五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ まんがライフ 感想

2011年07月26日 | ◆4コマ誌⑤ まんがライフ

2011年9月号

 これまでのペース・内容での更新はできなくなっておりますので、ご容赦ください(参照

 なので、今後の方向性を模索するカタチで、今回書いてみようと思います。

 また、毎月定期的に感想書けるかどうかも現時点では未定です。

 

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 今月の「ヘタレだったで賞」は、『わくわくワーキング』より、中野くん!

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 どのようにヘタレだったかは本編でご確認ください。 彼らしいっちゃ彼らしいんですが(^^;

 読んでいる4コマ漫画の男性キャラクターの中でも、私はかなり好きな“キャラ”ですね。

 

 

 

●腐女子彷徨 (町田すみ 先生)

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 Y-1グランプリ佳作受賞作品がゲスト登場!

 文学科の学生・さゆりさん。

 彼女が憧れるのは、どこかミステリアスな美女・唐沢さん。

 でもこの人、何やら仲の良さそな男性2人を見つめながら鼻血流してます・・・

 そう、唐沢さんはいわゆる「腐女子」だったのです!

 

 「ヘタレ受け」やら「酒乱年下攻め」やら私にはさっぱりの単語並べたり、

 クールな表情でBL妄想しては鼻血流したり・・・

 でも外見は落ち着いてるものだから、天然さゆりさんは「オトナっぽい」と憧れちゃってます。

 

 そんな風に、凛々しくて気品があると評される唐沢さんのクールな腐女子っぷりと、

 彼女にあこがれるさゆりさんの天然っぷりが面白味となっていますね(^^;

 あと、さゆりさんの友人が、唐沢さんの“本性”に気付いて一歩引いた場所にいるのは、

 一般読者(?)の心の声を代弁してくれているようで面白い。 イイ人っぽいですし。

 わが道を往く唐沢さん。 彼女に憧れるさゆりさん。

 そして、それを心配しているかのような友人さん。

 3人それぞれの視線ベクトルが作り出す関係性が、なんだか楽しい。

 

 私はBLや百合などに詳しくはないのですけども、

 なぜか「BL好き」「百合好き」を描く作品には、面白さを感じることが多いです。

 本作品にもそうした感じで、楽しい腐女子っぷりを見せてくれることを期待したいですね~。

 

 

 

●森田さんは無口 (佐野妙 先生)

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 TVアニメ絶好調でゲスト登場!・・・5分番組だけどね(ォィ

 無口が魅力な女子高生・森田さん、友人たちとのかしましき日々。

 そのかしましさに囲まれて、沈黙の少女は何を想う・・・?

 

 ということで、まんがライフMOMOで連載中の人気作品がキター!

 その優しい性格ゆえに、いろいろ考えすぎて無口になる。

 そんな森田さんのひかえめな可愛らしさと、その周囲ではしゃぐ友人たちのコントラストが、

 特異な“かしまし女子高生ワールド”をつくり出し、読者の心をつかみます。

 

 今回も、「いろ辞典」なんてものを見つけて読んでみたらば、「お色気」満載で赤面沈黙。

 そんな森田さんをとり囲んで、あれやこれやと語り合う友人一同という構図で、

 “無口”と“かしましさ”の絶妙なバランスが楽しい雰囲気。

 マキ先生の「並べ替え」は、森田さんをはじめ4人の個性をくっきり分けて、わかりやすい。

 

 イロはイロでも、「色」に関するお話だったんですけどね(^^;

 女子高生たちの醸し出す不思議な色気が感じられることも、本作品の魅力でしょうか。

 アニメも放映中ですし、さらなる盛り上がりを見せてほしい4コマ漫画。

 MOMOは毎月は読めていないんですけどね、今後も楽しみです!

 

 

 

●PaPaPaパラダイス (胡桃ちの 先生)

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 なんと最終回ー!?

 しかも最後なのに、あずみさんもパパもいませんぞ?

 代わりに登場しているのは4人家族、父・母・双子の子供たちのご一家さん。

 

 前回、パパさんを残してみんな海外へ行ってしまうようなお話でしたけど、

 そこからこんな展開に・・・!!

 浜辺で遊ぶ一家の前に現れた、ナゾの「運命師」から聞かされる運命の話。

 いやいや、こんなにぶっ飛んだ話で最終回とは・・・いかがなものなんでしょうか。

 ファンの方には納得だったのかな?

