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読売新聞北海道版の札幌国際芸術祭総括記事がひどすぎる件について

2014年10月15日 01時11分00秒 | 札幌国際芸術祭
 札幌国際芸術祭が終わり、各新聞とも、まとめモードに入っている。
 当ブログは、書き残している話題が相当にあるため、とても総括する気分にはなれない。
 そんな中で、2014年10月12日付の読売新聞北海道版の記事があまりのひどさだったので、ここで記録しておきたい。

 その記事は

有料入場者 目標割れ
札幌芸術祭 運営に課題

という、北海道面のトップ記事である(札幌市内配布は35面)。

 追い討ちをかけるように、見出しには

事前PR不足 ■ 目玉作品中止

とある。

 この記事には、上田市長への短いインタビューが付いていて、それには「やったかいあった」という見出しがついている。
 全部で五つついている見出しのうち、肯定的な印象を与えるのは、この1本だけだ。

 もっとも、それは、各紙のスタンスのうちだから、別に非難するつもりはない。

 ひどいのは、本文の文章である。

 記事本文では、有料入場者数が目標の7万人に届かなかったことを書いており、先にも引用したように、見出しにもとられている。

 そうか、入場者数が目標以下だったことを指摘しているのだな、と思って、続きを読んだら、目標を大きく上回った「30万人」の来場者目標については

「初開催で『失敗した』といわれないように、あえて低い目標にしたのでは」(関係者)との見方もある。

と書いている。

 こんなコメントをしそうな関係者って、誰なんだろうと思うが、それはおいといて、この文章の進め方はあまりにフェアさを欠くのではないか。

 なぜなら、目標に届かなかったら「届かなかった」と批判し、届いたら「目標が低かった」と批判することが許されるのであれば、目標に達しようが達しまいが、論難が可能になるからだ。
 こんな非論理的な文章が北海道版のトップになってしまうのだから、これはひどい。

 「運営に課題」があったのも事実だし、「事前PR不足」もまさにそのとおりで、否定はできない。
 であるならば、どうしてもっと説得力のある文章でそれを書かないのか。理解に苦しむ。
 今回の国際芸術祭で最も「運営に課題」があったのは、大竹伸朗の展示中止や、シャトルバス無料化ではなく、モエレ沼公園での野村萬歳+アイヌ伝統舞踊の公演中止だろうが、なぜか記事では、ふれられていない。


 この記事は運営と入場者数が眼目なのだろう。
 それはもちろん大事な要素だが、芸術祭の意義は、そこだけにあるのではないということは、これまでも述べてきたとおりである。

 読売新聞は、芸術や創造の中身にも触れた記事ももう少し載せたほうがいいのではないだろうか。 

(この項続く)


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
読売ってそもそもその程度 (しょうちゃん)
2014-10-15 23:31:33
怒っても仕方ないです。朝日新聞と違い、読売ってそもそもその程度です。その程度の知能しかない記者しかいませんから…。だってジャーナリスト集団じゃないし、報道機関でもないです。新聞を使って企業のヨイショをして、その企業から多額の広告費をもらって、ライバル紙に、この記事同様の言いがかりをつけて、蹴落とし続けて生きている会社ですよ。
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しょうちゃんさん、こんにちは (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2014-10-15 23:35:01
読売新聞では、個人的には「人生相談」と夕刊の「POP STYLE」は好きです。
朝日も最近はいろいろケチをつけているので、読売にもがんばってほしいという思いはあります。
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