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茶廊法邑あす(2019年12月29日)閉廊―札幌ギャラリー事情

2019年12月28日 22時33分33秒 | 情報・おしらせ
 すでに新聞報道などでご存じの方も多いと思いますが、札幌市東区で、企画・貸しの双方でユニークな展覧会を数多く開いてきた茶廊法邑 さ ろうほうむらが、あす12月29日を持って閉まります。
 最後の展示は、苫小牧を拠点に、金属工芸と現代アート双方の分野で活躍する藤沢レオさんの個展「きのうと違う川」。

 2005年のオープン以来、一番衝撃的だった展示は、17年の藤沢レオ展だったのは間違いないところなので、最後を飾るのにはふさわしい作家だといえましょう。

 29日は午後4時からファイナルパーティーが開かれます。持ち込み歓迎。
 過去の展覧会をうつした写真のスライド上映などもあるそうです。

 茶廊法邑は斬新な平屋の建物で、長い壁を折り返し、ドアを開けて右に曲がると、そこの棟は飲食店、もうひとつ別の棟がギャラリーで、ふたつの棟をつなぐ渡り廊下的な部分がカウンターになっていました(カウンターの奥=ギャラリー側=が厨房)。
 その後、飲食サイドの翼も、セルフサービスのカフェ兼展示スペースとし、一部を仕切って別展示ができるように改装しています。

 絵画、書、写真、工芸などジャンルを問わない貸しギャラリーとして出発しましたが、しだいに企画が占める割合が増えてきました。
 また「法邑ギャラリー大賞」展なども主催し、若手の発掘に力を注いだほか、写真100人展などのアンデパンダン展も毎年開いてきました。
 2007年には徒歩1分のところに姉妹店「品品法邑」も開設しました。
 ただし、同店は、リニューアルを経て物販を取りやめたのち、閉店し、現在はパンや洋菓子のお店になっています。

 茶廊法邑は天井の高い、凹凸のない空間で、広さもちょうど良いことから、多くの作家の創作意欲をかきたててきました。
 ゼロ年代末から2010年代にかけての札幌のアートシーンに果たした役割は大きかったと思います。


 ひさしぶりにオーナーの法邑美智子さんと、茶廊法邑を支える水崎さんにお会いしてきましたが、まったく湿っぽいところがなく、法邑さんは、近年取り組んでいる、薬のケースを使った絵画作品への意欲を語っていました。来年から、日本料理も習うのだそうです。すごいなあ。

 お疲れさまでした!




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