 

 結局、「一緒」でいられなかったあずみさんとパパさんが、

 別のカタチで共にいられるようになった姿を描いたということですかね、あの2人も・・・

 そして、「運命師」の正体。

 途中から気づいてはいましたが、これでよかった・・・ということでしょうかね。

 

 なんとも不思議な余韻を残してくれたラストでありました。

 コミックス最終5巻は、9月発売とのこと。

 やや唐突かつ意表を突かれた最後でしたが、楽しませていただきました!

 

 

 他にも、『ななこまっしぐら』の夫婦2人のなにげない会話が楽しく良い感じだったり、

 『お姉ちゃんが来た』の一香さんだけでなく、朋也くんの水着姿がステキだったり、

 『キャバはじめました』の水着祭りが素晴らしかったり、

 『チェンジアップ!』の中川くんがちょっとカワイソウかなと思ったり、

 『ニワトリ様とアシ嫁な私』の“担当付き”との落差に悩むアシ嫁さんが哀しかったり、

 いろいろ感想書きたい作品ばかりでしたよ!

 

 


◆ まんがタイムきららミラク Vol.3 感想

2011年07月25日 | ◆4コマ誌⑩ 不定期購読誌

まんがタイムきらら9月号増刊

 これまでのペース・内容での更新はできなくなっておりますので、ご容赦ください。(参照

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 これまでの感想 : Vol.1 Vol.2

 さてさて、Vol.3まできましたミラク。

 ここでは、まだ取り上げていない作品をいくつか紹介するカタチで、

 今までと同じように書いてゆきます・・・と思ったら、今回から2つも新作が!!

 なので、新2作品を優先的に取り上げさせていただきました(^^;

 

 

 ところで、今回の「ステキだったで賞」は『Lisa Step!』より、リサ先生!

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 メイド・スタイルで職員室に来るとか、日本を誤解しすぎ!・・・でもイイ(ぉぃ

 マジメだけど天然なリサ先生がよくてよくて、もーたまらんですハイ。

 

 

●桜Trick (タチ 先生)

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 百合百合チュッチュな作品ですね。

 高山春香さん&園田優さんを中心に、飯塚ゆずさん&池野楓さん、

 そして今回の主役である野田コトネさん&南しずくさん、この3ペア6人組のお話。

 

 第1話では、春香さんと優さんが濃厚キスして話題をさらっていましたが、

 今回は、しずくさんとコトネさんの関係がクローズアップされています。

 しずくさんの反応がいつもと違っていることを気にするほか4名。

 どうもコトネさんとケンカしたためらしいのだけど・・・という展開。

 なんとコトネさんは、しずくさんの頬にキスしてしまったことで、しずくさんを怒らせたとか?

 ドン引きするほか4名・・・と思いきや、春香さんだけ目を輝かせているのが面白(^◇^;)

 

 しかし、終始なにごともないかのように泰然としているコトネさん。

 むしろ怒っているはずのしずくさんの方が、コトネさんを気にして落ち着きがないという、

 2人の関係が透けて見えるような描かれ方がよい感じでしたね。

 

 

 ストレートに百合。

 それが本作品の特徴であり、好きな人にはたまらない面白さになっていると思われます。

 とくに百合に興味なくとも、少女たちの関係性の妙を愉しむというのもアリですかね・・・

 て、それが百合好きというものなんでしょうか(^^; 詳しくないのでよくわからんです。

 

 そのほか、私が本作品に感じている魅力は、時折少女たちが見せるしぐさ。

 挨拶するのに、シュッと手を頭の上に載せるポーズや、しずくさんの「おはよう」、

 コトネさんの「てへ」などなど、目を引く描写がけっこう多いのがよいですね。

 あと、ゆず&楓に関しては、春香と優が腕組みしているだけでも引いていた2人なので、

 このペアの行く末が気になる所でもあります!

 

 

 

●純粋欲求系リビどる (眉毛 先生)

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 少年よ、リビドーを抱け!

 枕井リヒトのクラスに転校してきた謎の美少女3人組、井沼レン・空羽ルコ・咲馬リク。

 彼女たちは、リヒトがもつ強力なリビドー(欲求衝動)を欲していて、

 強すぎるあまりに外へ飛び出し具現化してしまうリヒトのリビドーから、彼を守るため戦う!

 

 というお話ですけど、今回はリヒトくんの部屋でお勉強。

 美少女3名に囲まれて、リヒトくんのリビドーも天井知らずかー!?

