五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ 今月の河合荘

2018年01月10日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

ヤングキングアワーズ 2018年2月号より
 
 
 

 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 
 
 
 
 

●僕らはみんな河合荘 (宮原るり 先生)

 

 最終回!!!

 シロさんと麻弓さんのゴタゴタ(?)も解決したようで、
 宇佐くんと律さんが2人を見守る中、始まった今回・・・

 トビラ絵が、様々な人たちと撮った写真の数々で、これまでを振り返るように
 1つ1つの絵に込められた「思い出」が、鮮やかに映し出されるようですね。

 最終回ということで、これで終わってしまうのだな~という寂しさがありつつも、
 こうして写真に収められた「記憶」として残ってゆくのだなという安心感もあって、
 微笑ましく思えたりもしました。

 

 

 

 宇佐&律の物語として・・・

 シロさんと麻弓さんを見て、何かを感じた宇佐くんが、
 「大事なお話があります!」と気合を入れて律さんに言葉をかけますが、
 その勢いに押され、身構えて目をつぶってしまう律さんが可愛らしい。

 なんて思っていたら、麻弓さんが現れて、いつもの調子でひがみ攻撃。
 もう完全に、元の麻弓さんに戻った感じで愉快でしたね。

 けれど、そこから面倒くさいことになりそうだったため、
 宇佐くんが律さんの手を取って、逃げ出すシーンが面白かった!

 まる映画のように美しくドラマチックな雰囲気にもかかわらず、
 そこへ麻弓さんの表情とモノローグが加わることで、完全にコメディに(^^;
 爽やかと下品のコラボが可笑し過ぎでした!

 

 

 

 2人の逃避行。

 手をつないで逃げる宇佐くんと律さん。
 途中、千夏ちゃんに出会って「仲良しだね(はぁと)」とか言われていて笑!

 思わず手を離してしまう宇佐くんでしたけど、付き合っているのだから
 離す必要はないわけで、このあたり、まだまだだな~・・・と考えていたら、
 今度はしっかりと律さんの手を握っていたのが、頼もしかったですね~。

 まあ、そこに千夏ちゃんのかけた言葉は、完全に冷やかしでしたけど(^^;
 でもその後、宇佐くんが律さんに、カッコ悪いなりにしっかりと自分の考えを告げて
 踏み込んで行ったのは、冷やかしにも負けない彼の本気を感じられて良かった。

 

 

 

 「ずっと変わらない2人になりたい・・・」

 全ては変わってゆく。
 それはどうしよいもない自然の摂理・・・

 そんなことを、嫌というほど感じていた最近の展開でしたが、
 ここで宇佐くんが「変わらない」ことに言及していたのは、意味深いですね。

 時間の流れと共に色んな変化が訪れるだろうけれど、それでも
 「ずっと変わらない2人になりたいって思うんだ」と言い切る宇佐くん。
 それは、ほとんどプロポーズのようなもので、重く響きましたよ。

 変わるもの、変わらないもの。
 たとえ何が変わっても、この関係だけは変わらないようにしたいという想い。
 絶対に変わらないのではなく、変わらない2人に「なりたい」という決意が尊い。

 だからこそ、「なりましょうっ!!」なんて決意表明になってしまって、
 コミカルだったのは愉快でしたけど(´▽`;)

 ただ、その決意は宇佐くんだけでなく律さんも同様で、彼に抱き着きながら
 「なりましょうっ」と顔を赤くしながら叫んでいたのが印象的でした。

 宇佐くんに頼りっきりになってしまうのではなく、自立できるよう、
 同時に彼を支えることもできる自分になれるように、河合荘を出てゆくと決めた
 というのは、立派だし健気だしで、律さんの魅力を増しますね。

 

 

 

 何だかんだで両想い。

 これからの2人のことについて、想いが一致した宇佐くんと律さん。
 いまいちカッコつかなかった律さんに、「俺と一緒だ」なんて言って、
 嬉しそうに抱き着いちゃう宇佐くんが可愛い。

 それと前回、律さんが「自分から言いたくない」と述べていた理由も、
 宇佐くんに話すと彼の方が自分に合わせてしまうから、というのは
 大いに納得でありました・・・ そーゆーとこありますよね、宇佐くん。

 そして、ぎゅ~っと抱き合う2人が良い雰囲気すぎて、たまりませんね。
 そこから口づけへ・・・

 と思いきや、ここで茶々が入ってしまうのが河合荘クオリティ!
 それでこそといった空気感は、むしろ安心感です。

 その後、河合荘に林さんや佐久間くん・椎名さんもやって来て、
 にぎやかになっていますが、その騒々しさを「変わらないね、河合荘は」と評した
 椎名さんの言葉が、これからの河合荘にも重なる気がして、良い感じでありました。

 

 

 

 河合荘という「仮宿」にて・・・

 シロさんと律さんの決断を、河合荘は「仮宿」だからと受け容れている住子さん。
 河合荘を「ゆるーく日常を過ごすだけの場所」と言ってますけど、
 その日常に欠かせない存在ですよね。

 だからこそ、「たくさんの人生の欠片にちょっとだけ登場する」という、
 ある意味、おいしい立場にいることができる。

 多くの人たちの世話をしながら、彼らが「仮宿」から巣立ってゆくのを見守る。
 その「仮宿」=河合荘を形作っているのは、住子さんその人なのかもしれません・・・
 なんてことを感じてしまう会話に、しみじみしてしまいましたよ。

 

 

 

 僕らはみんな河合荘。

 ラストは、いつも通りの河合荘の喧騒が、心地よく響いてのシメ。
 新しい住人もやって来る? なんて感じさせるセリフもあって、
 河合荘の日々は続いてゆくのだな~と、感慨深いものがあります。

 いや、もうね、大好きな作品でしたから、終わってしまうのが本当に名残惜しい。
 宇佐くんと律さんの関係に焦点が当たるようになって、ラブコメ調が強くなりましたが、
 当初は変人コメディ色が濃いお話でしたよね。

 なので、笑いがまず中心にあって、シリアス展開になっても笑いへつながる安心感。
 そんな所に魅力のあった作品だと感じます。

 シロさんも、麻弓さんも、彩花さんも、住子さんも、それぞれ個性的で面白く、
 河合荘の外の人たちもみんな楽しくて、彼らが創り出す世界の輪郭に、
 大いに惹かれ続けた約7年半でありました。

 今月号の巻末には、宮原るり先生のインタビューもありますので、ファン必携。
 それによりますと、今後「番外編」が掲載予定とのことで、そちらも楽しみです。
 スタートはしばし先のようですが・・・

 言葉を尽くせないほど、思いはあふれんばかりですけども、これにて本編は完結。
 長い間、本当に、存分に、楽しませていただきましたー!!!

 

◆ ヤングキングアワーズ 感想

 


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