衣装合わせなので衣装一式を持って19時に集合しろといわれていた。
とても、かなり、相当、無理をして、仕事を中断して稽古場へ。
稽古場に足を踏み入れたのは19時3分過ぎ。
今日から来ると聞いていた中丸三千繪は影も形もなく、
区のスタッフの説明もどうやら終わりかけのようだった。
すでに、軽~く話が違う。
続いて、衣装係からの説明。
ごたいそうに役柄別に人を入れ替えてまでやってるわりには、
言われた説明は「袖をまくって着てください」だけ。
衣装も靴も、着替えどころか、持ってくる必要も完全に無かった。
あほらし。
音楽稽古も立ち稽古も一切なし。
全員を一気に集合させておいて、
最初のチームは19時15分かそこらには自由解散。
周りの雑談から察するに、
中丸三千繪は集合時刻よりも前に顔を出して、
ほんのひと言あいさつしただけであっという間に帰ってしまい、
男性主役のラダメス役はマエストロ判断で降板させられ、
代役は愛も想像力も工夫もプロ意識も皆無の悪人顔の演出家の兼務ときた。
区の担当者と運営NPOと演出家のコミュニケーションもちぐはぐで、
配られた当日スケジュールには朝9時という史上最早の集合時刻だけ。
パートごとの責任者が書いてあるなかに、アルトパートだけが抜けている。
学生アルバイトだってもうちょっと事務能力があると思うが。
オーディション受けて合格してソリストになって、
受講料支払ってレッスン受けて、
本番1ヶ月前から合同稽古に参加して特訓受けて、すごいペースで暗譜して。
それで降板させるのか、ここの区民オペラって。
それで代役は、本番の一番メインの歌の途中で歌うのやめちゃうような、
世界に類を見ない無責任男が演出の片手間に歌うのか、ここの区民オペラって。
『AIDA』は好きな作品だけに、とにかく本当に悲しい有様だ。
ぷりぷり怒りながら帰ってきて、ウサ晴らしに苺アイス2種類買って、
ポストを開けたら大学からの封書。
「学長印を押さないで証明書をお渡ししてしまいました」
今度は学長印は押してあるけど、論文タイトルが間違ってる。
決して言いたくなかった口汚いひと言が唇のすぐ内側まで迫ってくる。(まったく、どいつもこいつもっっっ!)
<本日のぬらりひ川柳>
「あの形は 運転された ネットだね」ぬ
「そのライン ビッグイベント 木曜日」ぬ
むむ?
2010年1月28日木曜日。
09:10 いろいろあって出遅れて大慌てでタクシーに駆け込み乗車
09:30 プロな運転手さんにあたって、時間どおりヘア・メイク&着付開始
11:00 ヘア・メイク&着付完了
11:36 品川駅・北のりかえ口にてハハ
と合流
12:15 大学近くのお蕎麦屋さんでハハとランチ
13:05 キャンパスの桜並木&梅並木にハハを案内
13:15 小雨に降られ、リフレッシュルームで休憩
13:45 会場入り
14:00 チーフ、デジタル一眼レフ
片手に張り切って来場
14:05 学位記授与式スタート
14:50 学位記授与式終了
15:05 雨上がりの梅の花をバックにハハ携帯で記念撮影
15:15 来週の超ビッグイベントの会場ホールにハハを案内
15:55 ハハとホテルにチェックイン
16:26 ヘア・メイク&着付お直し
16:30 写真室で記念撮影開始
17:17 2カットのために61枚撮って撮影終了
17:23 ハハをホテルに置いて芝浦へGO!
18:05 ライブ会場に到着、イケメン先生が歌いながらにこっとお出迎え
18:30 オペラ仲間その1遅刻して登場
18:40 ライブ第1部終了、オペラ仲間その2遅刻して登場
18:50 イケメン先生とちょっとだけおしゃべり
18:54 ライブ第2部スタート
19:00 時間切れでふたたびホテルにGO!
