そんなタイトルの本を昔持っていた。
職場の上司の知り合いが、アメリカでちょっと名の知れた人物で、その人のことが書いてあったんだったか。
まぁとにかく、初めてのアメリカン航空で、人生初のビジネスシートは、そんな感じだった。
隣の席は、おすもうさんになれそーなボリュームの白人のおっちゃん。
アロハシャツに短パン、サンダル脱いでリラックス。
ちょっとした木の幹みたいなフトモモは、時おり、上下左右に揺れる。
だからシートも時々揺れる。うぉー。
通路の向こうには、いかにもビジネスマンらしき初老の男性が、慣れた感じで新聞数紙に目を通している。
その前の席にはアジア系の女の子グループ。
後ろには黒人ビジネスマン。
嗚呼、人種の坩堝。さすがNY直行便。
おのぼりさん丸出しで、出された食事の写真なぞ撮ってみた。
所詮機内食、感動するような美味しいディナーではないけれど、生まれて初めて陶器の食器でサーブされた機内食。
そこはかとなくありがたい感じ。
クロワッサンは上品なサイズだったけど、コーヒーだけはでっかいマグカップでドーン!
デザートのアイスクリームも、隣のおっちゃんのコブシ大のが2個、ドーン、ドーン!
そういうセンスが、アメリカン。
「貝」じゃなくて。
レレレのおじさんくらい、頭カラッポになって1年ぐらい暮らしたいな。
人生お気楽がモットーなのに、こんなに熱く生きてるなんて。
いや、暑く生きてるなんて。
歯の定期検診。
お仕事仲間の先生の論文レビュー。
第九。
MACHの水換え。
こんど訪問予定の先生の論文読み込み。
朝からノンストップでやってもここまでで限界。
T本先生ごめんなさい。
出版原稿、今夜やります。
このテの激怒電話を受けたのは何年ぶりだろうか。
何度経験しても、気分のよいものではない。
こういう業務でいつも思うのは、
「こんな些細なことで、なんでこんなに感情的になれるんだろ」
ということ。
発端は、会議のご案内。
〝上の意向〟で日にちが先に決まってしまったので、そのまま会場を押さえ、ご案内を流したところ、
「前回の会合のときに次の日にちを決めた覚えがないが?」というメールと、
続いて、日にちが先に決まっちゃいましたので、という返答に対する怒鳴り込みの電話。
はい。すみません。申し訳ありません。勘弁してください。
いくらでも謝るけど、今更どうしようもありません。
クールでドライなヒイラギは、そうゆう、どうにもならないことにエネルギーを使うのがキライだ。
だって、疲れるだけじゃん、と思っているから。
だから当然、そうゆう、どうにもならないことにエネルギーを「使わされる」のもキライ。
言葉で謝れば済んじゃうなら、謝っちゃうもんね。
まぁ確かに。
ただでさえタイトなスケジュールを必死でやりくりして遠方からはるばる来てもらったところで、時間と労力とお金をかけただけの意見をしてくれるわけでもなかったじゃん、という感情がこちらにあることも否めないのだが。
それにしても。
「(座長やスポンサーを差し置いてでも)自分が出られる日にしろ」
としか聞こえないのだね、私には。
んなご無体な。こっちだって商売だがや。
大きな仕事の前の、しかも週末の夜に、こうゆう業務。
やっぱり疲れるな~事務局仕事って。
まだ手をつけていない数ケースを含めると、洗い出した社会起業家の事例は軽く60件を超える。
それぞれのストーリーを追うだけでもずいぶん時間がかかっているが、集められた情報だけで悩みつつもがきつつ分類してみて、なんとなく見えてくるものもありそうだ。
ちょっとホッとした。
テクノロジー・イノベーション系の政策研究をしていたころは、ケーススタディというのはまさに『プロジェクトⅩ』みたいな、ある種ドラマ研究のイメージだった。
発明をいかに形にするか。感動ドキュメンタリーだ。
次のシンクタンクに移って、ハイテク・ベンチャーの創出プロセス研究になってからは、ますますドラマティック度が増した。
熱い思いをビジネスという形に結実させるために、多くの人が役者として登場する。
その裏には経済や経営やビジネスとテクノロジーの確固たる理屈があった。
そして今はSocial Entrepreneursである。
ヒーロー/ヒロイン系の社会起業家は、熱い思いと強力な行動力を併せ持った個性派俳優。
舞台も大道具・小道具もさまざま。
ビジネス色の強いケースは今までの研究とも似たところがあるけど、ミッション性だけがきわめて強いようなケースは、これはもう、小中学校の映画鑑賞会向けの上質な長編ドキュメンタリー映画だ。
先生、こういうケースの1つひとつを脚本化してみました、みたいな博論て、だめですかね?
