らんかみち

童話から老話まで

避難訓練をするべきなのか、悩ましい

2011年07月12日 | 暮らしの落とし穴
 7月4日に発生した和歌山県南部の地震は昼前だったので酒も飲んでなかったし寝ぼけてもいなかったので、地震の前の音をはっきり聴き取ることができました。
 ザシュッという空気の振動は、やはりP波(プライマリーのP)だと思います。人によって聴く音が異なっているのは、住環境によるものでしょう。うちの安普請では「ザシュッ」という、空気が凍て付くような音だ、というだけのことです。

 地震の波というのは4つあるそうで、P波の次に到達するのがS波(セカンダリーのS)なのだとか。それを含む残り二つの表面波という揺れを「主要動」とよぶそうです。
 苺大福でいえば、最初に食べる餅皮の部分がP波、次に味わう種のある赤い部分がS波、中心の白いとこら辺りを表面波と例えてみますか。

「地震を苺大福に例えるとは、けしからん」とお叱りの向きもあるでしょうけど、そこはそれ、take it easy! 
 で、苺大福を食む前の期待値というかワクワク感、この中にある苺の味は? みたいな憧憬とはもちろん違うけど、P波で感じる戦慄きは、感受性の構造という面では似ている気がするのです。

 くる、くる、地震がくる、どうすればいいんだ! とP波を感じ、頭では行動しようとするのに、結局は何もできず地震をまともに受けてしまう。苺大福の餅皮だけ先に食べて、苺をどうするかなんて考えないのと同じでしょうか。たいていの人は餅皮も苺もほとんど同時に食べてしまいますよね。

 田舎では、各家庭に防災無線というのが設置されていて、火事の時は警報を出してくれますが、地震に関しては何の警告もしてくれません。地震があった後で「地震がありました、津波に注意してください」くらいは教えてくれますが、P波を感じた時点で「机の下にもぐれ」とかのアドバイスがもらえないものでしょうか。
 独居老人などを対象にした避難訓練をすべきか、真夏にそんなことやって熱中症が怖いぞ、などと、損長としては悩ましいところです。