北海道美術ネット別館

アート、写真、書など展覧会の情報や紹介、批評、日記etc。毎日更新しています

■恵庭美術協会 恵美展 (4月22日で終了) 

2007年06月13日 22時42分56秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 恵庭というマチは、まあ首都圏で言えば狛江とか三鷹みたいなベッドタウンであり、いわば“札幌の続き”みたいに思っていたのですが、展覧会場に貼られていた北海道新聞恵庭版の切り抜きを見て、考えを改めました。こんなに近いマチでも、札幌の中心部のギャラリーで展覧会を開くということは、やはり恵庭市内の施設で開くのとは、当事者の意識としては違うもんなんですね。
 「札幌での大型ギャラリーでの作品発表は、道内のアマ画家にとって大きなあこがれ」というような記事(千歳民報)を目にすると、札幌以外の道内の市町村に住む人の多くにとっては、札幌での発表というのは、特別な感慨があるのだということに気づきます。
 東京の人間が東京以外見ていないことについては常日ごろから批判しているくせに、じぶんは、札幌にいて、札幌以外の事情が見えなくなっていることに気がつかなくなっていたようです。気をつけなければ、と自戒を込めて…


 もっとも、今回の展覧会は、ぜんぶで3ブロックにわけられるスカイホールのうち、つかっていたのは2ブロック。作品はすべて平面で、最大でも50号でした。
 つまり、全道規模の公募展はもちろん、全オホーツク展(北見など)や赤光社展(函館・道南)といった地域の公募展で100号クラスがならぶことを思うと、ちょっとこじんまりした感じ。これは、例年のことなのか、それとも運送費の関係でしかたなく作品サイズを小さくしたのか、ちょっと気になるところでした。
 また、北海道新聞恵庭版には、会場の都合で会員だけの展覧会にした(一般応募者の作品は、なし)とあり、よけいに気になるところです。


 「札幌と地方」に話を戻せば、各地域でもそれぞれの団体があって、活動しているのだ―ということは、すごいなあとあらためて思います。
 筆者が見たことがあるのは、先に挙げた全オホーツク展や赤光社展、こないだ見たばかりの小樽美術協会ぐらいですが、ほかにも、函館に道南美術協会、旭川に純生美術協会と新ロマン派協会、十勝に平原社、釧路に釧美展、苫小牧美術協会、室蘭美術協会…。きっと、これ以外にもまだまだたくさんあることでしょう。
 これらの団体が、単に美術愛好家の裾野を広げるという役割だけではなく、それなりに注目すべき作家を輩出していることもあり、札幌以外の地域にも目を向けることは、北海道の美術史を編むにあたって欠くべからざることだと思います(と、言うはやすしだけど、なかなかむつかしい…)。


 出品作家は次のとおり。
巖信栄、大瀬戸稔、桑原貴子、近藤フキ子、坂田真利子、佐藤孝子、高崎勝司、高崎幸子、高橋清子、高橋美千子、竹内はるみ、只野京子、中村哲泰、中山美智子、西村明美、畠山孝四、伏見梅子、平山光昭、水島勝美、水高和彦、向友彦、武藤光一、諸田節子、八子直子、山本良子、渡辺恵子
(このうち、巖、竹内、中村の各氏は新道展会員、八子さんは全道展会員)

 作品に目を向けると、高崎さんのモノタイプ版画がおもしろかったです。
 さびた板、発泡スチロール、腐蝕(ふしょく)した紙など、さまざまな素材を重ね、広がりのある抽象世界をつくっています。
 高崎幸子さんは4つの画面を組み合わせた作品。
 八子さんは、子どもの顔を描いた変形キャンバス作品でした(ハズ。とにかくアップが遅れてすいませんです)。


07年4月17日(火)-22日(日)10:00-18:00(最終日-17:00)
スカイホール(中央区南1西3、大丸藤井セントラル7階 地図B)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。