自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

また,雪の朝

2015-01-03 | 昆虫

1月3日(土)。今日も雪の朝を迎えました。積雪11cm。陽が昇ると,すこしずつ雪が解けてきました。

ツマグロヒョウモン(?)の蛹の上辺りに,雪がたっぷり。向こうには青空が広がっていました。この蛹は,これまでに何度か写真でご紹介済みのものです。 

 
ジャコウアゲハの蛹が雪に埋もれ,やがて雪解けとともにトンネルがすっぽりできて……。姿が現れました。

 
畑では,キクの花にも積雪。昼前にはそれが解けて,ハエたちがさっそく訪れていました。


雪の脇に,ミバエがいました。口吻を花の奥に差し込んで,熱心に餌にありついていました。


小さな,ハエのなかまがいました。さすがに寒いなか,指をもっていっても飛ぶ気配がありませんでした。それでも,ちゃんと餌を舐めていました。 


カメムシのなかまも一匹。吸汁に夢中の様子。頭部をはっきり上下させる動作が印象的です。 


雪景色のなかに見る昆虫の姿には,想像以上の意外性があります。大きな成虫こそ現れませんが,小型のからだゆえに昆虫が小宇宙で生きているという実感がしてきます。
 


今,タンポポの花と昆虫

2015-01-03 | 昆虫と花

冬に花咲く野草はわずか。タンポポはその,わずかなうちの一つ。黄色の花が目に付きます。なにを思って咲くのかわかりませんが,どう感じて開くのかさっぱりわかりません。とはいえ,どんな環境下でも生き延びようとしている一例であって,少々酷な条件でも「なにくそ!」と立ち向かうように見えるところがあっぱれです。 

そんなわけで,ついついタンポポに目が向き,「いったいどんな昆虫が訪れるのか」と気になります。気になるので,タンポポの話題は必然的に繰り返し取り上げることになります。

すこし離れたところから見ると,なんだか黒い小さなものが付いているようです。近寄って確認すると,昆虫のようです。これは珍しいと思い,写真に撮ってから再生してみると,どうやらカメムシの幼虫のようです。翅が小さくて,飛べそうにありません。

 
蕊の林を動き回りながら,ときには口吻を立てている模様。花汁を吸っているようです。こんな風景を見たのは初めて。初めて経験する場面というのは,とても新鮮です。

 
近くのタンポポに,ツマグロキンバエが来ていました。この種はほんとうに元気です。環境への適応性にすぐれているのでしょう。


雲の間から陽が射して,タンポポの黄色が輝きました。そこにクロヒラタアブが訪れました。口器が吸盤でもあるかのように,広がっています。いかにも,効率よく餌を口にできそう。


また別の花に,ハナバエのなかまがいました。タネバエでしょうか。ときどきゆっくり動いて,しばらく止まって。また動いて。この繰り返し。これはまちがいなく餌を求めている行動です。


おやおや,この花ではヒメクチナガガガンボが口器を蜜源に向けています。体長と口吻が同じ長さ! 大きく見えますが,実際は体長7mm。堂々とした格好を支えるのはスマートな脚。 

 
さらに別の花を見ると,いのちを失ったハエが蕊の谷間で横たわっていました。からだは花粉だらけ。もしかすると,クモに襲われたのかもしれません。


タンポポの花が描く冬物語はそう単純なものではなさそうです。