らんかみち

童話から老話まで

空手整体を受けに行きたくて

2010年07月13日 | 暮らしの落とし穴
 どちらの足だったか小学3、4年の時、2m程度の高さから地面に飛び降りたら着地の時に股関節に痛みが走り、1週間ほど足を引きずって歩きました。しばらく様子を見てたけど直るどころかますます悪化し、ついには歩くことすら危うくなった頃、村の風呂屋さんに柔道整体師が来たので母に連れられ風呂に入ってから診てもらいました。そのおじさんはぼくの股関節を少し曲げるなり、「脱臼しておる、ムヲー、トリャー!」って気合いでバキボキと股関節を曲げられ、気絶するかと思いました。
 
 しかし終わってみると、さっきまでの股関節の痛みがうそのように消えていて、柔道整体師の力はなんてすばらしいのだと、柔道整体師になることを心に誓ったものの、足が治ると1週間で誓いを忘れてしまったようです。それなのに、あのとき母と一緒に女風呂に入ったことは、今でも宝物のように覚えています。
 
 ていうか良く覚えていない昔の話はさておき、大阪は住之江区あたりだったと思いますが「ポッキー」とぼくが勝手に呼んでいた柔道整体の店があります(今もあるかどうか?)。
 紹介されて初めてのぞいてびっくりしました。看板もない長屋のような家で4、5名の柔術使いの方が、並んで待っている患者さんを次から次へと捌いていくんです。そのやり方たるやアントニオ猪木とかが技をかけのを彷彿させる恐ろしげなもので、自分の番が来るまで震えておりました。
 
 実際にやってもらうと案の定、体中の関節という間接をボキボキ鳴らされ、筋が千切れるんじゃないかと思うくらいのストレッチをやられたのです。終わってみると肩こりも何もかもスッキリで、「これだけ人気があるなら、もっと看板をあげて宣伝したら儲かりませんか?」と聞いたら、「税務署きたら困るやん」とのことでした。
 
 肩が凝ってどうしようもないときは、村のモミ爺の世話になるぼくです。初めのうちはモミ爺の手はゴッドハンドかと思ってましたけど、最近では揉みのポイントが分かってきたというか、自分である程度のメンテナンスができるようになりました。
 というよりモミ爺の限界が見えてきたというか、モミ爺は体の外側にある筋肉を揉むことはできても、インナーマッスルは揉めないのです。肩こりを根っこから退治しようと思うなら、柔道整体も取り入れたらより効果的じゃないでしょうか。というわけで、空手整体を受けに行こうと算段しております。

ジメジメは人に優しい

2010年07月13日 | 暮らしの落とし穴
 ジメジメする日が続いて、日本中にフラストレーションが蔓延しているんじゃないかと思ったら「日本には春夏秋冬に梅雨を加えた五季がある」と主張する人は少なからずいるのだそうです。
 
 言われてみればぼくの馬鹿兄もこの季節が大好きで、というより一年をこの季節にしたくて年がら年中、加湿器と暖房機を稼働させ、亜熱帯の湿原を現出させててます。だからといって家の中に勝手にハイビスカスやが咲きはじめたり、サソリが繁殖してウヨウヨしたりはしてないとか。けど、見たこともない苔やカビは自動的に生えてくるそうです。
 
 馬鹿兄の意見を持ち出しても統計的には何の説得力も無いので、作曲家でエッセイストの團伊玖磨さんに加勢してもらうなら、氏は八丈島に別荘を構えておられたとか。氏はとにかくジメジメした所が大好きで、体調が悪くなると亜熱帯のジメジメを求めて八丈島に避乾に行くと、いつかテレビでおっしゃってました。
 
 考えてみれば人間にとってみれば乾燥より湿潤の方が優しいわけです。といって度を超した潤いは精神衛生に良くない気がします。じゃあサウナはどうなんだ、自ら進んでジメジメを味わいに行くではないかっていわれそうですね。きっと裸でならジメジメが最高で、服を着ているからこの季節が鬱陶しいと感じるのではないでしょうか。
 
「雨降って地固まる」と申します。雨が降って今うちの畑はジメジメしてますが、やがて夏の乾燥に固く締まって作物の皮が固くなるでしょう。トマトも茄子も皮が固くなると美味しくないように、人間も頑なになると付き合いづらい。乾燥する季節には知らず知らずに事件が起きてないんでしょうか。

 ジメジメが続くとイライラして喧嘩が起きそうな気もするけど、実際のところ事件の発生率はどうなっているんでしょう。食中毒の発生率が高いこの季節だけど、案外事件は起きてないように思うんですが、どなたか学者の方が研究してないでしょうか。