五里霧中

★ マンガなどの感想 ★

◆ まんがライフオリジナル 感想

2012年01月18日 | ◆4コマ誌③ まんがライフオリジナル

2012年1月号

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 今後は定期的に書けなくなるうえに、縮小更新になると思います。

 不定期に、できる時にできるだけ、を基本にやっていければという方針で・・・

 

 先月の「よい空気感で賞」は、戸田誠二先生の『東京メイト』

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 早朝の【貸し切り】風景が描かれる一遍。

 いくつかの早朝のひととき、そこに描かれる人々、それぞれが「朝」を感じさせる爽やかさ。

 街が動き出すその刻に、創り出される自分(たち)だけの空間が、とても愛おしく輝かしい。

 

 

 

●惑い星と花 (野広実由 先生)

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 ゲストを経ての連載スタート! 注目作です。

 中1の少女がいだく不安定で繊細な心情を、やさしく、そして赤裸々に描いた4コマ作品。

 

 結衣子さんにとって「初めての時」の思い出には、いとこのお姉さんが関わっていて、

 そのお姉さんの奔放さと、あっけらかんとした言葉が、結衣子さんに“しこり”を残したらしく、

 例の「いやらしい・・・」という意識が、その“しこり”からきていることがわかりました。

 心と体が変化を始める時期に、ある種の「呪い」となったその言葉は、

 結衣子さんをじわじわとらえつつも、変化を自覚させるものとなっているようです。

 

 そうした少女の心の動きが、中学1年生という日常をすごす風景とともに、

 静かに穏やかにモノローグとして語られる様子に、何ともいえない趣深さを感じます。

 

 また、男子生徒のあけすけな会話も面白い!

 自分の父親と母親の「行為」の結果で自分が生まれたとか、

 男にとっての「初めての時」の話とか、いやいや、なかなか興味深いものですね(ぇ

 

 このように、思春期という変化の時期をすごす少女・少年たちの微妙な心情が、

 繊細に趣深く、または照れを見せながらも面白おかしく描かれる4コマ作品。

 最近始まった作品の中でも、かなり注目しておりますもので、今後がとても楽しみです!

 

 

 

●だから美代子です (むんこ 先生)

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 スペシャルゲスト!

 夫を亡くして号泣している美代子さん・・・ でも、亡き夫の言葉は「笑顔が一番」。

 そんなところから発生する、笑顔と元気の4コマ作品!

 

 義父母からは「みょー子」さんと呼ばれている美代子さん。

 夫亡きあと義父母と暮らしながら、日々をすごす姿が面白おかしく描かれます。

 けっこうドジな人で、コケる・ぶつかる・忘れるなどなど、失敗が多いけれども元気に豪快!

 そんな様子が勢いになって、楽しませてくれる印象ですね~。

 ネタの疾走感とリズム感が抜群で、言葉や情感よりは、勢いが面白味の柱になっています。

 

 そうした意味では、4コマらしい4コマ漫画といえるのかも。

 そして何より、「笑顔」がポイントになっているのがよいですね。

 泣かずに笑顔。 しんみりさせずに笑いにつなげる。

 そんな描かれ方が、楽しさをウマい具合に演出しているように思います。

 とはいえ、それを際立たせるのは「泣き」の妙。

 泣いてしまうシーンがあってこそ、「笑い」の浮上感が目立つ効果となっています。

 

 などなど、キャラクターや設定にさほど特別なモノがない作品ですが、

 笑いを軸にした、元気と楽しさあふれる4コマ漫画。

 2号連続ゲスト登場でしたが、さらなるつづきに、期待です!

 

 

 

●ウサマニ (作画:鳥原秋 先生 原作:瀬璃春杜 先生)

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 3ヵ月連載、最終回!

 ウサマート羽ヶ丘店でバイトしている白石こゆりさんと、

 店長・宇佐美さん、バイト仲間・銀鏡くんの3人を中心に描かれるコンビニ物語。

 

 最後は、新年早々うかない表情で登場した宇佐美さんの

 隠された秘密が明かされるお話でした。

 新キャラクターである白馬さんも登場しましたが、彼もなかなか面白い人物(^^;

 まだ続けられそうな感じではありますけど、どうでしょうね。

 

 私としては、キャラクターそのものは面白い人たちがそろっているのですが、

 彼らの動かし方(とくにこゆりさん)が今一つのように感じてしまい、

 そのあたりでインパクトが薄かったかな~・・・と思ってしまいました。

 ネタ的にウマく機能していないとでも言うのでしょうかね。 印象にすぎませんけども。

 

 ただ、キャラクター自体は面白いと感じますので、

 そのあたりを目立たせて楽しませてくれると、個人的には好感触な作品のように思います。

 つづきがあるのであれば、そうしたことに期待したいです!

 

 

 

●野村24時 (板倉梓 先生)

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 コミックス1巻、発売中~!

 野村中也さん、35歳。

 親の残した借金により、苦しい生活を強いられていたら、

 同僚の雪さんから一緒に住まないかと誘われて、あれよあれよと3姉妹と1つ屋根の下。

 そんなおじさんと、3姉妹たちの物語。

 

 今回は、年越し温泉旅行へみんなでGO!

 はじめ遠慮していた野村さんも、己にやましさがないことを証明すべく参加とか、面白(^^;

 この、3姉妹に対して遠慮して距離を置こうとする35歳野村さんと、

 冷淡に対応しているように見えながらも、意外と一緒にいることにこだわる3姉妹の関係が、

 ほどよい緊張と緩和のバランスをたもっていて、よい感じですね~。

 

 

 そして、この回は2本立て!

 2本目は、野村さんが1人で出張するお話で、

 行き先が樹海の奥ということで、心配・動揺する3姉妹の様子がよかった~。

 

 面と向かってはぞんざいに扱ったり、厳しかったりする3姉妹(とくに上2人)が、

 野村さんを気にしている表情や行動から、その優しさと心情を感じられた気がします。

 最後の野村さんの一言も、そんな3姉妹の心情を感じたところから、

 自然に出ているのが微笑ましいじゃないですか~。 あんまり報われてないけど(^◇^;)

 

 などなど、35歳男性と若き3姉妹の関係に、面白味がある本作品。

 私は、3姉妹はもちろんなのですが、野村さん自身のキャラクターがかなり好きなのです。

 彼の薄幸ぶりと、そこからにじみ出るくたびれ感が哀愁をただよわせつつも、

 3姉妹に対するヘタレながらも紳士な態度に、「男」としての良さを感じてしまうのですね。

 そんなところが大きな魅力となっています。

 もちろん私はコミックス1巻買いましたし、今後も楽しみな作品です!

 

 

今後は、1つ記事で書いていこうかと考えています。

余裕のある時は、このあとに短い感想を書いたりするつもりです。

この号も、アニメ『リコーダーとランドセル』のキャスト・コメントや、

『ういういdays』ケンカの顛末などなど、書きたいことはいろいろありました!