2012年1月号
今後は定期的に書けなくなるうえに、縮小更新になると思います。
不定期に、できる時にできるだけ、を基本にやっていければという方針で・・・
先月の「よい空気感で賞」は、戸田誠二先生の『東京メイト』!
早朝の【貸し切り】風景が描かれる一遍。
いくつかの早朝のひととき、そこに描かれる人々、それぞれが「朝」を感じさせる爽やかさ。
街が動き出すその刻に、創り出される自分(たち)だけの空間が、とても愛おしく輝かしい。
●惑い星と花 (野広実由 先生)
ゲストを経ての連載スタート! 注目作です。
中1の少女がいだく不安定で繊細な心情を、やさしく、そして赤裸々に描いた4コマ作品。
結衣子さんにとって「初めての時」の思い出には、いとこのお姉さんが関わっていて、
そのお姉さんの奔放さと、あっけらかんとした言葉が、結衣子さんに“しこり”を残したらしく、
例の「いやらしい・・・」という意識が、その“しこり”からきていることがわかりました。
心と体が変化を始める時期に、ある種の「呪い」となったその言葉は、
結衣子さんをじわじわとらえつつも、変化を自覚させるものとなっているようです。
そうした少女の心の動きが、中学1年生という日常をすごす風景とともに、
静かに穏やかにモノローグとして語られる様子に、何ともいえない趣深さを感じます。
また、男子生徒のあけすけな会話も面白い!
自分の父親と母親の「行為」の結果で自分が生まれたとか、
男にとっての「初めての時」の話とか、いやいや、なかなか興味深いものですね(ぇ
このように、思春期という変化の時期をすごす少女・少年たちの微妙な心情が、
繊細に趣深く、または照れを見せながらも面白おかしく描かれる4コマ作品。
最近始まった作品の中でも、かなり注目しておりますもので、今後がとても楽しみです!
●だから美代子です (むんこ 先生)
スペシャルゲスト!
夫を亡くして号泣している美代子さん・・・ でも、亡き夫の言葉は「笑顔が一番」。
そんなところから発生する、笑顔と元気の4コマ作品!
義父母からは「みょー子」さんと呼ばれている美代子さん。
夫亡きあと義父母と暮らしながら、日々をすごす姿が面白おかしく描かれます。
けっこうドジな人で、コケる・ぶつかる・忘れるなどなど、失敗が多いけれども元気に豪快!
そんな様子が勢いになって、楽しませてくれる印象ですね~。
ネタの疾走感とリズム感が抜群で、言葉や情感よりは、勢いが面白味の柱になっています。
そうした意味では、4コマらしい4コマ漫画といえるのかも。
そして何より、「笑顔」がポイントになっているのがよいですね。
泣かずに笑顔。 しんみりさせずに笑いにつなげる。
そんな描かれ方が、楽しさをウマい具合に演出しているように思います。
とはいえ、それを際立たせるのは「泣き」の妙。
泣いてしまうシーンがあってこそ、「笑い」の浮上感が目立つ効果となっています。
などなど、キャラクターや設定にさほど特別なモノがない作品ですが、
笑いを軸にした、元気と楽しさあふれる4コマ漫画。
2号連続ゲスト登場でしたが、さらなるつづきに、期待です!
●ウサマニ (作画:鳥原秋 先生 原作:瀬璃春杜 先生)
3ヵ月連載、最終回!
ウサマート羽ヶ丘店でバイトしている白石こゆりさんと、
店長・宇佐美さん、バイト仲間・銀鏡くんの3人を中心に描かれるコンビニ物語。
最後は、新年早々うかない表情で登場した宇佐美さんの
隠された秘密が明かされるお話でした。
新キャラクターである白馬さんも登場しましたが、彼もなかなか面白い人物(^^;
まだ続けられそうな感じではありますけど、どうでしょうね。
私としては、キャラクターそのものは面白い人たちがそろっているのですが、
彼らの動かし方(とくにこゆりさん)が今一つのように感じてしまい、
そのあたりでインパクトが薄かったかな~・・・と思ってしまいました。
ネタ的にウマく機能していないとでも言うのでしょうかね。 印象にすぎませんけども。
ただ、キャラクター自体は面白いと感じますので、
そのあたりを目立たせて楽しませてくれると、個人的には好感触な作品のように思います。
つづきがあるのであれば、そうしたことに期待したいです!
●野村24時 (板倉梓 先生)
コミックス1巻、発売中~!
野村中也さん、35歳。
親の残した借金により、苦しい生活を強いられていたら、
同僚の雪さんから一緒に住まないかと誘われて、あれよあれよと3姉妹と1つ屋根の下。
そんなおじさんと、3姉妹たちの物語。
今回は、年越し温泉旅行へみんなでGO!
はじめ遠慮していた野村さんも、己にやましさがないことを証明すべく参加とか、面白(^^;
この、3姉妹に対して遠慮して距離を置こうとする35歳野村さんと、
冷淡に対応しているように見えながらも、意外と一緒にいることにこだわる3姉妹の関係が、
ほどよい緊張と緩和のバランスをたもっていて、よい感じですね~。
そして、この回は2本立て!
2本目は、野村さんが1人で出張するお話で、
行き先が樹海の奥ということで、心配・動揺する3姉妹の様子がよかった~。
面と向かってはぞんざいに扱ったり、厳しかったりする3姉妹(とくに上2人)が、
野村さんを気にしている表情や行動から、その優しさと心情を感じられた気がします。
最後の野村さんの一言も、そんな3姉妹の心情を感じたところから、
自然に出ているのが微笑ましいじゃないですか~。 あんまり報われてないけど(^◇^;)
などなど、35歳男性と若き3姉妹の関係に、面白味がある本作品。
私は、3姉妹はもちろんなのですが、野村さん自身のキャラクターがかなり好きなのです。
彼の薄幸ぶりと、そこからにじみ出るくたびれ感が哀愁をただよわせつつも、
3姉妹に対するヘタレながらも紳士な態度に、「男」としての良さを感じてしまうのですね。
そんなところが大きな魅力となっています。
もちろん私はコミックス1巻買いましたし、今後も楽しみな作品です!
今後は、1つ記事で書いていこうかと考えています。
余裕のある時は、このあとに短い感想を書いたりするつもりです。
この号も、アニメ『リコーダーとランドセル』のキャスト・コメントや、
『ういういdays』ケンカの顛末などなど、書きたいことはいろいろありました!