らんかみち

童話から老話まで

わだかまりの1週間

2011年11月19日 | 酒、食
 数日前、朝日新聞「天声人語」の横に「牛丼並270円」の広告を発見。これは何としても食いに行かねば! 雨のそぼ降る昨日の昼過ぎ、カッパを着てバイクを駆り来島海峡大橋を渡りました。
 ○シギューの牛丼の具は○協でも買えるんですが、作っているのは大阪のメーカーだったりするだけでなく、味もちょっと違う気がするんです。特にお新香はスーパーにも置いてますが、これに○シギューの商標を付けちゃいかんよね、というほど違うように思えます。

 とある一流ホテルで腕をふるっていた有名シェフの「ホテルで焼いたのを家に持って帰って食べてごらん、普通のステーキだよ」という言葉のように、○シギューも現場で食べるのと家で食べるのでは差が出るのだろうか。
 そんな思いもあって、安さに背中を押されつつ食べてみたけど、1年前に食べたときより肉が硬い気がする。味噌汁は相変わらずだけど、お新香の味はこんなもんだったかな?

 当地を代表するB級グルメといえば「しまなみ大三島ソースオムそば」ですが、このほどコンビニの○ケーで販売されるのだとか。開発者である鉄兄ぃに聞いたところ「自分が焼くそばに近い味にはなった」のだとか。
 コンビニで名前が売れるのは結構なことだけど、流通の過程で味は落ちるだろうから、評価が下がるようだと目も当てられません。美味しいものが出来たら結構なようにも思うけど、現場で食べるのと乖離した味だったらどうよ。むつかしい話だ。

 そんなわけで、B1グランプリin姫路で優勝した「ひるぜん焼きそば」がスーパーに2割引で積まれていたら買いますよね。まだ食べてないけど、これなんかは焼く側の具材選びによっても味は変わるだろうから、牛丼の場合も○シギューの飯に肉をかけてテイスティングしないといけないのでしょうか。紅茶のテイスティングでミルクを入れるのに似てますね。

 牛丼の味にちょっぴり裏切られた思いになり、ボージョレ・ヌーボーのペットボトル500円を数本買いました。驚いたことに、17日の解禁日に飲んだ1480円のと比べると、500円のほうがむしろ……。
 しまなみ海道の往復料金400円、牛丼のお新香セット380円。そこはかとなく、わだかまりの残る1週間なりぃ!

蕎麦栽培のロードマップに想定外が!

2011年11月18日 | 暮らしの落とし穴
 来客やら飲み会やらでブログの更新が滞ってましたけど、ようやく復旧に至りました。
 週末から天気がくずれるというので、昨日あわてて蕎麦を刈り入れたんですが、時期が少し遅れたようです。刈払い機で切ってみたら種がどんどん地面に落ちてしまうのです。コンバインを持たない今のところは、人海戦術以外に手は無いようです。



 足腰に負担のかかる作業を前回と同じ7名で済ませたんですが、この畑の収量は前の畑よりかなり多く、しかも実の入り方が充実しておりました。そのせいか、同じくらいの面積なのに30分余計にかかりました。女性が一人増えたので、爺ちゃんも作業に気合いが入るかと思えば、おしゃべりの方に気合いが入ったのが原因ではありません。

 畑に軽トラックを乗り入れ、キャッキャキャッキャと騒ぎながら蕎麦刈りをやっておりましたら、「何をなさっておいでですか」と、不審を感じたのか駐在さんが事情聴取に来られました。
「何をしとる言うて、蕎麦を刈っとるんじゃがん、あんたも手伝うてくれるかん?」
 爺ちゃんに言われた駐在さん、「本官は公務中ゆえ……」と、島おこしに引っ張り込まれそうになり、危険を察知して姿を消されました。

 そば収穫のロードマップは修正の上にも修正を重ね、全体的に遅れながらも許容の範囲でしょうか。刈り入れが終わり、脱穀の見通しも立ったのですが、最難関である製粉の行程が待ち構えています。
 ただ単に粉にすれば良いというのなら近場の製粉所に頼めば良いのだけど、せっかくだから手打ち蕎麦にして美味しい粉にしたいのです。ここが最も費用のかかる行程なのに、予算を残していなかった、どうする、どうするよ!

