五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ ヤングキングアワーズ 感想

2012年11月02日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

2012年12月号

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 今月の『蒼き鋼のアルペジオ』感想はこちら

 今月の『僕らはみんな河合荘』感想はこちら

 今月の『ナポレオン -覇道進撃-』感想はこちら

 今月の『ドリフターズ』感想はこちら

 

 表紙は、『蒼き鋼のアルペジオ』より、タカオさん!

 見返り姿が可愛いうえに、函館イモをかじっているのがグッドですよ~。

 つか、ストラップががががが!!! 自由自在だな、メンタルモデルさんは・・・

 

 

 『ワールドエンブリオ』は、質問攻めにあうエンデ。 そりゃー迫水さん、キモいからヤダよ(ぇ

 そんな様子に笑いましたが、まだまだエンデが打ち解けないのは、リクのイラだちも原因?

 さらにシズ姉に起きた異変には最大の緊張を覚える展開。 それを経ての融和が温かい。

 

 『スピリットサークル-魂環-』は、ヴァンの物語つづき。落ちぶれた元騎士の生活がツラくも、

 何だか面白い内容。 刺客に襲われる日々、それでも友を得、やがて共に暮らす様子が、

 人生を感じさせる流れでした。 何だかんだで晩年を迎えたと思いきや、ここからが本番!?

 

 『〇ア部!葉桜中学アニマル部』は、早朝から活動するアニマル部。

 後からやって来る生徒たちに奇異の目で見られつつ、それでも信夫くんはモテていたりと、

 自分と比べてしまう七緒くんが哀しい(´;ω;`) まあ、先輩いるし、動物増えるし、にぎやか。

 

 『AGEHA』は、青春ラノベ的展開に目を丸くしつつも、心記くんの自分ツッコミに大笑い!

 見開きでセルフ・ツッコミとかすさまじいな! それはともかく、つづくループは形を微妙に

 変化させつつ、左丹さんや陽炎さんの存在感UPで楽しい。 とくに左丹さん、おもれー!

 

 『裸者と裸者 邪悪なる許しがたい異端の』は、前回の戦果により、大金を手にする4人組。

 そこから思わぬところで、思わぬ人に再会を果たす双子。 そこで広がる人脈の嵐・・・?

 このつながりは自然だとしても、ここから双子がどのように動いてゆくのかは、楽しみです。

 

 『天にひびき』は、コンクール大詰め。 自由な堂嶋卓の演奏に、何かを感じた秋央くん。

 そこから自分の番となりますが、はたしてどうなるか・・・ という展開が手に汗握る感覚。

 彼の“指揮者”とのつながりが大きいことを感じさせる様子がよい。 これ重要ですよね。

 

 『カラメルキッチュ遊撃隊』は、農場での職業実習で、いつもの3人そっくりの3人組が登場。

 イラさんだけ、ヘラッとした相手ですが(´▽`;) このそっくりトリオとのやりとりが面白かった。

 衝突し、親しくなり、という流れがよかったけど、まさかのキッチュには、驚くと同時に感服!

 

 『並木橋通りアオバ自転車店』は、パンクばかりしている少女のお話・・・ と思いきや、

 そこには乙女心が見え隠れ。 まさか店長のことを好きになってしまったとか、すごい展開。

 しかし、奥さんの存在を知り、アオバさんとの会話を経て見つける“あこがれの人”、爽やか。

 

 『アリョーシャ!』、コミックス4巻が11月30日発売! そんな今回、コスプレでお祭り!?

 それはともかく、ミーチャ・カラマーゾヴァについて、様々なことが判明してましたね・・・

 何となくヤバげな人物ですが、年齢に驚き。 そして、最後のジャパニーズ耽美に笑った!

 

 

 

 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 

 

 

 

 

●球場ラヴァーズ ~私を野球につれてって~ (石田敦子 先生)

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 全シリーズ全6巻、発売中! そして、新シリーズ開始!!

 今回の主人公は、野球嫌いの太田日南子さん。

 巨人ファンの父親と、ヤクルトファンの母親にはさまれて、キツイ思いをしてきたようで、

 そのあたりの苦しさが、野球そのものへの苦手意識へと育ってしまった模様。

 

 そんな日南子さんが、それでも野球場でバイトする理由。

 そのあたりが、『球場ラヴァーズ』のタイトルにふさわしいもので、

 これからの物語を期待させる要素となっています。

 決して球場で嫌な思いばかりしてきたわけではない、ということが救いというか、

 彼女にとっての“再生”への道しるべとなりそうですね~。

 

 前シリーズの主人公・実央さんも登場し、日南子さんと関わっているのも好感触。

 というか、前の話で実央さん視点だったものが、今回は日南子さん視点で描かれていて、

 興味深かったし、とても面白かった!

 さらに、広島カープが何年優勝していないかという話題には、私も驚いたー!!

 でも、そうなんですよね、それだけ優勝していなくても応援し続ける人たちがいる。

 そのすごさ、めっさ伝わってきました。

 

 などなど、再び始まる少女と野球の物語。

 今度こそ、カープが優勝できますように・・・ なんて言ったら、

 他の球団ファンに怒られるかな(^◇^;) と心配しつつ新シリーズ、楽しみです!

