2012年2月号
今後は縮小するか、毎月定期的には書けなくなるかもしれません・・・
「ナポレオン」と「ドリフ」も単独感想にしようかどうしようか悩み中。
今月号の付録小冊子は、平野耕太先生『HELLSING 外伝』!
若き日のウォルターの活躍がクールにアツイ。
おなじみ吸血鬼さんの姿がアレなのは、主役が違うから控え目に・・・って感じでしょうかね。
『それでも町は廻っている』は、ネトゲで暴れまわる歩鳥とタッツン。 アバターが可愛い。
歩鳥の操作が拙くて笑えるなど楽しかったけど、テーマとしては「戦争」を描いていたりして、
なかなか興味深いお話でした。 最近、タッツンが歩鳥を高く評価する内容が多いですね。
『ヘン集女王』は、温泉へ社員旅行で盛り上がる一行。 川島さんの万能ぶりがさすが(^^;
そんな川島さんの妹さんとの関わり。 妹のための行動が、現在の川島さんを作っていると
わかる今回のお話は、ついに妹さんの話へつながる布石となりましたね。 さて、どーなる!?
『アリョーシャ!』は、未留さんの家へ龍之介くんとケイティが来るお話。
初めて「友達」と呼べる人々との交流に浮かれるケイティが、FBIと知られたことで溝を感じ、
落ち込む姿に(´;ω;`) まあ、アリョーシャはさすがでしたが、何かラストに不吉な気配・・・?
『ウォースパイト マルスの目』は、有希くんのかたくなになる理由が描かれていましたが、
なんというかあっさりしてましたね・・・「壁の崩壊」が(^^; 壁が壊れる歴史上の出来事と
いえばアレなわけですけども、そのマッチングがお見事でした。 展開が早い気もしますが。
以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)
●リュウマのガゴウ (宮下裕樹 先生)
今回のリュウマは・・・女?
豪快に無銭飲食、さらに嘔吐までかますトンデモねー奴。
しかし彼女はリュウマにあらず。 「自分はリュウマのもの」と語る変な人でした。
そして今回登場したリュウマは、その力で街を支配する人間という
今まで出てきた志高い人たちとは違ったタイプ、一言でいうなら“悪役”だったわけですが、
それでも単純な勧善懲悪にはならない展開が面白かった!
前回は、いわば「折れる志」が描かれていたのですが、
今回は、「失われた志」とそれを「取り戻そうとする志」のお話だったわけですね~。
そして、無銭飲食の女性は、ある目的を秘めて旅をしている模様。
これは今後にかかわってきそうな人物。
となると、今までのリュウマ達も、いずれその志を共に集う日が来るのだろうか?
なんて展開に期待を抱かせるような、そんなワクワク感がありました。
いや~、この物語はどのように進行して、どう収束してゆくのか・・・ 今後も楽しみです!
●タイニープリニウス (大石まさる 先生)
最終回!! コミックスは2月29日発売!
ここに来て、なんかとんでもない展開にー!?
次々に倒れる仲間たち。
“最後の地球人”であるプリ之助は、「オレは1人じゃダメなんだ・・・」と暗い闇の中へ・・・
なんて、今までのお気楽・陽気さが影をひそめたお話でした。
地球が滅びた後の宇宙で、希望を探して旅してきたプリ之助・シェヘラ・オバケの3名。
狭い舞台でドタバタやってるコメディっぽい作品だったのですが、こんな終わり方とは・・・
と思いきや、まあそのあたりは「オチ」がついてよかったのかなと(^◇^;)
それにしても、「最後の地球人」という設定は、
意外に“闇”と隣り合わせなのだと思い知らされた最終回でしたね。
そんな暗さを間近にひかえて、それでも「なんとかなるさ」と前へ進もうとする
プリ之助の姿こそが、まさに希望そのものだったんですね~なんて、
キレイにまとめたくもなりました。 うん、面白かった!
2月29日にコミックス発売とのこと。 楽しませていただきましたー!!
●醒誕祭 (水上悟志 先生)
水上先生の隔月読み切り第4弾は、残酷なホラーテイストの哀しい物語。
これはネタバレを極力避けた方がよいでしょう。 素晴らしいお話でした。
雨の中、1人歩く少女に出逢った少年。
ボーイミーツガールな内容かと思いきや、なんだか不穏な状況へ・・・
そして、まさかアイツが出てくるなんて! 「醒誕祭」というタイトルに思いっきり納得。
サイキッカーと呼ばれる存在がいる世界。
しかしD級にしかなれない「できそこない」の少女は、父に会いたい一心で研究所を脱走。
その行く先には、果たして何が待っているのか・・・
抑圧され切り捨てられた者の狂気と、それが生み出す世界への報復、その行き着く果て、
“承認”を失った少女などなど、何とも言えないテーマの数々が感じられる秀作。
「ゴミ」扱いだったD級少女でも、使いようによっては世界へ復讐できるんだという構図には、
虐げられし者への歪な賛歌とも受けとれる、そんな哀しみを感じます。
ラストの貪欲に「上」へ向かう者と、すべてを失い「下」へ落ちる者、
その対比の描き方には身震いしましたよ。
そして、これが“あそこ”へとつながるなんて、何と壮大な物語。
再度言いますけども、素晴らしいお話でした!
●稲田小鬼物語 (大石まさる 先生)
最終回ー!! こちらもコミックスが2月29日に発売!
