らんかみち

童話から老話まで

損長とは賞味期限のようなもの

2011年07月10日 | 暮らしの落とし穴
「今治市 市民大清掃」というイベントがありました。当村でも早朝から海岸で空き缶拾いとか道路や公園の草刈りに、子どもたちも学校の指示で参加してくれました。
 ぼくが村人の指揮をするはずが、長老に「あれせえ、これせえ」と指示される有り様。村人たちはてんでに、テキパキと作業を始め、チャッチャと終わらせてくれました。損長は御用聞きであり、時には単なる飾りであるというのが身に凍みた記念日でもありました。

 2時間あまりの労働でしたが、終わってみたら汗だくになっていて、頭が痛い。熱中症を疑いながら風呂に入ってビールなどやってしまったのですが、肴は自作の餃子と賞味期限が10日過ぎた板わさ。餃子にしても半額の豚ミンチを使っているのです。これによって賞味期限というものに抗う気概が伝わるなら幸いではありますが、よゐ子は決してマネをしないで下さい。

 冷蔵庫にはまだ、出自の知れない魚の切り身とか、餃子の余りの肉団子や、冬に茹でて冷凍しておいたブロッコリーだとか、あと正体不明な食品らしきもの等々、身を挺して賞味期限に挑戦する素材に事欠きません。
 そんなことやっていて気がついたのは、賞味期限というのは食品を浪費させるのに貢献しているのではないかということ。

 今治大丸という百貨店が存在していたとき、ある日半額のチーズを買ったところ、ちょうど食べ頃じゃないか! それ以来半額のチーズばかり狙っていました。カマンベールにしても、外側が固くなってアンモニア臭がしてたって、内側はクリーミーで旨味が凝縮してたりします。アンモニア臭が嫌なら、内側をスプーンですくって食べれば良いんです。

 今の時期、減塩醤油を常温で保管したら3か月ほどで味は劣化します。素麺汁なんてもっと早く傷みますが、先日「美味しい」といいながら食べている現場を目撃してしまいました。ソムリエの田崎真也さんお勧めのワインなんてのが売られてますね。つまり人は思い込みで美味しくいただけるものなのでしょう。
 損長が村にとって飾りであるように、賞味期限も実質的なものではなく単なる指標なのでしょう。村人も思い込みで、そこはかとない「美味しさ」を感じてくれたなら、損長としても本望なのですが……。