 

 

 

●それでも町は廻っている (石黒正数 先生)

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 今回、紺先輩の指輪をめぐるお話。

 何やら不吉な感じの指輪ですが、歩鳥さんの家に忘れたようで、

 歩鳥さんが指につけて街にくり出しますが、そこで森秋先生に出会い・・・ と展開。

 

 はじめ「人違い」と誤魔化そうとする先生が面白いのだけど、

 それへの歩鳥の対応が酷すぎて大笑い゜(*゜´∀`゜)゜

 ・・・なんて感じに、いつも通りの2人のやりとりだったわけですが、

 私が「おっ」と思ったのは、森秋先生が意外と「普通」に歩鳥に接してたことですね。

 先生の態度が、それほどおかしくなかったのが珍しかった。

 なので、この2人の交流を静かに楽しむことができました。

 

 そして後半、歩鳥飲みに起きた出来事に、心配そうに声をかける

 森秋先生の真剣な表情や、その後の安堵した姿をみて、

 先生の印象がだいぶ良くなりました。 やはり問題児でも、生徒を大切にしてる人なのだと。

 そうした様子が、とても好感触なお話でありました。

 最後は紺先輩が受難でお気の毒でしたけども、今後も楽しみです!

 

 

 

●リュウマのガゴウ (宮下裕樹 先生)

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 コミックス2巻、発売中!

 そんな今回、隻腕のリュウマと、リュウマの妻になる女の邂逅でしたが・・・

 いや~今まで隻腕のリュウマが「彼」だと気づいてませんでした!

 そーだったのかー、いやはや、どこで何がつながっているか油断できませんな。

 

 それはともかく、白皮との戦いは過熱。

 パニック増大の状況に、リュウマの妻になる女(ボス子と仮称)が持ち出したのは、

 なんと物干し竿!? 使える・・・のか?

 いったいどーなってしまうのか、と緊迫感が高まる展開。

 

 しかし、そこへ現れたのはミズガルズ軍!

 ここから状況は一変していましたけども、うーむ・・・

 これでミズガルズ方面の話になってゆくんでしょうかね。

 人類の砦。 繭王の存在。 様々な謎が明かされるのか?

 そして、また1つのつながりが・・・

 盛りだくさんの内容に、いろいろまとめたくなってしまいますが、今後も楽しみです!

 

 

 

●エイリアンダイエット (鈴木小波 先生)

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 鈴木小波先生による、読み切り第3弾!

 ひょろくて背が高い通称デンチューくん。

 彼が好きなのは、ふくよかな白川マトリさん。

 そんな2人のダイエットをはさんだ物語・・・?

 

 デンチューくんの好みのタイプとは、だいぶ違っているはずなのに、

 それでも一番のチャームポイントが彼には、どストライクだったようで、

 マトリさんのことを気にしています。 でも、ふくよかだった彼女が、突然痩せてしまった。

 そのダイエットをめぐってくりひろげられる、“捕食者”と逃げる者のやりとりが面白い。

 

 変わってしまったマトリさんは、好みのタイプに近づいたはず。

 けれど、「前の方がずっとかわいい」と思ってしまうその理由は・・・?

 といったように、なかなか良いラブコメ展開も楽しかった。

 

 とんでもないダイエット方法は、女性の痩せる事への願望を象徴していて興味深いけど、

 それがコミカルに描かれているのが、また面白かった点ですね。

 最後のオチも、デンチューくんがマトリさんにかけた言葉がきっかけなんじゃないかな?

 なんて考えると、2人の距離の接近を感じることができて良いですよ。

 などなど、ラブコメ的に楽しめました本作品。 読み切りシリーズ、さらなる登場に期待です。

 

 


◆ 今月のドリフ

2012年11月02日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

ヤングキングアワーズ 2012年12月号より

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以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 

 

 

 

 

●ドリフターズ (平野耕太 先生)

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 なんと今回は、黒王軍の話!

 「人間を亡ぼす」という目的を掲げた黒王。

 前回、とんでもない存在を旗下に加えていることが判明していましたが、

 今回も、さらなる戦力増強を図っている模様。

 

 そして、戦力に加えるべき相手が「説得」に応じないとみるや、

 力づくでねじふせてしまう黒王、おそるべし!

 相手はモンスターの中でも最上級の存在・ドラゴンであるにもかかわらず、

 黒王の前では全くの無力。 黒王の絶大な力が、とんでもなかった・・・ これは敵わん。

 

 

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 「すさまじい力だ」

 土方が述べるとおり、黒王の力は、他の“廃棄物(エンズ)”を凌駕するもの。

 まさに奇跡の力ですねえ・・・ あのお方が正体でしょうから。

 

 それを証明するかのように、さらなる奇跡を起こす黒王。

 これぞ本来の力・・・ だからこそ脅威なわけですが。

 「兵站という概念が崩れる」という結論が、的確すぎてヤバい。

 無制限に物資を増やすことができ、さらに兵力の回復も容易とか、チートすぎる!