だめですよね。
面白いんだけどな。
どうやら暑さと乾燥に弱いらしいふうせんかずら。
ちょうど猛暑の時間帯、午後2時~4時ごろの間、直射日光直撃の炎天下となるわがやのベランダで、着実に干上がっていっている。
留守してた数日間で、たかだか2リットルぽっちのペットボトルぢゃ太刀打ちできなかった。
青々とみずみずしく蔓と葉を伸ばしていた姿はどこへやら。
蔓の間から植木鉢の向こうが楽に見通せるほど、かわいそーなことになっている。
葉という葉がしぼんでしまってわかったこと。
ふうせんは10コもできていた。
ほとんどは薄茶色に熟れつつある。
暑さと乾燥の中、最期の力をふりしぼって実を結ぼうとしたふうせんかずら。
キミの想いはしかと受け取ったぞ。
来年も、ひとりでも多くジュニアが育ちますように。
この夏が終わるまで、もうひと息、がんばれ!ふうせんかずら。
調べ物をしようと大学の図書館サイトにアクセスした。
いちばん目立つところに「お知らせ」が載っている。
最新の「お知らせ」の表題を見て、朝8時台だというのに、どっと汗が吹き出した。
「本館のエアコン故障」
ひぇぇ。
しかも「お知らせ」の日付は8月14日。
猛暑まっさかり。
しかも本文には「復旧まで数日かかる見込み」。
だめじゃん。
役立たず。
夏のいちばん暑いときに、ガッコの図書館くらいは涼しくして、学生に勉強がんばってもらわなくちゃね、
ていう思いやり、ていうか、ガッコって、そうゆうとこなんぢゃないの?
せっかくヤル気に満ちて起きたのにさ。
今日もひきこもりだよ。
1週間の夏休み(仕事の)も今日と明日を残すばかり。
実家への顔見世興行の大役は果たした。
あとは出版原稿書くだけ。
・・・ひぃ。
2度めの鍼治療で猛暑も吹き飛ばせるよな気がしたのだが、
結局、身もココロも軽くなって帰った、てだけで、
気が大きくなった分ついつい資料集めのネットサーフィンのふりして寄り道また寄り道。
気分が乗らない限り、1文字たりとも書けやしない気まぐれライターだからな。
ま、あと1日あるし。
できなかったぢゃ済まない共著の原稿ゆえ、がむばるしかない。
・・・ひぃ。
大っキライだが、感心した。
しぶとい、しぶとい、とは前から思っていたが、この生命力は尋常ではない。
HONJAMACAが昇天して丸3週間が過ぎた。
あの頃はまだ夏だというのに寒いぐらいで、油断して火葬にしなかった。
それでもかなりプランターの奥底近くにしっかり埋葬したから、土の中で大変なことにはなっても、外には影響ないだろうと軽く考えていた。
しかし埋葬直後から一気に猛暑に転じた。
連日の最高気温更新で、土の中がやや心配になってきた2週間めあたり。
何やら黒い影が、墓標の後ろから飛び出してきた。
少々追い払っても、また戻ってくるその黒い影をよくみれば、大きなハエである。
ひえぇ。
まぁしかし、土の中のHONJAMACAに卵産み付けたりはさすがにできんだろうと、とにかく追っぱらって済ませた。
それにしてもどうやって卵産めそーな臭いを嗅ぎ付けて来たのか。
〝なんちゃってベランダー〟を名乗って以来、自然の営みには驚かされてばかりである。
ハエの嗅覚、おそるべし。
不潔で病原菌のデパート的イメージのこの生きもの、何をどうがんばったって決して好きにはなれそうもない。
