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■藤倉英幸作品展 (2021年1月7~30日、網走)

2021年01月27日 09時16分57秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 JR北海道の車内誌の表紙などで知られるイラストレーター藤倉英幸さんの作品展。
 すべて網走市立美術館が所蔵するはり絵の版画で、原画ではありません。
 会場は、冬の間はハクチョウなどが間近に見られる濤沸湖とうふつ こ の湖畔に立っている施設で、絵画の展示は珍しいかもしれません。

 藤倉さんの作品については、いまさら筆者が付け加えることはないでしょう。
 大胆な構図と、メリハリのきいた配色。抽象画に通じる、思い切った省略の美学があり、少なくとも北海道に住んだり、育ったりした人であれば、誰しもが郷愁を感じるのではないかと思います。
 そして、文字を中に入れたり、横構図を縦にするような思い切ったトリミングを施しても、構図として完成しているというのは、デザイナー側としてこんなにありがたい作品はないでしょう。

 絵っていいなあと、あらためて感じるのは、風景写真はほとんどすべての場合、実際に存在する風景にレンズを向けざるを得ない。「どこでもない、北海道的な風景」というのはあり得ないわけです。
 ところが、絵画の場合は、実際の風景をそのまま描いたとしても、具体的な地名の題を付けることも、場所を特定しない絵だと主張することも、自由なわけです。藤倉英幸さんの世界は、実在する場所を描いているのでしょうし、実際に特定することが可能な作品もありますが、見る人それぞれの心の中にある北海道を自在にイメージできる絵であることが、多くの人に好かれる理由なのでしょう。

 作品は次の通り。
ウトロの夕凪ぎ
朝の運河
菜の花踏切
初夏の洞爺湖
洞爺の夜明け
白い灯台
早春に
灯ともる
雪の日
風わたる
夏のシルエット
夕凪ぎ
春の声
朝の岸辺に
漁村に降る
遠い海
暮れ色の離島
5月そして6月
知床初夏
知床を行く
風の道
牧歌


2021年1月7日(木)~30日(土)午前9時~午後5時
12、18、25日休み
網走市濤沸湖・水鳥湿地センター(網走市字北浜203番地3地先(白鳥公園)

□同センターのスタッフブログ https://www.city.abashiri.hokkaido.jp/230boen_kankyou/tofutsu-ko/staff/2021/hakucyou210107.html

過去の関連記事へのリンク
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藤倉英幸と旅のイメージ (2010)
藤倉英幸はり絵新作展 あの日、見た風景たちへ (2009、画像なし)
藤倉英幸新作展 時にたたずんで (2007、画像なし)



・JR釧網せんもう線「北浜」駅から約850メートル、徒歩11分
(網走から普通列車で四つめの駅。乗車16分。営業時間内に上下各2本)

網走バス「白鳥公園入口」から約350メートル、徒歩5分
(網走駅、バスターミナルから「小清水線」に乗車、27分。営業時間内に上下各2本=土日は1本)


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