晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

地名のこと(7) 2/10

2012-02-11 | 上林地名考

2012.2.10(金)曇 朝の気温-2℃

  猪鼻地名についてもやもやしているとき、「京都滋賀 古代地名を歩く」Ⅰ、Ⅱという本を手に入れた。京都地名研究会の会長をされている吉田金彦氏の著作だ。読み始めると面白いのだが、地名の解釈に文学的な素養が入っており地名の由来についてもなにか情緒のあるものとなっている。私自身は古代の地名というのはかなり現実的な人間の生々しい生活に直結したものであるという考えなので、少し合わないなあと思い読み進めていないのである。P1010023
 その中で和束町の湯舟(ゆふね)や犬打(いぬうち)のところで珍しく金属地名としての解釈がしてあるのを見つけた。その中に猪谷(いのたに)、猪鼻峠(いのはなとうげ)も出てくるのだ。猪谷にはマンガン鉱山があったとか、鉱山地名に関連してイヌ・イノ・イナがあるという風にも書かれている。
 イ=鋳という意味だろうか。またイ=井であって、井が縦坑を意味するとしている説もある。
 ところが、「採掘場で人が事故で亡くなったり、峠から人が去ってゆくので、イヌ(去)の名があるのかとも思うが(猪谷・猪鼻)それだけでは片付けられない。」という風に締めくくっておられるのは少し興ざめである。
 同じ本の中で土山近くの猪鼻について書かれているが、このあたりこそかつてのマンガン鉱山もあり、金属鉱山地域だと思うのだが、吉田氏の文は次のとおりである。
「というのは、蟹ヶ坂までは鬼の出没するところで、蟹塚や蟹ヶ坂のカニ(蟹)は難儀なところをかろうじて克服するカヌ(肯)の意があり(鬼の横から出て来て悪事を働くという意をかねている)、イノハナ(猪鼻)はイノハナ(斎端)で祈りの場の端を表している。」
 カニ(蟹)=金で蟹地名が金属地域を指すのはよく言われていることで、もう少し現地のことを調べられたら上記のような文にはならなかったのではないかと失礼ながら思うのである。

  今日のじょん:今朝も氷点下で雪はカチンカチン、久々に上林川に降りてみる。まだ誰も歩いていないかなと思いきや、誰かがワンの散歩に来ている、ヘイヘイかな。
というわけで足跡を嗅ぎ回っているのだが、上林川の様子もお見せしよう。P1010009 P1010010 P1010011  

 

 

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