1巻作品4つです。
『ReMember』1巻 (王欣太 先生)
「焼け跡」「闇市」、男の闘い。
時は1945年。戦後の焼け跡に、男は舞い降りた!
記憶を失い、自分を見失っていた男が、イチというゴロツキと出会い、彼に連れられて赴いた闇市にて、己の運命と名を知ることとなる・・・
『蒼天航路』の作者先生による作品は、期待を裏切らぬ熱量で私を引き込んでくれました。
物語は戦後を舞台に、裏社会と関わりを持つ男たちが不思議な因縁によって引き寄せられ、その渦中に放り込まれた主人公は、自らの生きるべき道を進んでゆくことになります。
終盤、主人公の男気にあてられそうになったのは、タマちゃんだけじゃないでしょう。そんな“気”を感じてしまう作品です。
『よいこの黙示録』1巻 (青山景 先生)
「宗教」をつくろう!
4年2組で形成されてゆく、信仰の輪。
中途で教師となった湯島朝子。彼女はある生徒の行動に不審を抱き、彼を探ろうとするのだが、逆にその生徒が主導する「宗教づくり」に巻き込まれてゆくことに・・・という話。
なんとも興味深い作品です。
宗教を興そうとする生徒・伊勢崎による“カリキュラム”は小学生離れした内容で、やや都合よすぎではあるものの、気味悪いくらいじわじわとクラスに浸透してゆきます。その異様さにおののきつつ、何とかそれを食い止めようとする朝子先生・・・頼りないけど。
そんな内容でありますが、物語は始まったばかり。今後どのような展開となるのか、注目です。
『係長 島耕作』1巻 (弘兼憲史 先生)
島耕作の「係長」時代。
「課長」から始まった島耕作の物語は、「部長」「取締役」「常務」「専務」「社長」へとつづき、新入社員時代の「ヤング」「主任編」を経て、ついにここに至りました。
そんな彼の「ヤング」と「課長」をつなぐ時代が描かれます。
島耕作の係長ワークは、仕事関連はもちろんのこと、プライベートや上司などとの人間関係の問題があったりと、いつも通りの「島耕作」で進行してゆきます・・・モテモテやし。
係長という立場の説明は興味深かったですね。あと、時代が1980年代前後ということもあり、そのあたりの空気を感じられるのも面白いかもしれません。それに、かつ子はん・・・
『逆襲のシャア BEYOND THE TIME』1巻
(久織ちまき 先生 シナリオ:本多雅也 先生)
シャア最後の戦い、その記憶・・・
「機動戦士ガンダム」シリーズにおける同名アニメ作品を、ナナイの視点・記憶でつづる物語。
場面はラストシーンから始まり、やがてナナイの過去へと“跳”びます。そして「研究所」での凄惨な生活が始まり・・・
いきなりアニメ版のラストシーンから始まって面くらい、「知らない人には意味不明すぎるな~」と思いつつ、その後ナナイの過去(?)が描かれ始めてから、ようやく落ち着いて話を追えました。
久織先生の繊細な作風は重厚さに欠けますが、その分「女性」視点の描き方としては秀逸と感じます。ナナイのキャラクターに愛着を覚えたりも。今後は、ナナイ視点で見るシャアの姿が描かれるでしょうから、そのあたりが楽しみですね。