五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ ヤングキングアワーズ 感想

2012年01月04日 | ◆[不定期] ヤングキング・アワーズ

2012年2月号

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 今後は縮小するか、毎月定期的には書けなくなるかもしれません・・・

 「ナポレオン」と「ドリフ」も単独感想にしようかどうしようか悩み中。

 今月の『蒼き鋼のアルペジオ』感想はこちら

 今月の『僕らはみんな河合荘』感想はこちら

 

 今月号の付録小冊子は、平野耕太先生『HELLSING 外伝』

 若き日のウォルターの活躍がクールにアツイ。

 おなじみ吸血鬼さんの姿がアレなのは、主役が違うから控え目に・・・って感じでしょうかね。

 

 

 『それでも町は廻っている』は、ネトゲで暴れまわる歩鳥とタッツン。 アバターが可愛い。

 歩鳥の操作が拙くて笑えるなど楽しかったけど、テーマとしては「戦争」を描いていたりして、

 なかなか興味深いお話でした。 最近、タッツンが歩鳥を高く評価する内容が多いですね。

 

 『ヘン集女王』は、温泉へ社員旅行で盛り上がる一行。 川島さんの万能ぶりがさすが(^^;

 そんな川島さんの妹さんとの関わり。 妹のための行動が、現在の川島さんを作っていると

 わかる今回のお話は、ついに妹さんの話へつながる布石となりましたね。 さて、どーなる!?

 

 『アリョーシャ!』は、未留さんの家へ龍之介くんとケイティが来るお話。

 初めて「友達」と呼べる人々との交流に浮かれるケイティが、FBIと知られたことで溝を感じ、

 落ち込む姿に(´;ω;`) まあ、アリョーシャはさすがでしたが、何かラストに不吉な気配・・・?

 

 『ウォースパイト マルスの目』は、有希くんのかたくなになる理由が描かれていましたが、

 なんというかあっさりしてましたね・・・「壁の崩壊」が(^^; 壁が壊れる歴史上の出来事と

 いえばアレなわけですけども、そのマッチングがお見事でした。 展開が早い気もしますが。

 

 

以下、ネタばれあります。 (未読の方はご注意ください)

 

 

 

●リュウマのガゴウ (宮下裕樹 先生)

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 今回のリュウマは・・・女?

 豪快に無銭飲食、さらに嘔吐までかますトンデモねー奴。

 しかし彼女はリュウマにあらず。 「自分はリュウマのもの」と語る変な人でした。

 

 そして今回登場したリュウマは、その力で街を支配する人間という

 今まで出てきた志高い人たちとは違ったタイプ、一言でいうなら“悪役”だったわけですが、

 それでも単純な勧善懲悪にはならない展開が面白かった!

 前回は、いわば「折れる志」が描かれていたのですが、

 今回は、「失われた志」とそれを「取り戻そうとする志」のお話だったわけですね~。

 

 そして、無銭飲食の女性は、ある目的を秘めて旅をしている模様。

 これは今後にかかわってきそうな人物。

 となると、今までのリュウマ達も、いずれその志を共に集う日が来るのだろうか?

 なんて展開に期待を抱かせるような、そんなワクワク感がありました。

 いや~、この物語はどのように進行して、どう収束してゆくのか・・・ 今後も楽しみです!

 

 

 

●タイニープリニウス (大石まさる 先生)

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 最終回!! コミックスは2月29日発売!

 ここに来て、なんかとんでもない展開にー!?

 次々に倒れる仲間たち。

 “最後の地球人”であるプリ之助は、「オレは1人じゃダメなんだ・・・」と暗い闇の中へ・・・

 

 なんて、今までのお気楽・陽気さが影をひそめたお話でした。

 地球が滅びた後の宇宙で、希望を探して旅してきたプリ之助・シェヘラ・オバケの3名。

 狭い舞台でドタバタやってるコメディっぽい作品だったのですが、こんな終わり方とは・・・

 と思いきや、まあそのあたりは「オチ」がついてよかったのかなと(^◇^;)

 

 それにしても、「最後の地球人」という設定は、

 意外に“闇”と隣り合わせなのだと思い知らされた最終回でしたね。

 そんな暗さを間近にひかえて、それでも「なんとかなるさ」と前へ進もうとする

 プリ之助の姿こそが、まさに希望そのものだったんですね~なんて、

 キレイにまとめたくもなりました。 うん、面白かった!

