屯田物語

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100万分の1の恋人

2014年02月15日 | 日常


石狩図書館で借りてきた榊邦彦さんの本を二冊読みおえる。
テーマは重かったが、どちらも希望があった。未来を感じた。
読んでいる最中は激しい耳鳴りの音が気にならない。わたしにとってそれはとてもよいことであった。

「100万分の1の恋人」

ハンチントン病は遺伝の確率が50%もあって、百万に一人が発症する難病に指定されている。
ハンチントン病の患者である父を持つ持つミサキと「僕」との恋愛を描いた作品である。

発症の不安と、訪れる喪失の痛み。
けれど、それは、決して生きる輝きを失わせるものではないのではないか。
そのような道もきっとある。僕も一生、この怖れを抱いていく。


「もう、さよならは言わない」


余命6ケ月と宣告された菜緒子が、
死ぬまぎわに俊(夫)と翼(息子)に内緒で描いた絵を絵本にはさみこんでおいた。
パンダは菜緒子、クマは俊、レッサーパンダは翼・・

絵本から葉書のような一枚の紙片が落ちた。
葉書大の画用紙に、色鉛筆で絵が描いてあった。
クマとレッサーパンダが、春の草原で追いかけっこをしている。
空からパンダが、微笑みながら見守っていた。