 “漂流者(ドリフ)”が通常の人間であることを考えると、

 いかに天才軍略家やら名将やらがいたとしても、無理ゲーになってしまう恐れが・・・

 

 

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 しかし、黒王は神ではなし。

 だからこそ、「その後」のことを考えていると・・・

 ラスプーチンに命じていた“制度作り”が本格的すぎて、“始皇帝”になるつもり満々。

 そう考えると、彼のもたらす変革はとてつもない規模のものになりますよね。

 

 ・・・となると、紫は“漂流者(ドリフ)”に、人間側の変革を求めているのも理解できるかも。

 サン=ジェルミが、世界がメチャクチャになると危惧していましたが、

 そうでもしないと黒王がもたらす変革に対抗できない、ということなんでしょうかね。

 だとすると、豊久や信長が世界にもたらす変革がどのように進行してゆくか、気になります。

 他にも、変革者ともいえる“漂流者(ドリフ)”は出てくるのでしょうか?

 

 また、最後にベッドに横たわっていたのは、“彼女”ですよね。

 彼女の存在が、今後どう関わってくるのかにも注目。

 豊久を恨んでいるか、はたまた別の方面から興味を抱いてしまったか・・・

 などなど、いろいろありますが、今後も楽しみです!

 

 

◆ ヤングキングアワーズ 感想

 


◆ 今月のナポレオン

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以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 

 

 

 

 

●ナポレオン -覇道進撃- (長谷川哲也 先生)

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 平和の終わり。

 アミアン条約によって保たれていた平和は、

 マルタ島の帰属権を巡る問題をきっかけに、ナポレオンの怒りをかって決裂。

 この条約に関しては、タレーランの尽力が大きかったらしく、

 「苦労してまとめた平和が」と、おどけた感じでいますが残念そう。

 

 しかし、マルタ島は地中海の要ともいえる場所、そこをおさえることの意味は計り知れない。

 ここでナポレオンとタレーランの見解は相違をみせていますが、

 これも軍事的観点から見ているナポレオンと、平和外交をモットーとするタレーランの違い

 ということになるのでしょうか。

 ただ、ナポレオンがとったピエモンテ併合という措置が、はたして必要だったのかどうか、

 このあたりよくわからないのですね~。 どのように評価されているのか知りたいものです。

 

 

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 不穏な空気が高まる中・・・

 カドゥーダル事件の黒幕として容疑をかけられたのが、

 ルイ16世のいとこにあたる、現在亡命中のアンギャン公。

 今回は、この人物をめぐって物語が動くことになります。

 ポッと出てきたような人でしたが、ナポレオンにとっては重要な存在になりましたね・・・

 また、彼の可愛がっているモイロフという犬も、ちょっとした意味を持つことに。

 

 

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 アンギャン公逮捕の任につく者。

 実際には、コランクールとオルドネが派遣されたらしいのですけども、本作ではダヴー。

 はじめネイを選ぼうとしたナポレオンが、思い直してダヴーを指名していたのは面白い。

 国外にいる王族を拉致するという任務が、いわば汚れ仕事であることは明白。

 それゆえに必要とされたことを、ダヴー自身が自覚しており、かつネイに語るやりとりは、

 ダヴーのもつ鋼の精神を感じさせるものでした。 ・・・というか、カッコよかった!

 

 

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 自分はナポレオンの犬である、と自ら述べるダヴー。

 アンギャン公を捕え、その後も汚れ仕事を遂行する彼のストイックさは、もはや暗黒。

 ついにナポレオンが「王族殺し」となるまでの流れは、まるで映画のワンシーンであり、

 雨という演出が、冷たく、そして寂しいものでありました。

 

 訪れるその瞬間、目を見開いたナポレオンの表情が突き刺さってきます。

 しっかりと見届けるダヴー。

 動揺することなく遊戯に興じるタレーラン。

 第1執政が自分と同じ場所に立った歓びにうち震えるフーシェ。

 

 すべてが終わった後、ダヴーに向けられたネイの笑顔、そして言葉。

 これらにも、たまらんものがありましたが、

 さらに“残った仕事”を片付けるダヴーの行動が・・・ すさまじかった。

 いなくなった主を探すモイロフへの措置は、執政の犬と自覚しているダヴーに重なるもの。

 主と共に逝くことを強いた彼は、自分がナポレオンと運命共同体であることをも

 受け容れているのでしょうね・・・ そんな切ない心情が、沈黙から伝わってきました。

 

 そしてこのことが、最後に示されたナポレオンの言葉とあいまって、

 責任の重さを感じさせる点も、また秀逸。

 このラストシーンには、不覚にも目頭が熱くなってしまいましたよ・・・

 とても不穏な暗闇を感じざるをえなかったのですが、

 それだけにナポレオンの「覇道」も際立つエピソードだったのではないでしょうか。

 そうしたことを、しみじみ考えつつ・・・ 今後も楽しみです!

 

 なお今回のお話は、長谷川先生の目次コメントによりますと、

 「ゴルゴ13・南仏海岸」が元ネタであるとのことです。

 

 

◆ ヤングキングアワーズ 感想