ヤングキングアワーズ 2013年3月号より
以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)
●ナポレオン -覇道進撃- (長谷川哲也 先生)
コミックス4巻、2月14日発売! バレンタインへの挑戦ですね。
恒例とでもいいましょうか、『僕らはみんな河合荘』の律さん描かれた表紙をめくると、
本作品の凄惨なシーンがバーンと目に入ってくるわけですが、今回も強烈でした(^^;
それはともかく、その凄惨さを演出していたのが、最年少元帥・ダヴーさん!
軍規に厳格であり、ゆえに強く、敵味方双方から恐れられる指揮官でありますね。
問題を起こした兵士を次々と死刑に処し、吊るして見せしめにしているのは凄まじかった。
ここで興味深かったのは、兵士の士気と規律の問題ですね。
略奪させて士気を上げるのが良いという意見と、
一度略奪を許せば軍としては弱体化するという返答。
士気と規律はどちらも軍隊にとって重要なものでおろそかにはできませんけども、
士気を上げるために規律を緩めちゃいけないし、逆に厳しすぎて士気を下げるのも問題。
このあたりの手綱のさばき方が優秀な指揮官こそが、名将ってことになるのでしょう。
ダヴーの場合は、厳格さが勝りつつも、同時に士気も維持できるタイプなのでしょうかね。
一方、イギリスでは・・・
フランス軍が英仏海峡を渡ることができないのは、
制海権を強力なイギリス海軍がにぎっているため。
そして、イギリス海軍といえば、“海の雄”ネルソン提督を思い浮かべますが、
今回はもう1人、“陸の雄”とでもいうべき人物・アーサーさんがついに登場!
おちょぼ口がチャームポイント。
はじめネルソンのことを、軽薄な男だと感じたものの、
やがて対仏政策について語り始めたことで見直した模様・・・ でしたが、
それでもやっぱり気に入らないとか、気位が高い人物のようですね。
しかしそれにしても、ホレイショとアーサー、
イギリス海と陸の2雄がまみえるなんて、ちょいと興奮しちゃいましたよ。
その後ネルソンは、英仏海峡を渡るための軍事行動をおこなうフランス海軍を追うことに。
これが、トラファルガーへとつながってゆくことになるわけですね・・・
はたして、どのようにかの海戦が描かれるのか?
人物としては、やはりネルソン提督に注目せざるを得ないところです!
あと、ウィルヌーヴさんも。(とってつけたように)
そして今回のビクトルさんですが・・・
熱出して行き倒れ寸前のところを、サンソン親方に拾われるビクトルさん。
かつて親方の元で働いていた縁があってよかった~。
この作品でのサンソン親方、めっちゃイイ人ですもんね。
ビクトルのことを気づかい、軍隊へ戻るしかないと語るビクトルをさとし、
お金まで貸して世話してくれるなんて・・・(ノД`)
ところが恩に感じつつも、感謝の言葉を述べながら去るビクトルさん。
この直前、徴兵逃れの片棒を担いだ彼は、そこで得た金銭を、親方への返済とします。
それは、軍隊へ戻りたいからなのか?
もしかすると、そんな気持ちもあるのかもしれませんが
私には、何と言うか男としての矜持といいますか、
ビクトルさんは、親方にお世話になりっぱなしではいけない、
と考えて行動しているように見えたんですよね。
去り際の彼の表情が、「男」を感じさせる清々しいものだったのは、とても印象的でした。
その後は軍隊へ戻り、新兵ビトーとして生きることになったビクトルさん。
そこでは、いつものビクトルさんらしさも出ていましたけど、
さすがイタリアだのエジプトだのの地獄をくぐり抜けてきた
歴戦の勇士だと感じさせる活躍(?)っぷりも痛快でしたね~。
おかげで新兵じゃないと見抜かれちゃってましたが(;´∀`)
さらに、終盤に登場したあの人物や、ビクトルさんの隊にいるコートの上官さんなど、
『ナポレオン ~獅子の時代~』1巻へとつながる流れが見えてきて、たまらんものが・・・
さて、まずはトラファルガーでしょうか? 待ちきれないほど、今後も楽しみです!