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北海道美術ネット別館

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橋口譲二さんの講演会

2012年03月22日 22時42分07秒 | つれづれ日録
 3月18日。

 午前中は、札幌旭丘高校で、PTA主催の、写真家・橋口譲二さんの講演会があったので、それに出かける。

 ほんとうは、バス乗り継ぎ3連発を華麗に決める計画だったのだが、寝坊してしまった。
 真駒内本町までタクシーで行き、そこが始発のじょうてつバス「南74」で、終点「啓明ターミナル」まで行く(冒頭画像)。途中、ひとりの女性が乗り降りしただけで、あとは筆者の完全貸し切り状態。
 ということは、そもそもふだんはほとんど誰も乗っていないというわけで、この路線は、どういう人が利用する想定で設けられているのだろう。

 前半はベトナムで行った子どもたち対象のワークショップの紹介、後半は、17歳を撮った写真をスライドで写しながら、橋口さんが自分で、被写体となった17歳の語り(キャプションとして写真集に載っているもの)を読むという構成だった。最後に、生徒による朗読もあった。

 「1日だけの写真展」を同時開催するというので、ひそかに期待していたが、展示されていたのは、ベトナムの子どもたちの写真で、橋口さんの写真は、写真集が数冊置かれていた。
 ベトナムの子どもたちの写真はすなおなまなざしで、市場や風景、まわりの人々にレンズを向けたものが多かった。
 ただ、小学生なのに年齢はさまざまで、働いている子も多かった。夜間の小、中学校があるという。
 将来の夢で「新聞記者」が2人いたのは、個人的にうれしかったなあ。

 さて「17歳」は、橋口さんの代表作だが、写真の撮り方にはさほど変化がない(ほとんど若者の正面写真)ので、添えられたキャプションが命みたいなところがある。
 真剣な表情でこちらを見ている17歳の男女は、自分よりすこし年下だが、1980年代は高校に行ってない人が多い。それと、いかにも不良っぽいのもいる。そういうのが「愛読書」を挙げていたりする。
 リーゼントにしたり、スカートを長くしたりといった、いかにも不良然とした若者はほんとうに少なくなった。と同時に、誰も本なんて読んでいないのではないかという思いにかられるのであった。

 橋口さんの講演では、
「写真は民主的な道具。押せば写りますから」
という言葉が印象に残った。
 また、彼は、ベトナムでのワークショップでも、出てきた写真に
「これ、いいね」
などとは言わないようにしているそうだ。
 「どうしても評価は個人の感性の押し付けになってしまう。だから、ぼくは、学校で芸術教科に評点をつけるのが疑問なんです」
という意味のことも言っていた。なるほどなあ。

 橋口さんの語り口はむしろ訥々として素朴な感じだったが、これがむしろ、いろいろな若者と分け隔てなく話ができる要因なのかもしれないと思った。

 齋藤さんたちにあいさつして、正午すぎに退出する。


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