 2月29日にコミックス発売とのこと。 楽しませていただきましたー!!

 

 

 

●醒誕祭 (水上悟志 先生)

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 水上先生の隔月読み切り第4弾は、残酷なホラーテイストの哀しい物語。

 これはネタバレを極力避けた方がよいでしょう。 素晴らしいお話でした。

 

 雨の中、1人歩く少女に出逢った少年。

 ボーイミーツガールな内容かと思いきや、なんだか不穏な状況へ・・・

 そして、まさかアイツが出てくるなんて! 「醒誕祭」というタイトルに思いっきり納得。

 サイキッカーと呼ばれる存在がいる世界。

 しかしD級にしかなれない「できそこない」の少女は、父に会いたい一心で研究所を脱走。

 その行く先には、果たして何が待っているのか・・・

 

 抑圧され切り捨てられた者の狂気と、それが生み出す世界への報復、その行き着く果て、

 “承認”を失った少女などなど、何とも言えないテーマの数々が感じられる秀作。

 「ゴミ」扱いだったD級少女でも、使いようによっては世界へ復讐できるんだという構図には、

 虐げられし者への歪な賛歌とも受けとれる、そんな哀しみを感じます。

 ラストの貪欲に「上」へ向かう者と、すべてを失い「下」へ落ちる者、

 その対比の描き方には身震いしましたよ。

 そして、これが“あそこ”へとつながるなんて、何と壮大な物語。

 再度言いますけども、素晴らしいお話でした!

 

 

 

●稲田小鬼物語 (大石まさる 先生)

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 最終回ー!! こちらもコミックスが2月29日に発売!

 なんだかんだで「心臓」を取り戻してしまったコオニが巻き起こした大騒動。

 それを抑えるべく、イナダさんが奮闘します。

 

 しかし、「完全体」となったコオニの力は、宇宙規模を越えて強大。

 世界そのものを創り変えてしまおうかという行動に、いかに対抗すべきか?

 さてさて、どーなる?な展開でしたが、いや~めっちゃ面白いじゃないですかー!!

 SFと神話のミックスのような壮大なお話に、私は燃えましたよ~。

 「神話的」でありながら、「宇宙は広い」とその広大さを感じさせる面白さ。

 

 そして何より、コオニとイナダの関係を、騒動の解決にもってきていたのがよいですね。

 広大で壮大、でも、そこに生きるのは個々の意識。

 その個と個が折り重なって、世界はつむがれてゆく・・・

 そうした描かれ方は嫌いじゃないです。 つか好きです。

 うーん、かなり面白い作品だったと思うんですけどね~。 これで終わりは残念。

 コミックスが2月29日発売なので、私は買います。 楽しませていただきましたー!!

 

 

 

●ナポレオン -覇道進撃- (長谷川哲也 先生)

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 マレンゴの戦勝後、パリへと帰還するナポレオン。

 しかし彼を待っていたのは、「ナポレオン戦死」の誤報に踊った人々の報告。

 タレイランやフーシェだけではなく、兄や弟といった親族でさえも陰謀を巡らせていたことは、

 ナポレオン自身にとっては政治という舞台での、“孤独”を感じさせる出来事でした。

 

 

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 友人・ドゼーを失った後の彼が、“孤独”を前にして思い出したのが、もう1人の友・ジュノー。

 といっても、今の今まで忘れてしまっていたとかヒドイ(;´`)

 ドゼーと違って、仕事上のパートナーというよりは、気安く接することができるタイプですね。

 

 エジプトの一件で不満げな彼に、ナポレオンも懐柔策で臨みます。

 それはパリ司令官の地位!