19:28 ホテル着、洋服にお着替え
19:30 ホテル別館のトラットリアでハハとディナー
21:00 ホテルの部屋に戻って、だらだら
23:00 長い一日だった。おやすみなさい
日付のうえでは元日から「博士」ではあったけど、
まぁ一応ホラ、形としてね、というセレモニーは、ようやく明日。先生は「だってなんか、カッコ悪いじゃん♪」とか言っちゃって来ないし、
東京大好きだけど娘にはてんで関心のないチチも来ないし、
でもなぜか、
天然で出不精で心配性のハハが「行く」と言い出し、
ヒイラギと一緒に大忙しのてんてこ舞いのチーフが「行く」と言い出し。
いわれてみれば、一生に一度しかないことだし、
この先、浮いたセレモニーは見せられなさそうだし、
ここはひとつ、無理にでも、ぱぁっと行っとくか――
てことで、有名ホテルの着付師など手配しつつ、
明日に備えて行きつけの美容院へダッシュ。
急なお願いだったから、いつもの美容師さんは定休日。
頼んでおきますね、と言われてた代わりの美容師さんも顔見知り。
楽しくおしゃべりしながら整えてもらった。
それじゃあありがとございました、と帰りかけたとき、
ちょっと待ってください、と彼がカウンターの下から何やら取り出して、
「これ、お祝いです」と手渡してくれた。
最新の科学的な研究に基づいて開発された、
市販されていないトリートメント剤なのだとか。
これも“博士”さんが開発されたんですよ、という笑顔に、じんと来た。
思いがけない形でもらう〝おめでとう〟という気持ちって、
本当に、嬉しい。
来月の超ビッグイベント、
海外から3名のゲストスピーカーを招いている。
そういうときは、オンラインシステムから謝金の申請をするのだけどね。
相手がどんなに世界的なVIPだろうと、
「日本国内の銀行に口座がある人にしか振り込みません」
などというKYで高飛車な組織ゆえ、
プロジェクト責任者が代理で振り込んでもらって、
ゲスト当人には日本円の現金を渡す。
まぁこの時点ですでに、ばかばかしい。
わが国を代表する教育機関のひとつだというのに、
恥ずかしい仕事っぷりです。 素人未満。 役所以下。
そこへ今回は追い討ち。
ゲストの名前その他、ぜーんぶインプットを済ませて、
申請ボタンをクリックすると、メッセージがポップアップ。「この氏名を支払先データベースに登録しますか?」
するわけないじゃん、日本に口座ないんだから。
いいえ、とクリックすると、入力画面に戻る。
なんだそりゃ。
登録しないで申請って選択肢はナシなのなら、
なぜポップアップしてまで訊く?
それじゃあ仕方がない。
「氏名」欄に入力した人の口座に振り込まれるから、
ここのプロジェクト責任者の指定の口座に振り込まれるように、
「氏名」欄には責任者を、ゲスト情報は備考欄にして、
申請ボタンをクリック。 ポップアップなし。
数時間後、事務屋からメールが入る。
「規程では氏名欄には講演者本人を記入することになっています」
めちゃめちゃふつうに、「え、本気で言ってます?」って返信しそうになった。
振込先のない申請をしろ、ってことかな?
登録する可能性のない口座名義を登録しろ、ってことだよね??
ここまで来るとお役所仕事の鑑よのぉ~と思いつつ、
鼻先半笑いで説明してあげたら、
「そんなこともあるんだ~」程度には理解できたみたいだった。
進歩だ!
まぁそれにしても。
ここのシステムは全部、
社会の仕組みなど何にも分かってないオタク学生に、
タダで作らせたな、きっと。
<本日のぬらりひ川柳>
「お笑いに 仕事したれば ゲストだね」ぬ
いい得て妙だわ、ぬらクン。
アップして即座に詠んでくれた一句でしたとさ。
マスクをして『AIDA』の稽古に行ったら、案の定、
会う人、会う人、
「あら~久しぶりじゃないの、どうしてたの、あらっ、予防?風邪?」
(↑ワンブレスで一気にね♪)
風邪ひいたって自覚はないけど、現に具合はよろしくない。
ちょっと首かしげて考えてから、――過労…?