とはいえこれも自然の営みの一つ。
ましてや墓の隣のパプリカには何の罪もない。
からだに悪そーな殺虫剤は触りたくも撒きたくもない。
結論。
猛暑と熱風の異常乾燥干上がらせ攻撃。
盆の入り。
激空きの通勤電車で、全行程すわって快適にご出勤。
オフィスも人がまばらな中、さぁ集中して休暇前のひと仕事、と気持ちよく腕まくりした途端に電話が鳴った。
出張手配を頼んでる旅行代理店から、朝イチでの電話。なんかヤな予感。
「ヒイラギさん、ちょっと突然のご相談なんですが・・・」
やっぱし。
聞けば、同行する先生の1人から、今になってしらっと、“ちなみに、パスポートの名前は△△です~♪”とメールが入ったという。
途中経過も何度も報告し、フライトもホテルも全部押さえました、発券して、来週にも皆さんのお手元にチケットを、てな頃合いの今になって!
○○先生ー、海外にさんざ行き慣れてるんだからさ、分かってるでしょーよ、パスポート名でフライト取らなきゃ乗れないぐらいのこたぁ。
んな基本的な、しかも本人にしか分かんないよなこと、なんで何を置いてもイの一番の最初に言わないかな~???!
大体、○○先生の旧姓が△△だなんて、誰も知らないぐらい、「○○先生」で名が知れてるんだからさっ!!!
苦労して押さえたフライトも、まったく別人として取り直しですよ!追加料金まで発生ですよ!
こりゃー納得いかんですよ!!!
少なくとも「?」と「!」の数だけストレスなんだぞ!
こんな調子だからだなー。
こないだカリスマ鍼師のおばちゃんに腹を刺され、痛いよ~と訴えたら、
「これはね、胃のツボよ。あんた、ストレスたまってるね」
と一発で見抜かれた。
人サマのフォローばっかの事務局仕事人だものね。
哀しいサガですな。
師匠の4週連続集中レッスン最終回の今日。
やれるだけの一夜漬けはやった。
イザ、出陣!とばかりに稽古場へ。
音出し20分前、珍しく師匠より早く到着したらしい。
部屋の電気をつけ、エアコンのスウィッチを入れて、使う楽器の袋をはずしたら、全体の準備は完了。
自分の触る楽器の調弦を済ませ、一夜漬けの成果を最終確認。
音出しの時刻が迫っても、まだ師匠が来る気配がない。
―こりゃー玄関まで迎えに出るべきだな、多分。
猛烈な陽が挿し込む玄関口。
師匠の車が今来るか、今来るか、と待つこと10分余り。音出し時刻をとうに過ぎていた。
―何かあったのかな。
玄関口から師匠のケイタイにメールしてみる。
と、すぐさま返事が・・・いや、電話が。
「どうしましょ、あら、私、あなたにも、みんなにも連絡してないわ! 今日はね、急な用が入ってしまって・・・」
―あ、お稽古中止ですか。はい、分かりました。
降って湧いた休日。さて、どうしよう。
夜の歌舞伎観劇まで、たっぷり半日がいきなりの自由時間。しかももう出かけちゃってるし。
動き回ってるのが普通の生活をしていると、こうゆうときの過ごし方をすぐに思いつかないのがくやしい。
結局、勝手知ったる銀座まで引き返して、ショッピング&ウィンドーショッピング。
バーゲン会場に行き合わせれば、時間はいくらでもつぶれることに気がついた。
本日の収穫は、ふくらはぎマッサージ用のアロマオイル。
いちおう満足。 ま、そんな感じ。