ヤングキングアワーズ 2012年11月号より
以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)
●ドリフターズ (平野耕太 先生)
ドワーフ解放戦もいよいよ大詰め!
最後の仕上げとばかりに、敵への勧告をおこなう豊久。
それに対するオルテ軍の返答やいかに?
・・・なんて始まりましたが、大勢は決しているわけで答えは明白。
しかし、“戦国の作法”に戸惑うオルテ軍の守将は、ちと哀れでしたかね(;´`)
それでも約束は違えぬ豊久。
追撃しようと備えていた与一に、それを察したのか声をかけているのは面白い。
“戦の呼吸”に関して嗅覚するどい、彼の一面を見せつけられた気がします。
元の世界では、約束を反故にしての追撃などを「やらされていた」と語る与一。
やはり、かの名将・源義経の指揮下での事でしょうね・・・ そーゆー人ですから、あの人。
しかし、それへの豊久の答えが、これまた痛快!
豊久という、義経とは違ったタイプの将を前に、与一は何を思うのか・・・
以前、義経のもとでは息苦しい想いをしてきたっぽいことも語られていましたし、
与一にとっては嬉しいことなんだろうという気はしますが、どうでしょうね。
少しだけ安らいだ彼の表情が印象的でありました。
その頃、エルフの村では・・・
この童貞臭ただよわすメガネくんは、ドーテーくん(仮)じゃないですかー!
いや、童貞ゆえに命が助かったを考えますと、それはそれで悪くないあだ名じゃ(酷)
本名はミルズくん。
豊久軍団の事務を任されているようですね(´▽`;) 大変だろう、あの上役たちじゃ。
でも、こんな風に、ちゃんと役割を与えられての再登場が、けっこう楽しい。
とても大切なポジションですよ、事務官というのは。 後方担当の重要性は軍事では常識。
さらに、セント・ジェルミ伯がやって来たと聞いて、エルフたちを慮るあたり、
イイ人だな~と感じさせる要素もあって、ドーテーくん株、私の中では急上昇であります。
そして、ついにやって来たセント・ジェルミ伯。
ミルズくんもタジタジのはっちゃけぶりを披露しますが、
ふざけているようでいて、ちゃんと情勢を分析しているのはさすが。
ただ、「紫」の名前を出していたのは驚いた。 彼のことを知っている風でしたけど、さて?
さらに彼は、ドリフによる革新・混乱を望んでいないような言動も。
このあたり、どのような哲学・思考を持っているのか、気になりますね~。
でもって今回、最大のキモとなったのは終盤の展開!
十月機関の人間と、ドグなる獣人っぽい人物がさぐりをいれているのは、黒王軍。
そこで見たものは・・・?
この内容には度胆をぬかれたというか、沸き立つものを感じずにはいられませんでしたよ!
なんだ「六大竜」って!? すごいのキタよ!!
エルフ・ドワーフ・獣人・ドラゴンと、まさにファンタジー世界といった趣を深める本作品。
単なる歴史上の偉人競演物語ではない、凄味があります。
それでいて、もう1つの驚き=黒王が化物たちにおこなわせていることは、
世界にとって大いなる“革新”といえる出来事!
こちらは単純なファンタジーではない、歴史再現というか実験というか・・・ とにかくスゴイ。
でもこれって、そのうち化物の中に、穏健派を生み出す要因になりかねませんかね?
そうはならないものなのかな、モンスター系は・・・
今回、面白さ・驚き、双方すばらしい内容でありました。
歴史とファンタジーの融合が壮大すぎて、とにかくつづきが気になって仕方ない!
もちろん今後も、楽しみです!