「お気に入り」4コマ作品から、
完結(単巻含む)作品などなど・・・
一部の作品については、まんがタイムWEBにて試し読みができます。
『けいおん!college』 (かきふらい 先生)
【公式紹介ページ】 『けいおん!』その後、大学編。
前作で主要メンバーだった4人の通う大学を舞台に、新たな軽音部の活動が描かれます。
寮生活、そこで出会った3人組など、新要素を加えた物語。
前作でおなじみの4人組は相変わらずですが、
そこに、晶・幸・菖という3人を加えた雰囲気は、前作とは異なるものになっていますね。
中でも晶のキャラクターは、本作品の中でもトップクラスに目立っていて、
唯とペアでやりとりすることが多く、楽しむことができました。
なので、晶という“キャラ”に注目してみると、前作との違いや大学編の意義を
感じることができるやもしれませんね。
「在校生編」に比べると評判芳しからずな本作品ですが、
私は楽しむことができましたし、前作と違った雰囲気になっているのも、
大学という舞台設定上、ある程度やむを得ない事だと考えています。
しかしながら、これで終わりとはもったいなさすぎですので、ぜひともつづきに期待ですね。
『けいおん!highschool』 (かきふらい 先生)
【公式紹介ページ】 『けいおん!』その後、在校生編。
前作、軽音部ただ1人の後輩だった中野梓を部長に、
梓の友人である純・憂、そして新入部員2人を加えた、新生・軽音部を描く物語。
あずにゃんこと梓さんを中心とした、先輩3人組は前作でもおなじみ。
そこに、菫&直という新入生を加えた軽音部は、フレッシュ感覚満載に楽しませてくれます。
大学編に比べると、こちらの方が前作の雰囲気に近い印象ですが、
あちらが実験作っぽいのに対して、こちらが“伝統”を意識した作品になっているのが
大きいだろうと私は考えていますので、そのあたりは当然なのかな、と思います。
とはいえ、連載中はかなり楽しませていただきまして、
正直終わると知った時には、「早すぎる!」と驚愕したものです。
梓を部長にすえ、純・憂がわきを固めつつ、菫・直という新たな個性が
物語をひときわ盛り上げてくれた本作品。 いやいや、これで終わりじゃツライでしょー。
ということで、つづきには本格的に期待しております!
『だってあいちてる』 (むんこ 先生)
「おっさん救済物語です。 byむんこ」 (オビ文より)
『だって愛してる』その後の物語。
前作の主人公夫婦の娘・木の葉と、人気作家・畑中義人、そしてその妻・琴美(故人)
の3人を中心につむがれる、彼岸と此岸をつなぐ物語、完結!
ゆーれいのおねーさん=琴美さんが出没する畑中家。
彼女を視ることができるのは木の葉ちゃんのみで、畑中先生は視ることができない。
そのコミュニケーションの欠落を、木の葉ちゃんをはさむことで補っている構図が、
とても面白かった作品ですね。
ゆーれいの琴美さんがお茶目なので、面白おかしいやりとりが成立しています。
まあしかし、作者先生ご自身の言葉によれば、
このお話は、畑中先生の再生物語ととらえるのが正確なようでして、
たしかにキャバクラ通いの話や、終盤に放たれる「愛してる」の言葉の行く先が、
そうしたものを感じさせてくれて、しっとり模様でしたね・・・
とはいえ、基本は元気いっぱい、楽しく過ごそうという意気込みにあふれたコメディ。
そのあたりの楽しさと、人間模様のあたたかさが、きわめて見事な作品となっています。
「おまけ」マンガでの人形さんの秘密なんかも気になりますし、
本作の登場人物たちには、また別のカタチでお目にかかりたいところですね。
『そこぬけRPG』6巻 (佐藤両々 先生)
「ついに女王様(ラスボス)との最終決戦!」 (オビ文より)
ゲーム会社に就職した京橋久太郎。
そこで出会った上司・鷹丸花苗から、全身タイツ着用を義務付けられつつ、
嵐のような忙しさの中、懸命に戦い続ける日々を描いた4コマ物語、ついに完結!