冬に向けて買うべき物は

2011年11月15日 | 暮らしの落とし穴
 地元企業とトラブっていたことは、どうやら年内に解決の目途が立って肩の荷を下ろせそうです。
 一安心したら音楽でも聴こうって気になり、Youtubeを覗いていたら偶然にショパンのマズルカに行き当たりまして、この曲は聴いた覚えが無いなぁ。全音のショパンマズルカ集を見ようと思ったんですが、どこに仕舞い込んだのやら……。

Frederic Chopin Mazurka op. 67 nr. 2 g-moll, Dmitry Tyapkin


 これぐらいの難易度のピースなら、もしかしたら今でも弾けるか知れませんが、古~い76鍵のキーボードなんか引っ張り出してみる気にならない。電気屋さんに出かけてみると、およそ6万円で電子ピアノが買えるんですな、それも以前に持っていた20万円のクラビノーバより鍵盤のタッチは良いのです。

 いやしかしだ、テレビを買わないといけないし、パソコンはいつ倒れてもおかしくない有り様だし、去年2台壊れたストーブを買い換えないといけないのです。灯油は使いたくないけど、ダイソンのファンヒーターは買えないし……本格的な冬を迎えたら真剣に悩みたいと思います。

エセ蕎麦職人は帽子で悩む

2011年11月14日 | 酒、食
 蕎麦打ちをするときには帽子をかぶるわけですが、気の利いたのを持っていないのでカチューシャ入りのバンダナキャップをかぶったりしております。それで何の不都合もないんですが、安っぽさが蕎麦にまで伝染するんじゃないかと気が気じゃありません。
 人はとかく外見で他人を計ろうとするじゃないですか。蕎麦を食べてその味をどう評価すべきかと考えたとき、ヤンキー風の兄ちゃんが打った蕎麦より、いかにも頑固オヤジといった風体の職人が打った蕎麦に○を付け付けたくなるもんでしょう。

 そんなわけでワーキングショップに出向いて「蕎麦打ち職人のかぶる帽子を下さい」と店のおばちゃんにお願いしたら、小学生が給食のときにかぶるのを出してくれるではありませんか。
「いやそうじゃなくて、どういったら良いのかな、千利休がかぶっていたような帽子ですがな」
「あんたのいうこと、だんだん分からんなってきたよ、これでどうなの」
 おばちゃんが次に出してくれたのは、シェフがかぶるような帽子です。
「それで蕎麦を打てっちゃ打てるんですがね、もっと背の低い海上自衛隊の水兵さんがかぶっているのに似てやつなんですよ」
 実際、海自の紙帽子は持っていて、形はそっくりなんですが、口で説明するのは難しいもんです。
「バンダナは要らんいうんなら、いっそのことハンチングにしたら?」
 訳のわからん要求をする客に不機嫌な顔もせず聞いてくれたので、安いハンチングを一つ(助数詞を知らない)買いました。

 蕎麦打ちの帽子のことを何と呼ぶのか分からないのでネットで調べてみれば「和帽子」と。う~ん、でもぼくが欲しいのは菓子職人の帽子じゃなくて、蕎麦屋のオヤジがかぶっているやつなんですよね。
 蕎麦打ちを教えてもらった人たちは彼らのグループのロゴ入り帽子をかぶっていましたから、もしかしたら特注なのかも知れません。

 だったら水兵さんの帽子は何と呼ぶのかな、とミリタリー関係のショップを覗いたら「ギャリソンキャップ」とあり、似ているけど、旧ドイツ軍仕様の帽子をかぶって蕎麦打ちもねぇ……。
 おおっ! 「医療用、がん治療帽子」と謳われているのにお洒落なのがある。ああ、でも値段が高すぎて……などと、帽子一つにくよくよするエセ蕎麦職人なのでした。

となりの婆やは良く見える

2011年11月13日 | 暮らしの落とし穴
 数日前、親戚のお姉さんから電話があり、母親の介護やら何やらで非常に疲れている様子。そのときはうちの母も良くない状態だったので、世間というのがどれほど理不尽なものか、お互いの傷を舐め合うというよりは、入院患者同士が自分の病気がどれほど重篤なものか披瀝し合うように、お互いの母親の呆け自慢をしたものです。

