小林恵のNY通信

NY在住47年、2011年より東京谷中に居住。創造力をのばすためのエッセンス、スパイスをいれた私の暮らしの手帖です。

「The Gates」 (5)

2005-02-10 12:40:25 | ニューヨーク暮らしの日々

 パークは昨日よりたくさんのゲイトが建てられ、セントラルパークの
起伏のバラエティに改めて感動した。
 行き交う人も”たのしね!”が挨拶になる。クリストを追って世界中
からボランティアで働く律儀なファンたちがいる。
 セントラルパークの見えるホテルルームは既にどこも予約済、メ
ニューもサフラン色のクリームソースを用意しているところもあるとか。
 市では20万ドルの増収を予想している。クリスト・アイテムはすべ
てセントラルパーク管理のために寄付される。

 今夜はモダンアート美術館でReichstagのドキュメンタリーを見た。
ビルディングを布地で覆ったアイデアから交渉が成就するまで24年
間を要した。プロジェクトの規模もさることながら、出来上がるまでの
プロセスそのものがすべてパーフォーマンス。多くのアーチストがや
るように失敗した画を破いたり、書き直したりは出来ない。緻密な技
術的プランニング、巨大な布地工場や大規模な施工、アイデアの大

 働いている人たちもマンモス作品、歴史作りに携わるっていること
に感動したに違いない。ビルディングが建造物でなくなった時、地上
の豆粒に見える群集から大歓声があがった。
同じようにドキュメンタリーが終わると劇場は拍手で沸いた。
アイデアの可能性と多くの人々のチームワークで出来上がるパブリ
ックアートに感動しながら、さわやかな気分で家まで歩いて帰ってきた。