 根はマジメなのだけど、その欲求衝動をおさえられない健全少年(?)リヒトくん。

 「おおむね当たってる」とか、うらやま・・・もとい、うまいこと言ったり、

 そのほか3人に対するさまざまな妄想で楽しませてくれたお話でしたが、

 彼がある程度自制できるのも、憧れの女子・井戸川さんの存在があるからなんでしょうね。

 小学生のころから一筋とか、純情少年だな~リヒトくん。

 

 そんな彼の井戸川さんへの純粋な想いと、美少女3人組に対するリビドー妄想。

 健全な少年にふさわしいエロスな方向性での欲求衝動が描かれ、

 お色気ふりまく雰囲気が魅力となっている本作品。

 可愛らしい少女たちに囲まれたリヒトくんの運命やいかに?

 ますますヒートアップしそうな欲求衝動に期待! なんて感じで、今後も楽しみです!

 

 

 

●にじげんめのうた (川井マコト 先生)

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 歌を歌わなくなった少女のお話。

 阿部ハルは、「自分には才能がない」と思い込んで何もしようとしないドジッ娘さん。

 ある日、ニマニマ動画で曲を発表している2人組・ヒロと梅乃に出会い、

 「歌を歌ってほしい」と頼まれるも、逃げ出すように走り去るのでした・・・

 

 と始まった本作品。

 何事につけ、「才能がないから何してもムダ」と言い張るハルさん。

 今回、そのきっかけとなった過去のトラウマ的出来事が判明していました。

 かつて歌が上手で大好きだったハルさんが、同じ教室に通っていたマリさんとの関わりで、

 自分に才能がないと意識してしまったことが始まりという、子供心の繊細さを感じさせる

 エピソードだったわけですが、そこにはさらなる裏がありまして・・・という展開。

 

 ネットでデビューしたという真鯛さんのライブで知った様々なこと。

 ついにハルさんは動き出すのか?と期待を抱かせる流れが、なかなか悪くないですね。

 「才能がない」と思い悩み動けなかったハルさんが、真実を知って奮起する。

 何事かをなすために、または自分を奮い立たせるために、

 「なにくそ」と悔しさをバネにしたりすることも時には必要なのだと感じます。

 そうした力強さが描かれる4コマ漫画って、けっこう珍しいんじゃないでしょうかね。

 

 何事にも消極的だったハルさんが悔しそうにする表情、そして決意を新たにする表情、

 どちらも素晴らしいですね。 こうした物語も見てみたかった!

 これからハルさんが、どう動き羽ばたくのか?

 またヒロ&梅乃が、ハルと共にどのように活動してゆくのか?

 これは今後が楽しみな作品です!

 

 

 

●tune! (ろさ 先生)

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 なんと新作1本目!

 いきなりロックなミュージシャンがモテモテな感じで始まりましたが、

 それは「ギターさえあれば!オレもスーパーロックスターだぜー!!」と喜ぶシュンくんの妄想。

 しかし中古で買ったギターは鳴らず、修理に行くことになったのですが・・・

 

 と始まって、楽器や機材の修理店を見つけたはいいけれど、そこにいたのは女子高生!?

 アリサと名乗った少女の手でギターは見事よみがえり、さらにアーティスト論まで

 たたきこまれて・・・なんて展開が、テンポよく楽しませてくれるお話でした。

 

 主人公・シュンくんのキャラクターは、お気軽であまり深くものを考えないタイプ。

 美少女なアリサさんにのめりこんでゆく様子に、恋の始まりを感じたり・・・

 なんて安易な考えをくつがえすラストに驚き。 これはお見事でした。

 いや、シュンくんにとっては恋の始まりかもしれませんけどね。

 アリサさんの気持ちは・・・?

 今後2人が、どのような物語を見せてくれるのか、音楽関連の内容共々、楽しみです!

 

 

 

●となりの魔法少女 (七葉なば 先生)

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 新作2本目!

 高校2年生になった少女・羽根井あきさんには、友達がいません(´;ω;`)

 長いあいだ人と接さずにいたために、他人との距離すら怖くなってしまっているという

 重度の独りぼっちさん。 しかし、彼女にはある秘密がありまして・・・という作品。

 

 その秘密というのも、タイトルを見れば一目瞭然。 あきさんは魔法少女だったのです!

 宙に浮いたり、姿を消したり、さらには人の心までも操れるというからスゴイ!!