 このところ母も体調が少し回復したので、「おばさんの具合が悪そうだ」と、母を伴って親戚を見舞いました。おばさんは見た目が綺麗なのと口が達者なので、一見しただけでは認知症と思えません。がしかし自分の服すら脱いだり着たり出来ない状態なので、母よりは重い状態であろうと思われます。

 母も口は達者だし自力で動けるので、他人が見たら介護は必要なさそうに思えるはずです。そんなだから親戚のお姉さんも母に色々たずねたりしてましたが、「うちの婆やと同じこと言うねぇ、これなら婆やと同じ程度かも」と納得したようです。
 そうなんですよ、公共交通機関はもちろん使えないけど、短時間なら自力で外に出られる母の方が憂うべき状態かも知れないのです。

 お姉さんもぼくも自分の不幸を呪っておりましたが、お互いの母親を見て、そこはかとなく落ち着きました。なぁんだ、あんたのカードもその程度なの? キングのワンペアとクイーンのワンペアぐらいの違いしかないんだね、と互いの手の内を見たような安心感とでもいうのでしょうか、青く見えていた芝生も、実は手をかけて養生しているのだと気付かされたのです。時々は同じ境遇の人と会って話してみるのも生きていく上での貴重な糧となるんですね。

ようやく蕎麦の刈り入れです

2011年11月12日 | 暮らしの落とし穴
       

 まだ花が咲いている株もあるので少し早い気もするけど、諸事情により本日は蕎麦の刈り入れです。総勢8人で刈ると、1反の畑は1時間半ほどで作業が終わりました。メンバーさんのどなたもこのブログのことは知らないはずですが、ありがとうございました。

       

 刈り取った後は天日干しです。本来なら島立てといって、株同士を立てかけて干したり、稲を干す要領で雁木を組み、洗濯物みたいに並べたら効率は良いんでしょうが、生育が一定でないために難しいです。

       

 干すというか、追い熟というか、実の入り方や水分を一定にする目的で干すんだろうと思います。水分率15パーセントを目途に干さないと、水分の多い玄蕎麦を粉屋さんは挽いてくれないのです。
 なので来週は水分計の調達に……もっと早くやらんかい! そんな声が聞こえてきそうですが、JAさんくらいしか所有していないようなんですよね。貸してもらえるように頭を下げに行きます。
 

慰労会でぶっ倒れたら

2011年11月11日 | 暮らしの落とし穴
 過日の「秋のバラとグルメ祭り」入場者数は、2日間でおよそ15000人くらいではなかったかと想像します。色気より食い気、花より団子を標榜する御仁たちの来場とあれば、バラは三分咲きでも構わないですよね。



 たかだか200万円程度の予算で(しかも初日は雨)これだけの人を呼べたんだから、経済効果はそこそこだったのではないでしょうか。設営やら何やら、大勢のボランティアに助けていただいてこその成功だったと感謝しております。



 というわけで、約1年前から企画して何度も会議を重ねてきたスタッフの労をねぎらおうと、バラ祭り打ち上げ会が催されました。元料理人、元寿司職人、似非蕎麦職人(ぼくのこと)などが集う島おこし隊ですので、こういった企画は朝飯前です。というか、慰労会でも蕎麦打ちかよ!

 寿司や天ぷらに舌鼓を打ち、美味しい酒にほろ酔いで家まで送って頂きますと、なんと母がもだえ苦しんでいるではありませんか。どこが痛いのか聞いてもさっぱり要領を得ないのですが、プルプル震えているので救急車のお世話になりました。
 兄に付き添いを頼んでぶっ倒れておりましたが、母共々真夜中に戻ってきて、「お腹にガスが溜まっていたらしい」とのこと。まったく人騒がせな! ご近所さんに気をつかわせて申し訳ないやら恥ずかしいやら。ま、こういうこともあるか……。

村おこしに関ヶ原の合戦を

2011年11月09日 | 暮らしの落とし穴
 最近になってようやく気づいたんですが、奉仕活動というかボランティアをやっていると、だれからも喧嘩を売られることが無い。自己主張をするタイプではないという要因もあるか知れないけど、智に働けば角が立つ、みたいなシーンに遭遇することが無いみたいです。

 情に棹させば流されるってことは、ままありますね。しかし利害の介在が無いという点で、誰からも後ろ指を指されることが無い。つまり、とかくこの世は住みやすい、のです。
 生きやすいといっても裕福になれるわけではないから、独身ならではって条件付きですけどね。まあそんな流れで今日も「郷土史勉強会」でした。郷土史を理解してこそボランティアに喝が入ろうというものですが、本日はことのほか面白かった。

 若い宮司さんが「神道考古学」を熱く語ってくれた、というより、彼の生き様とか思い入れのようなものに、胸キュン! 我田引水と断罪するのは容易そうだけど、これよ、この無辜の矜持。少年のように純真なプライド、これを地域おこしに使わずしてどうするよ!