ゲボキュー(久太郎)くんの友人のめでたい話がありつつの、
彼とカナ(花苗)さんの関係が、微妙に接近してゆくような、
周囲からそれとなくそうした方向へ押されてゆくような流れが、ニヤニヤ楽しい最終巻。
ついに・・・ という感慨を覚える4コマ作品はそう多くありませんが、本作もその1作。
なんとなく寂しい気もしますが、これ以上時間が過ぎると、カナさんの年齢がね。(禁句)
本作品はゲーム会社の内情を、面白おかしくコメディ調で描きつつ、
そこで働く人々のどこか壊れ気味な部分が、可笑しな空気を創り出していました。
さらに、ことあるごとに語っていますが、そうしたコメディとしての面白さはもちろんのこと、
お仕事モノ4コマ作品としても、かなり秀逸。
このあたりはもっと語りたかったところなのですが、連載終わっちゃいましたね・・・
機会があれば、何かしら書きたいと思っております。
などなど、私にとっては思い出深く、かつかなり楽しませていただいた作品。
終了はとても残念でしたが、またどこかでその残照を覗けたら良いな、と思います!
佐藤先生作品では、他作品ゆかりの登場人物が出てくること、しばしばですので・・・
『しょっぴんブギ』3巻 (佐藤両々 先生)
「今は彼氏より・・・ビアサーバー!?」 (オビ文より)
買い物大好きOL馬場麗さんによる、ショッピング4コマ作品。
倹約家の定本さんといいコンビ。 お胸の大きな(?)栗栖さんとの3人組で、
買い物日和が楽しいお話も、完結!
最終巻でも、無茶な買い物(でも借金なしで計算高い?)をしている馬場さん。
そうした買い物風景が痛快といいますか、可笑しさにあふれていて楽しいのはもちろん、
男女のくっつきという要素も気になってしまう展開。
栗栖さんと義龍くん、そして馬場さんと悦二くん・・・
このあたりがどうなってゆくのか、という点にも注目でありました。
ただ、他の佐藤先生作品に比べますと、
恋愛よりも買い物に比重が置かれた内容が、ちょっと珍しい作品だったかな~と。
1つ前に紹介した『そこぬけRPG』にせよ、他の作品にせよ、
恋愛模様の進展や、結婚・出産といった「ゴール」が描かれることが多いんですね。
けれど本作では、少し味が違うラストになっていたのが、
私としては「おっ」と思わされたところでありました。
などなど、買い物風景の楽しさ、その“快”な部分がインパクトのあった物語。
まあとにかく楽しんだもの勝ちってことですかね。
そうした楽しみ方も、またアリだなと感じることができました!
『貴美TALLEST』6巻 (美月李予 先生)
高身長OLのコンプレックスと恋の行方やいかに・・・?
背が高いことが悩みなOL・麻荘貴美。
いつも猫背で低姿勢、さらに恋の悩みも加わって、へなへなな日々が続いてますが・・・
そんな貴美さんの物語も、ついに完結!
いつも通りに、高身長ネタが楽しいですが、やはり気になるのは恋の道。
貴美さんが選ぶのは、上司・南さんか? 高校時代の後輩・流行くんか?
という点が非常に気になるポイントとなって、物語に引きこんでくれました。
本当にどちらが本命となるのか、まったくわからなくなったのが、かなり面白かったです。
そのことは、あとがきにも書いてありましたが、
もう1点、貴美さんの高身長コンプレックスについても触れられていて、
その内容には、大きくうなずいて納得してしまいましたね。
承認してくれる人がいる、それがどれだけ大事なことか・・・
本編でも、このことをしっかり感じられる物語となっていたのは、さすがでありました。
などなど、主人公の高身長や、ひかえめな性格がネタになる楽しさのあった本作品。
最後は、貴美さんの恋の行方にひとまずの決着となりました。
私が4コマ誌読み始めてから、すぐに好きになった作品の1つでしたので、
終了は残念であると同時に、とても感慨深いものがありました。
本当に、楽しませていただきました!
