から参加してくれた女の子も。
せっかくなので、講座終了後、講師との会食には、
希望する熱心な学生にも来てもらって、
わいわいがやがや、いろんな話をした。
昨日は東京でも一日中雪が降り続いた。
新潟の女の子に誰かが、「新潟も今朝は豪雪だったでしょう」と声をかけた。
すると彼女の答えが、
「あ、いえ、新潟は明日ですね」
みんなで、あらそうなの、新潟はまだ雪が降ってないんだ、と言っていたら、
慌てた様子で彼女が、
「あ、“ごうせつ”って、雪がたくさん降るほうの豪雪ですか?」
え、ほかに何かあったっけと思っていたら、
「合同説明会のことだと思いました」
なるほどー、“合同説明会”で“ごうせつ”というのだそうな。
彼女は3年生。
シューカツ真っ只中で、「頭の中がシューカツ」なのだそうだ。
がんばれ!