って、ファジイに答えておいたのだけど、
ひとしきり手抜きしながら歌って家に帰ってしばらくして、異変。
〝はっくしょん!〟
熱もない。 頭も痛くない。
寒くもないし、吐き気もしないし、食欲も旺盛。
(食べる時間がないだけで)
だけど、くしゃみと鼻ぐっすん。
やたらとノドがかわいて、声がかすれる――とくれば・・・
来た来た! きっとこれは、今年のスギ花粉。
そういえば、稽古中、合唱指導の先生も鼻ぐっすん。
愛と想像力と工夫のない悪人顔の演出家が嬉しがってラダメスの代役やってるのを、
遠~い遠~い悲しそうな目をして眺めていたから、(ボクもラダメス歌いたかったなぁ・・・
)
って泣いてるのかと思ってたけど、もしや彼もスギ花粉症かな。
インフルエンザにはついぞかかったことがないヒイラギも、
ここからはマスク必携の毎日。
面倒な季節がやってきたか。
<本日までのぬらりひ川柳>
「場当たりや とんずらされた 仲間かな」ぬ
ええ、ハイ、そのとおりです、ごめんなさい。
「その天使 公開したり オペラかな」ぬ
えっと。
『AIDA』に天使は出てこないかな。
本日のキーワードは「とんずら」
まさに、そんな一日。
やるべきことは、昨夜というか今朝というか、
ともかくもベッドに入る前に、ぜんぶ一気に片づけた。
ビッグイベント2れんちゃんまで残り2週間たらず。
このまま突っ走ったのでは、とても本番までもたないから、
この土日は何が起こっても仕事をシャットアウトすることにした。お日さまの光がふんだんにそそいで暖かなベランダ際。
拭き掃除の手を止めて、数ヶ月ぶりにサボテンの鉢に目をやると、
家族がふえてる!
しかも、よぉく見ると、ふたり、ふえてる!
なにか、親しい人にいいことがある前兆だといいなぁ。
<本日のぬらりひ占い>
ぬ:理解運悪し
きょうは、理解をするためにあるような日です
はーい。
いま一番ほしいもの。
支離滅裂で理解不能なことばっかり電話してくる事務屋たちを、
ぶぅん。
て、一瞬で亡きものにしたい衝動に駆られる毎日、毎時間。
「普通にぱっと見て、説明できない」
というのが彼らの口癖なのだが、
言われることのどれもこれも、どう考えても、人として当たり前に考えて、
――same to you!(そっちこそ!)
って返したい。
心底、本っっっ当に頭にきたときは、もう、
ぶぅん。
なんかじゃ済まなくて、
じゅぅーーーーーーーーーーーーーっ・・・
て、アイロンみたいに当ててあげたい。
痛いとか叫んでる場合じゃないぐらい、ライトセイバーを堪能してもらいたい。
そんなことを知人にぼやいていたら、
「ヒイラギさんが自分で手を汚さなくてすむように、
正義の味方のダースベイダーが登場してくれるといいねぇ」
う~ん、でもライトセイバーは赤より水色のがいいな
<本日のぬらりひ川柳>
「その会を 気に入っていて 天使かな」ぬ
どうすれば公開ゲネプロ*に出られるかを一応真剣に考えていたときに、
『MACBETH』でも一緒だった仲間が、「ヒイラギ人形つくっとくか♪」
と言ってくれたことがある。
出番が一番長いシーンでは、彼女の背後がヒイラギの立ち位置。
背格好が一緒の人形背負って、場当たり**に出といてあげるよ、と。
人形を作るテマヒマがまず確保できないから無理だけど、
背格好の似た友人にダミーを頼もうか、とはちょっと考えたりもした。
ちかごろは、ネット上の身代わりキャラを“アバター”といったりするけど、
そもそも「avatar」とは、神の化身。
自分の分身が“アバター”だなんて、そこまで思い上がるつもりはない。
でも今回ばかりは、分身がいたらなぁと思った。
どっちに分身を行かせて、どっちに本人が出るか。
判断基準はやっぱり、「本人を」と望まれている度合いなんだろうな。
ただ、そこに、「好きだからやってる」っていう気持ちの度合いも入るから、
果てしなく迷っちゃうのだ。
舞台は代わりがいっぱいいるから、ぶっちゃけ、本人である必要はない。
仕事は任されていることの重さと深さによっては、代わりでは話にならない。
だけど、
仕事は仕事として、必要とされる範囲で全力を尽くせばよくて、
舞台は純粋に、好きで、やりたいから、けっこう本気でやっている。
気持ちも代理できる分身がいたら、
どっちに出たがるんだろうな。
*ゲネプロ…本番と同じ条件で行われる通しの舞台稽古。ゲネラールプローベ、Generalprobe(独)
**場当たり…本番と同じ状態の舞台で、役者の立ち位置の決定、場面 転換時(暗転時など)の物の出ハケの確認、照明、音楽のきっかけ合わせを行うこと。ゲネの前に行われ、部分的、主に場面転換時を中心に行われる。「場当たり」では、暗転の長さをはかったり、役者が暗闇での移動を練習したり、本番用の靴をはき、足音のチェックをしたり、言わば、役者が演技以外の練習をする。
(『舞台用語辞典』より引用)
<本日のぬらりひ川柳>
「そのひとり 来てくれている 名前かな」ぬ
ものすごい成長ぶり。
いま招待者リストのチェックしてるって、なんで分かってるんだ・・・
出た。
やっと新製品出してくれた、富士通LOOXのモバイル性追求ライン。
プレスリリース
⇒ http://pr.fujitsu.com/jp/news/2010/01/18.html?fmwfrom=fmv_info
製品情報
⇒ http://www.fmworld.net/fmv/looxu/?fmwfrom=top_publicity&banner_id=top_publicity
そう、求めていたのはこのレベルのスペックです。
超軽量で、小型でもフルキーボード。
トラックポイントではないけれど、
とにかく邪魔なタッチパッドがなくなったのは快挙!