(連載時・最終回感想) ネタバレありなので、結末を知りたくない方は回避推奨です。
『プアプアLIPS』4巻 (後藤羽矢子 先生)
「私からもう離れないで・・・。」 (オビ文より)
極貧生活を送っていた大河岸ナコ。
お金持ちの令嬢・大塚レンとの出会いを経て知る、愛のカタチ。
2人の関係はどこに行きつくのか・・・ ガールズラブコメ4コマ作品、完結!
バイトの日々、勘当、2人の暮らし、借金返済、レンさんの家庭事情などなど、
様々な出来事がありつつ、レンさんの家で働くことになったナコさん。
しかし、レンさんには結婚話が持ち上がっていて・・・ という展開に緊迫感を覚えます。
本作品は、女性同士の恋愛をテーマにしながらも、
初めから同性愛者であることをカミングアウトしているレンさんはともかく、
おそらくはノーマルだったはずのナコさんの存在が、物語をどう動かしてゆくのかが、
私にとっては興味深い点でありました。
剣持さんという、悪人ではないライバルの存在も、そうした雰囲気を強めていましたね。
などなど、「ガールズラブコメ」と呼ぶにふさわしい面白さがあった4コマ作品。
私はいわゆる“百合”に対する素養がありませんが、この物語の行方に関しては、
連載中、気になって仕方ありませんでしたね・・・ どんな結末を迎えるのか?と。
そして、その期待に違わぬ美しい決着が、とても喜ばしい気分にさせてくれました!
『そよ風そよさん』2巻 (櫁屋涼 先生)
そよ風のように、そよそよそよぐ日々・・・
そよさんは、うちわで空飛ぶそよ風さん。
いつもパタパタゆったりと、ネコのミーさんを相棒に、地域の人たちとの交流も楽しく、
そんな毎日をまったり描いた4コマ作品です。
ゆったりまったり愛らしく、そんな表現がぴったりのそよさん。
そんな雰囲気を楽しむお話でしたね・・・
小さな身体で肉じゃが作る姿がけなげだったり、ミーさんにまたがる姿が可愛らしかったり、
周囲の人々との交流があたたかかったり、そんな様子が楽しい。
春一番や強風といった兄たちも面白いキャラクターで、
その個性はもちろんのこと、風を表現した描写が、読者の横をすり抜けてゆくような
不思議な感覚を覚えさせてくれるのも、なかなか良い味わいでありました。
その愛らしさ、なごむ様子が、連載時も楽しませてくれた作品。
また、どこかで、そよさんに会いたいものです!
『横浜物語』2巻 (こいずみまり 先生)
「名前も知らない隣人と、恋に落ちました。」 (オビ文より)
恋人にフラれて以来、自暴自棄な生活を送ってきた青年・南。
ある日、彼の部屋の隣に越してきた謎の女性との交流を経て、
少しずつ再生してゆく彼の心の行方は・・・? ヨコハマ恋の物語、完結!
かなり好きな恋物語でありました。
大人の雰囲気をただよわせつつ、どこかごこちなく近づいてゆく2人の距離が、
もどかしくも微笑ましく、かつ現実感を伴って楽しませてくれた感覚。
また、「ゴハンは・・・ちゃんと食べなくちゃ」
「普通に生きている人達は、なんて楽しそうなんだろう」
そうしたほんの些細なことが、とても大事だと感じさせる言葉や描写も、
不思議と生命と精神に響いてきたりもしましたね・・・
さらに、トビラ絵で描かれていた横浜の風景。 これがまた素晴らしかった!
あとがきには扉絵案内も載っていて、楽しませてくれます。
ここでは2巻完結予定で描かれたとありますが、欲を言えば、こうした物語、
もっと読んでみたいものです。 それくらい面白く、心に残る作品でありました!