らんかみち

童話から老話まで

いぎす豆腐の落とし穴

2013年06月09日 | 酒、食
 当地で夏の郷土料理といえば「いぎす豆腐」なんだけど、今では一年中スーパーなどで見かける。ひじきなどの海藻と同じく、いぎす草という海藻を洗って干してあるから、作ろうと思えばいつでも作れる。ただ、初夏から真夏にかけて採取するものなので、子どもの頃は夏の食べ物だとばかり思い込んでいた。



 先日いぎすセットを買っことを吹聴したら「そんなもん風が吹いたら勝手に浜に打ち上がっとるじゃないか」と、地元のオヤジさんに笑われた。まあそれくらい当たり前ってことなんだけど、自分で料理するのは今日が初めてだ。
 セットにレシピが入っていたので、ほぼその通りにやったのに、いぎすが溶けてくれない。具を入れてから更に加熱してもだめ。こんなんじゃ、出来上がりがザラザラして食えんじゃないか!



 どうしたものかと風呂に入って悩んでいたけど、風呂から出てみたら母が続きをやっている。見ると、大豆粉を入れた瞬間からいぎすが溶け始めているようだ。ふ~ん、大豆粉に反応するのか。
 後でネットで調べてたところ、米のとぎ汁や米ぬか汁を加えるとある。どうやらタンパク質が関係して、いぎす草を溶かすらしい。知らなかったぁ!



 出来上がりは……うむ、いぎすはちゃんと溶けている。もっと濃い味を想像していたけど、普通に売られたり他の家庭と同じような薄々の味になった。もうちょっと香りがあると思っていたけど、長く煮すぎて飛んでしまったんだろう。雑味も感じられ、人様に食べさせられるような代物じゃなかった。ま、最初のハードルは越えたってことで……。

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