なんだかんだで「心臓」を取り戻してしまったコオニが巻き起こした大騒動。
それを抑えるべく、イナダさんが奮闘します。
しかし、「完全体」となったコオニの力は、宇宙規模を越えて強大。
世界そのものを創り変えてしまおうかという行動に、いかに対抗すべきか?
さてさて、どーなる?な展開でしたが、いや~めっちゃ面白いじゃないですかー!!
SFと神話のミックスのような壮大なお話に、私は燃えましたよ~。
「神話的」でありながら、「宇宙は広い」とその広大さを感じさせる面白さ。
そして何より、コオニとイナダの関係を、騒動の解決にもってきていたのがよいですね。
広大で壮大、でも、そこに生きるのは個々の意識。
その個と個が折り重なって、世界はつむがれてゆく・・・
そうした描かれ方は嫌いじゃないです。 つか好きです。
うーん、かなり面白い作品だったと思うんですけどね~。 これで終わりは残念。
コミックスが2月29日発売なので、私は買います。 楽しませていただきましたー!!
●ナポレオン -覇道進撃- (長谷川哲也 先生)
マレンゴの戦勝後、パリへと帰還するナポレオン。
しかし彼を待っていたのは、「ナポレオン戦死」の誤報に踊った人々の報告。
タレイランやフーシェだけではなく、兄や弟といった親族でさえも陰謀を巡らせていたことは、
ナポレオン自身にとっては政治という舞台での、“孤独”を感じさせる出来事でした。
友人・ドゼーを失った後の彼が、“孤独”を前にして思い出したのが、もう1人の友・ジュノー。
といっても、今の今まで忘れてしまっていたとかヒドイ(;´`)
ドゼーと違って、仕事上のパートナーというよりは、気安く接することができるタイプですね。
エジプトの一件で不満げな彼に、ナポレオンも懐柔策で臨みます。
それはパリ司令官の地位!
しかし、それには条件が付いていて・・・ という展開が楽しいお話でした。
ウジェーヌの助力を得て、その条件を満たそうと駆けずり回るジュノーの情熱は、
滑稽なのだけど「男」を感じさせるものでした・・・ある意味では(^^;
というか、ウジェーヌが面白い奴だよな~。 女性への嫌悪の表し方とか。
そんなコメディチックな楽しい雰囲気の陰で、ナポレオンはモロー将軍と対峙。
政治の世界だけでなく、ナポレオンの庭ともいえる軍隊の中での派閥抗争。
しかし、モロー自身は政治に興味はないらしく、ほかの人間に担がれている状態。
それでもナポレオンの人物をはかろうとしている点に、凄味が感じられます。
モロー派とボナパルト派の間には、今にも激突しかねない緊張感が・・・
と思ったら、そこでまさかの乱入者!? ここでジュノーの話とつなげてくるとは!
場は一転、奇妙な可笑しさに包まれることに(^◇^;)
しかも、そこで「男」をみせるナポレオン。 いいのかモロー!? それでいーのか!!??
・・・なんてお話が、かなり面白かったですね!
政治だけでなく、身内ともいえる軍隊内にも問題を抱えるナポレオン。
しかし、それらすべてを懐のうちに包み込む度量。 まさに「男」でありました。
マレンゴという大きな山を越えた物語、これからどうなるのか・・・ 今後も楽しみです!
●ドリフターズ (平野耕太 先生)
未来文明と邂逅する信長さん。
“ワイルドバンチ”の使用した武器に興味津々な彼は、その様々な兵器を知ろうとします。
火縄銃から一気にガトリング銃まで、時代を飛躍してしまう第六天魔王。
今までの自分の考えなんて吹き飛んでしまうと、驚愕していますが・・・
面白いのは、そこからの彼の思考。
密集から散兵へ、近代的ストラテジーを思い描いてしまう信長は、やはり戦国大名。
「時代が古い」とかは関係なく、1人の人間の能力の高さを感じさせるシーンでした。
じっさいに銃を扱うキッドたちは、いわば戦士としては一級だが、戦略などは考えない。
しかし、その銃をそろえて軍団を作ろうと考える信長は、やはり戦略・戦術家としても一流
といった感じですかね。
そんな信さんをみて、いろいろ思うところがありそうな大師匠さま。
ただ彼の言うとおり、このファンタジー世界へ持ち込まれる「未来の技術」は、
世界を一変させかねない危険なモノでもあるでしょうね。
このあたり、信長の“先進性”を危惧する大師匠さまは、まあ間違ってはいないのだけど、
それがどういった方向へ世界を推し進めるか不明な以上、はたして正否はいかに?
といった感じですかね。 いや、ホントにどーなるんでしょうね、このあたり。
信長といえば戦国時代の先進的な人物として知られていますが、
ここらへんは祖父・父の功績が土台にあってこそという点や、
戦国大名には意外と「先進的」な人が多かったということもありますけどね・・・
信長の凄味は、戦国という戦乱の時代を、大名という指導者的立場で戦い続けてきた、
そのトップクラスの経験値と思考にこそあるのかもしれません。
それにしても、「オッパイメガネ」は信長さんの独創じゃなかったんかー!
セカイは違えど共通言語「オッパイメガネ」。
偉大なる「オッパイメガネ」。 素晴らしき「オッパイメガネ」・・・ ハイ、スミマセン。
オパイーヌ、もといオルミーヌさんは受難ですな~(´▽`;)
まあそんな感じですが(どんな感じだ?)、ますます楽しさを増すドリフの世界。
ここから豊久軍団がどう動いてゆくのか・・・ 今後も楽しみです!