10本指入力のユーザーにとっては、
親指のつけ根に過敏に反応してしまうタッチパッドなんぞ、
存在自体がイライラの元だった。
人差し指1本だけですべてを入力する人向けのデバイスだなと思う。
買うならもちろんカスタムモデルなのだけど、
こちらはメモリ容量だけじゃなくて、CPUも選べるらしい。
処理能力とメモリのバランスって、やっぱりプロに相談かな。
こんどBambooさんに教えてもらおうっと♪
いま愛用のミニPCは02年型のLOOX S73AW。
これって、人間でいえばいくつぐらいなんだろう。
セキュリティ・ソフトを積み替えるだけで、
オーバーヒート直前のまんまウンウンうなされたりする。
何をするにも膨大な時間はかかるし、大丈夫かなぁとひやひやさせられる。
もはやモバイル機としては使い物にならないスピード感。
でも、見てると、ひとりで黙って一生懸命フル回転して、
朝にはちゃんと大仕事をやり終えて待っている。
これはこれで、なんだか、分身みたいな気もして、愛おしい。
<本日のぬらりひ占い>
ぬ:業界運そこそこ
オペラは業界の歌舞伎みたいでしょう
ほほぅ。
一昨日の夜は、懇意にしていただいている出版界の関係者と新年会。
不眠不休で働いてヨレヨレ真っ最中とは思えないくらい、
食べて、呑んで
、おしゃべり
しまくった2時間弱。
この会の中心的なおじさまは、毎年必ず観に来てくれるオペラファン。
一緒にフランクフルトに出張したときは、『魔笛』に連れてってもらった。
ヒイラギの名前を一番に憶えてくれたおじさまでもある。
この業界で長く一緒に仕事した同僚は、筋金入りの歌舞伎ファン。
オペラは西洋の歌舞伎みたいなもの。
彼女も毎年必ず観に来てくれている。
3人で自然と中丸三千繪と『AIDA』の話なんかしていたら、
そばに居たトシさんの口からおもむろに、「ボク、この間、ミラノ・スカラ座の『AIDA』に出たんですよ、兵士役で」
えぇーーーーーーっ!
あの、だだっ広いだけでイマイチ音響がいいとも思えないN■Kホールの、
あの、どう考えても6万とか8万とか出す甲斐のなさそーなN■Kホールの、
あのミラノ・スカラ座公演ですかっっ!
きけば、成り行きで“六男”に入っちゃったらしいトシさん。
みんな中丸三千繪からお腹さわられて、発声練習に励んでいるのだとか。
“六男”の若き副指揮さんには合唱指導に来てもらったことがある。
中丸三千繪よりはこっちのほうが、ちょい親近感♪
いつも真っ赤なPumaのスニーカー履いてたファンキー
、元気かなぁ。
「今度、ミラノの出張公演にも行くんです」
えぇーーーーーーっ!!!
それは羨ましいなぁ・・・
バレンボイムの指揮で歌うのかぁ、きっと演出家も、
「愛も想像力も工夫もない悪人顔」なんかじゃないんだろうなー。
いいなー、いいなー、
こっそり「妻です♪」とか言ってついてっちゃダメですか~
なーんて言ってたら、「ヒイラギさん、まるで“のだめちゃん”だね♪」
て、すかさずつっこまれてしまった。
うふふ、なんでバレてるんだろ。
大好きな指揮者さん追っかけちゃったりしてること。
なんかみんな、オペラつながり。
この集まりは分別のある大人の人ばっかりで、やっぱりほっとする。
<本日のぬらりひ占い>
ぬ:クリスマス運上昇中
クリスマスに引っかかって残っているでしょう
なんか、悪くはなさそう。