晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

上林の盃状穴(37) 番外編 7/31

2013-07-31 | 歴史・民俗

2013.7.31(水)晴れ 京都帝釈天(21)
上林の盃状穴(36)は2013.7.19

 内林町の垣内八幡神社の盃状穴は鳥居の台石と手水鉢に残る。府道拡幅により神社内の多くの設備が更改された際に、なぜこれらの設備が更改されずに残ったかというのが疑問の出発点である。2013.7.23に2回目の訪問をして調査した。

 当初は盃状穴が存在するがために更改されずに残ったのかもしれないと予想した。そうすると神社関係者が盃状穴の何たるを知っている知らないにかかわらず、そこに歴史的民俗的意義を感じたためと考えられる。つまり先人が神事や祈祷の手段として穿ったものと伝えられているかもしれないのだ。少なくとも子供のいたずらで穿たれたというものなら、真っ先に更改されているだろうと考えるのである。
 ところが鳥居に関しては、園部藩主小出吉親公によって寄進されたものであるということがわかった。それは鳥居の両柱に書かれた銘文によって明らかで、間違いの無いところだろう。こういった歴史的意義のある鳥居なので更改されることなく保存されたのだろう。なお、この鳥居は現在境内の奥、八幡社の石段の下にあるが、道路拡幅前は府道の前の正面に立っていた。
P1040863



現在府道側正面には新しい鳥居が立っている。元々の鳥居は奥の八幡社石段下に見える。


 そしてその時点で既に台石に盃状穴が穿たれていたと考えられる。移転の際には鳥居と台石が同時に移転していると思われ、現在はその台石の下に新しい台石が敷かれている。つまり二枚の台石の上に鳥居が立っているわけだが、よくぞ古い台石を残してくれたものと思う。
P1040866



新しい台石の上に旧の台石ものせられている。

 問題は手水鉢である。この手水鉢は元から現在のところにあるものではなく、1088年4月の写真で見ると、本殿の左の鳥居(おそらく厄神社と思われる)の左に写っているのがそのようだ。現在のものは手水鉢を除いて、手水舎、敷石、水道設備などすべてが新しいものになっている。第1回目の訪問の際に気がつかなかったのだが、手水舎の屋根裏に棟札があり、「奉納 手水舎 十六年一月 矢野敬太郎」と書かれている。その時にすべてが更改され、手水鉢だけが残されたのだろう。つづく
P1040882P1040964



手水舎と棟札。


【作業日誌 7/31】
植木剪定4日目
P1050029



桜切るバカ。

【今日のじょん】じょん語録 越犬行為
良い番犬のじょん君はお客さん以外の訪問者があるととんでもなく吠えるのだが、向かいや隣の家の訪問者の際も吠えるので困っている。「そりゃあ越犬行為やで」
P1040985

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雨読 古代史を解く三角形(2) 7/30

2013-07-31 | インポート

2013.7.30(火)晴れ 古代史を解く三角形(1)は2013.7.20
 

 雨読というタイトルで多くの書評をしてきたが、本の評価などというものはその時点での読者の志向、知識レベル、読解力に左右されるもので不動のものでは無い。ある時点では素晴らしいと感じた本が、読む側の知識レベルが上がり思考能力が高まった結果、実はつまらないものだったということもあるし、その逆もあり得る。特に古代史の研究に関する本はその傾向が強い。その際は再読、再々読として雨読に書いていくので評価が変わっていく様子が理解できると思う。
 本書は不思議な本である。もの凄く興味深くてあっという間に読了したが、さて何が書いてあったか解らないというものである。
 本書が書かれるベースには「大和の原像」(小川光三)、「知られざる古代」(水谷慶一)があるわけだが、測量ということに関しては両者の域の範囲内という感がする。「知られざる古代」については随分前に読み、雨読でも紹介済みである。(2010.1.10~12)ただし、現在では評価は変わっており、再読でいずれ紹介したい。そして「大和の原像」は現在読書中なのだが、これがすべての発端になっている書で、著者小川氏の発想の豊かさ、柔軟さ、そして美しい文章で魅了されてしまい、本書の影が薄くなっている。
P1050024

 


一連のつながりのある三冊


大谷氏が大発見と豪語されているのは、古代の測量、日本の上に描かれた大きな三角形が「古事記」の解明につながるということである。
 難解というより不可解な「古事記」の文を古代測量の所作として解されているのだ。丁寧に解説されているのだが、どうも納得できる雰囲気では無い。中にはそう言われてみればそうかなあと思うぐらいである。それは読者側の知識の未熟、読解力のなさなのかもしれない。将来再読して高い評価をする可能性はありそうだが、今のところはよくわからないなという想いの本である。

【今日のじょん】久々のじょんシャンの日である。体重測定から始まるのだが、おとーがよっこらじょんと抱き上げるのが好きみたいで、体重計を出したら自主的に近づいてくる。じょん件反射かもしれない。
P1050023





【作業日誌 7/30】
草刈り(4-5)

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