晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

地名のこと(8) 2/11

2012-02-11 | 上林地名考

2012.2.11(土・祝)

 柳田国男氏や吉田金彦氏など大御所に逆らいつつも金属地名としての猪鼻の可能性が無きにしも非ずという所まで来た。ここで全国各地の猪鼻、猪ノ鼻、亥鼻、井の花地名を探ってみる。二十三地点を選んで、地図で調べて見る。同じような状況の所ばかりなら良いのだけれど実に千差万別である。山地有り、市街地有りで地形的にも色々である。問題の金属関連地か否かという点はいくつか該当するのだが、すべてがそうだとは言えない。詳しい分析は他稿に譲るとして、猪鼻には様々な意味があるのではないかと思わせる。
 その一つに金属関連地名があるとすれば、イ・ノ・ハ・ナをどう解釈すべきだろうか。イ=鋳、井というのは考えられるが、ハナはなんだろうか。
 そんな時、マンガンについて調べた本、「マンガンぱらだいす」と「丹波マンガン記念館の7300日」の中に面白い記事を見つけた。前者では海老谷の例だと思うが、田んぼの中からもマンガン鉱脈が発見されたということで、鉱石の黒い塊が花びらのような形で落ちていて、これを「ハナ」と呼んだということだ。Img_3721
 
田んぼの中でも鉱脈が発見されたという海老谷(京丹波町)


 後者では川に流れ出たマンガン鉱石を「マンガンの花」と呼ぶとある。
 鳥垣のマンガン坑を訪れたとき、同じような岩壁はいくつもあるのにどうしてこの箇所にマンガン鉱が存在するのが解るのか不思議に思ったことがある。想像するに、岩壁の表面に黒い鉱脈の切断面が現れていたのではないだろうか。それがマンガンの花というのではないだろうか。それはもちろん風化したり欠け落ちたりして斜面に落ちやがて谷や川に堆積して、これもマンガンの花と呼ばれるものなのではないだろうか。今まで訪れたマンガン坑は圧倒的に谷の側が多いのである。川や谷を遡って流れ出た鉱石を辿り、鉱脈を見つけたのだと思う。Img_3423
 
この岩壁にどうやって鉱脈を見つけたのだろう。(鳥垣、アシ谷)


 このことは科学的な鉱物探査が不可能な時代にはマンガンに限らずあらゆる鉱物に共通することであって、露頭を探すということが鉱脈を見つける最も有効な方法で在ったのでは無いかと考えるのである。そしてこれ等をも「ハナ」といったなら、「鋳の花」という意味で地名が残ることも考えられるのである。
つづく

今日のじょん:昨日は今年初のシャンプーをして、体重測定は18.4Kgで合格。
雪があるうちは泥んこにならないのでいいのだが。
今朝の積雪は2cm、可愛いものだ。P1010021

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