 でもね、あちらを立てればこちらが立たず。感情的なもつれを繙いたら300年前とかに行き当たったりするんですよ。そんな昔のことを今さらって思うんですが、当事者にとっては譲れない一線というのがあるんでしょうね。
 そういったわけで、関ヶ原の戦い以前のことを水に流せない御仁とかの出席が無かったのは残念でした。

ほんまもんの地域再生を考える

2011年11月08日 | 暮らしの落とし穴
 かさねがさねの「まちおこし勉強会」ですが、本日は市長もお越しになってご静聴……あらら、中座しちゃうの? 市長は大変お忙しい方なので、本日の勉強会に顔を出されていることさえ驚きなのです。決して選挙をにらんだパフォーマンスではなく、良く走り回って住民の意見を聞いておられるのでしょう。

 で本日の講座ですが、「まちおこしをするなら、地域のことを知りつくした大人より、土地に馴染みのない素人のお祭り女みたいな御仁をキーマンに据えるべきではないかと、つくづく思います」と、昨日書いた日記を思い出すような言葉で締めくくられました。あと、「よそ者、若者、ばか者の目で地域を見直しましょう」というキーワードも、すでに聞き馴染んでますね。

 思えば今という時代は、かつて無い地域おこしブームの真っ只中ではないでしょうか。バブリーな時代なら黙っていても「ふるさと創生一億円」なんてものが勝手にバラ播かれ、「地域おこしは自分たちでするものではなく、お上がやってくれるものだ」との印象を、地方の人は植え付けられた。
 この期に及んで人口が減少し、「このままでは地方の未来は無い」と危機感を覚え始めたまでは良いけど、さてどうやったら良いんだ? 行政も危機感を持っているところへ、コーディネータとかアドバイザーといった肩書きの人が来る。これには飛び付きますよね。

 でもねぇ、なにかスッキリしないんですよ。只で金をやるから地域の活性化のために使いなさい、そんなボロい話がありますかねぇ。我々はとんでもない勘違いをしていないでしょうか。
 お上からお金を頂いて有効活用しようという発想が間違っているというのではなく、お金の出所をはっきりと……いやそれははっきりしているにしても……例えは良くないかも知れないけど、「マネー・ロンダリング」の臭いがするような……。降って沸いたような話に浮かれている場合じゃない気がします。

まちおこしキーマンの素養とは

2011年11月07日 | 暮らしの落とし穴
 あれやこれやと勉強会を催して下さって、ホンマお役人さんは有り難てぇことでごぜぇやす。いや本当に有り難いんですよ。地域の活性化に対し、かつて無い前向きな姿勢を役所が見せてくれているんですから。
 せっかくだから地元民も気合いを入れたいと思うんですが、地元で商売されている方々のエンジンがかかりにくい。「ロー・リスク/ロー・リターン」より「ノー・リスク/ノー・リターン」に向いてしまうのは、万事にコンサバであるとされる愛媛の県民性でしょうか。

 まちづくりマネージャーの方々も、それぞれの県民性を理解した上でサジェッションにしないと、人はなかなか動くもんじゃない、ということは理解されている。他地域の成功例を目の前に提示したところで、「この地域じゃ、それは難しかろう」と、理解されないどころか、反発すら買うであろうことは承知されているはず。ドンピシャな提案が出来ればいいけど、そんなことがいきなり可能ってことも少ないでしょう。

 あの佐藤可士和さんだって、扱った事例の全てで結果を出しているってわけでもないはずです。「マーケティングの才能もノウハウも持っている佐藤可士和さんが言うのだから、ここは一つ頑張ってみようじゃないか」と、関係者の機運が盛り上がるってことはあると思います。
 まちおこしをするなら、地域のことを知りつくした大人より、土地に馴染みのない素人の「お祭り女」みたいな御仁をキーマンに据えるべきではないかと、つくづく思います。