 でも、そんな彼女に友達がいないのは、子供のころの魔法を使った出来事で、

 ちょっとツライ想いをしてしまったから・・・

 

 そんな彼女に声をかけてくれたのは、新しいクラスメイトの相澤圭さん。

 優しそうな圭さんとなら、なんとか話もできていたあきさんだけど、

 圭さんの友人・宇佐神茜さんが来たとたんに、萎縮して姿を消してしまうという小心ぶり。

 2人とも、あきさんのことを気にかけてくれて友達になれそうなのに、

 あきさんは過去の出来事から、自分には友達を作る資格がないと考えてしまっています。

 そんな曇りがちなあきさんの心情が、晴れる日はやって来るのか?

 友達がいない少女に、友達はできるのか?

 

 最近よく見かける「友達いない系」の作品。

 コメディでもあるのですけど、孤独感とそれに伴う寂寥感が雰囲気つくっている印象で、

 なかなかよい感じの作品だと思います。

 人の心は見えないけれど、距離を縮めながら少しずつ推し測り、そして察してゆく。

 そこに関係性ができあがる。 そんな感じに、あきさんに友達ができることを期待しつつ、

 今後が楽しみです!

 

 

 

 他の作品の感想もいくつか書きたかったのですが、ちょっと間に合いませんでした。

 『Good night! Angel』の最後のセリフが物語をどう動かすのかとか、

 『きしとおひめさま』の神埼くんが面白そうとか、「きし」はやっぱり少年じゃないのかとか、

 『スイート マジック シンドローム』の新キャラクターも可愛らしいとか、

 いろいろ語りたかったんですけどね・・・力不足でスミマセン。

 あと1号くらいは、この形式で感想書きたいんですけども、どうなるかは未定です。

 

Vol.4 の感想はこちら

 

 


【お気に入り】 『X-MEN:ファーストクラス 明日への架け橋』

2011年07月24日 | ◆「お気に入り」  マンガ

「お気に入り」単巻完結作品です。

ジャンルは、アメリカン・コミックのヒーローもの・・・でしょうか?

 

 

『X-MEN:ファーストクラス 明日への架け橋』

 (WRITER:Jeff Parker

  /PENCILERS:Roger Cruz with Paul Smith)

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 「知られざる若きX-MENの物語。」(オビ文より)

 訳者は高木亮先生。 さまざまなアメコミを訳されておられる方のようです。

 「X-MEN」は有名なアメリカン・コミックスのシリーズ作品。

 

 内容は、超人的な能力を有するミュータントと呼ばれる存在の集団であるX-MENが、

 人類に敵対するミュータント勢力や、そのほかの害意ある超人的な存在から、

 平和を守るために戦う姿を描いた物語。

 

 しかし、単なる勧善懲悪というわけでもなく、人類からの偏見に悩み苦しんだ挙句に

 人類にあだなすことになるミュータントが描かれるなど、マイノリティへの差別の問題を

 含んだ社会的テーマを感じさせたりもして、興味深く読める作品となっています。

 そんな中でX-MENは、プロフェッサーXことチャールズ・エグゼビア教授の教えに従い、

 ミュータントの力を平和に生かすことと人類との共存のために、日々戦い続けるのです。

 

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 本作品は、X-MEN創設期5人の活躍を全8話で描いています。

 それぞれが特殊な能力を備えたミュータント。

 

 各々が個性的すぎるメンバーの活躍がヒーローにふさわしいものであると同時に、

 その異能ゆえに苦悩する姿は人間的かつ若者的。

 しかしプロフェッサーXの指導の下、団結した彼らの活動はそうした悩みすらこえて、

 言葉にできないような感動を与えてくれたりもするのです。

 

 私はかなり楽しむことができました。

 10代のころ読んだアメコミ作品よりも、より日本マンガ的(コマ感覚?)になっており、

 ゆえに読みやすかったことは、日本での読者獲得にも大いに貢献する気がします。

 また内容も、8話すべて面白い!

 ヒーローだけど、とても人間的というキャラクター造形が惹かれる要素でしたね。

 

 ただ、マグニートーとプロフェッサーXの関係や、センチネルの存在などなど、

 予備知識がないとよくわからない部分もあったのではないか?と思われますけれども、

 私もよく知らない存在も登場したりしていたので、そんなに気にすることないのかな。

 私などは、かなり楽しむことができました。

 ぜひとも続きを読みたいくらい、ホント面白かったです!