 しかし、それには条件が付いていて・・・ という展開が楽しいお話でした。

 ウジェーヌの助力を得て、その条件を満たそうと駆けずり回るジュノーの情熱は、

 滑稽なのだけど「男」を感じさせるものでした・・・ある意味では(^^;

 というか、ウジェーヌが面白い奴だよな~。 女性への嫌悪の表し方とか。

 

 

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 そんなコメディチックな楽しい雰囲気の陰で、ナポレオンはモロー将軍と対峙。

 政治の世界だけでなく、ナポレオンの庭ともいえる軍隊の中での派閥抗争。

 

 しかし、モロー自身は政治に興味はないらしく、ほかの人間に担がれている状態。

 それでもナポレオンの人物をはかろうとしている点に、凄味が感じられます。

 モロー派とボナパルト派の間には、今にも激突しかねない緊張感が・・・

 と思ったら、そこでまさかの乱入者!? ここでジュノーの話とつなげてくるとは!

 場は一転、奇妙な可笑しさに包まれることに(^◇^;)

 しかも、そこで「男」をみせるナポレオン。 いいのかモロー!? それでいーのか!!??

 ・・・なんてお話が、かなり面白かったですね!

 

 政治だけでなく、身内ともいえる軍隊内にも問題を抱えるナポレオン。

 しかし、それらすべてを懐のうちに包み込む度量。 まさに「男」でありました。

 マレンゴという大きな山を越えた物語、これからどうなるのか・・・ 今後も楽しみです!

 

 

 

●ドリフターズ (平野耕太 先生)

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 未来文明と邂逅する信長さん。

 “ワイルドバンチ”の使用した武器に興味津々な彼は、その様々な兵器を知ろうとします。

 火縄銃から一気にガトリング銃まで、時代を飛躍してしまう第六天魔王。

 今までの自分の考えなんて吹き飛んでしまうと、驚愕していますが・・・

 

 面白いのは、そこからの彼の思考。

 密集から散兵へ、近代的ストラテジーを思い描いてしまう信長は、やはり戦国大名。

 「時代が古い」とかは関係なく、1人の人間の能力の高さを感じさせるシーンでした。

 じっさいに銃を扱うキッドたちは、いわば戦士としては一級だが、戦略などは考えない。

 しかし、その銃をそろえて軍団を作ろうと考える信長は、やはり戦略・戦術家としても一流

 といった感じですかね。

 

 

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 そんな信さんをみて、いろいろ思うところがありそうな大師匠さま。

 ただ彼の言うとおり、このファンタジー世界へ持ち込まれる「未来の技術」は、

 世界を一変させかねない危険なモノでもあるでしょうね。

 

 このあたり、信長の“先進性”を危惧する大師匠さまは、まあ間違ってはいないのだけど、

 それがどういった方向へ世界を推し進めるか不明な以上、はたして正否はいかに?

 といった感じですかね。 いや、ホントにどーなるんでしょうね、このあたり。

 

 信長といえば戦国時代の先進的な人物として知られていますが、

 ここらへんは祖父・父の功績が土台にあってこそという点や、

 戦国大名には意外と「先進的」な人が多かったということもありますけどね・・・

 信長の凄味は、戦国という戦乱の時代を、大名という指導者的立場で戦い続けてきた、

 そのトップクラスの経験値と思考にこそあるのかもしれません。

 

 

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 それにしても、「オッパイメガネ」は信長さんの独創じゃなかったんかー!

 セカイは違えど共通言語「オッパイメガネ」。

 偉大なる「オッパイメガネ」。 素晴らしき「オッパイメガネ」・・・ ハイ、スミマセン。

 オパイーヌ、もといオルミーヌさんは受難ですな~(´▽`;)

 

 まあそんな感じですが(どんな感じだ?)、ますます楽しさを増すドリフの世界。

 ここから豊久軍団がどう動いてゆくのか・・・ 今後も楽しみです!