 

 


【お気に入り】 『岸辺露伴 ルーブルへ行く』

2011年07月24日 | ◆「お気に入り」  マンガ

「お気に入り」単巻完結作品です。

ジャンルは・・・ロマンホラー?

 

 

『岸辺露伴 ルーブルへ行く』 (荒木飛呂彦 先生)

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 「“世界一黒い絵”を追って、露伴、美の殿堂へ――!」(オビ文より)

 『JOJOの奇妙な冒険』第4部に登場するキャラクター・岸辺露伴を主人公に、

 日本からルーブルへと舞台を移しながら描かれる愛蔵版フルカラー・コミック!

 

 岸辺露伴は、日本の漫画家。

 彼にはある特殊な能力がそなわっているのですが、

 そのあたりはさほど気にせず読める作品に仕上がっていますね。

 JOJO読者でなくとも入りやすいかもしれません。

 

 物語は、露伴がルーブルを訪れるきかっけとなった出来事、

 彼がまだ学生だったころに出会った人妻・藤倉奈々瀬との関わりから始まります。

 微妙に距離を取りつつも、なんとなしに彼女へ惹かれる露伴は、

 やがて奈々瀬から「最も黒い絵」の話を聞くこととなり、

 その記憶を頼りとしてルーブルへ赴くことになるという展開。

 

 どこか謎めいた女・奈々瀬の語った「最も黒い絵」とは何なのか?

 露伴はその絵を目にすることができるのか?

 そして、そこで起きる奇怪な出来事から、その恐怖から、逃れることはできるのか・・・?

 さすが荒木先生といった感じに、ハラハラしながらも早く早くとページをめくりながら

 読み進められる面白さがありました。 まさに黒へと引き込まれる感覚!

 そして露伴が至る真相に、不思議な感慨を覚えたり・・・

 

 ただ、ルーブルで遭遇する「恐怖」や、そこで露伴がとった行動などは、

 JOJO読者には「どこかで見たことある」ようなものでもありそうでしたし、

 また、大型でフルカラーというのは嬉しいところではあるのですが、

 約2700円というお値段は、必ずしもお手頃とは言えない面もあり、

 ファンでないと厳しいかもしれない・・・といった印象はありましたね。

 

 とはいえJOJO好きで、かつ露伴好きなら楽しめる内容。

 荒木先生風ホラー空間をじゅうぶん味わえた私には、満足な作品でありました!

 

 


【お気に入り】 『GANGSTA.〔ギャングスタ〕』1巻

2011年07月23日 | ◆「お気に入り」  マンガ

「お気に入り」1巻作品です。

ジャンルは、紹介文によれば「マフィアンファンタジー」。

 

 

『GANGSTA.〔ギャングスタ〕』1巻 (コースケ 先生)

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 「悪党と バケモノの 街で」(オビ文より)

 「便利屋」を営む2人組、ニックとウォリック。

 悪党(マフィア)とバケモノ(黄昏種)が巣食う街(エルガストルム)での

 2人によるバイオレンスな日々が描かれます。

 

 悪党だらけの街での「便利屋」の仕事なんてものは、たいてい暴力沙汰。

 タバコ屋のおばちゃんからは店にたかるチンピラを撃退する仕事をもらい、

 警察官からは“マフィア組織から依頼された別組織壊滅”を持ちかけられるという混沌ぶり。

 悪党たちの“狂宴”は、血で血を洗う凄惨さ。

 そんな中で売春婦のアレックスが、ニックとウォリックに出会い・・・と始まる本作品。

 

 日本刀をもつニックは、言葉が不自由だけど「タグ付」と呼ばれるとんでもないスゴ腕。

 隻眼のウォリックは、ジゴロやっていて女性に優しい軽めの男だけど、やる時はやる。

 2人は、過去に何かあったらしいという、特別な関係で結ばれていたりも。

 

 作品全体の雰囲気は、バイオレンスかつブラッディ。

 人の命を奪うことにも躊躇しない連中が、どこかセクシャルに、そしてスタイリッシュに、

 縦横無尽に暴れまわるアクションが見どころでしょうか。

 とはいえ、ニックもウォリックも冷酷ではあるけれど、根っから腐っているわけでもなく、

 アレックスを気づかう様子も見せる2人の姿はクールでホット。 カッコイイんだぜ。

 

 そして、黄昏種=トワイライツと呼ばれる異能者の存在が、

 この作品をただの悪党たちの抗争だけではない物語に仕上げていて、

 楽しませてくれるし、今後を期待させてくれます。