小林恵のNY通信

NY在住47年、2011年より東京谷中に居住。創造力をのばすためのエッセンス、スパイスをいれた私の暮らしの手帖です。

「ダム建造エンジニア・ビーバー」

2007-12-05 11:35:04 | ものつくり

ビーバーを忘れないで!


 
その昔マンハッタンはビーバーの毛皮貿易中心地でインディアン
からビーバーを買い上げていた。
 建築物を眺めながらニューヨークを歩くと古いビルにビーバーのレリ
ーフを見つけることができる。市庁舎のビルの壁、ニューヨークの旗
にもビ-バーが使われている。
 リンカーンが被っていたトップハット、山高帽子は成功者の必需品
で、19世紀にはビ-バーの毛皮産業が繁栄しヨーロッパにも輸出され
ていた。インディアンや初期の入植者たちはビ-バー肉を常食としてい
た。現在は自然保護されるほどだが、頭にきたのはビーバーだろう。

 ビーバーの齧った木々と作ったダム。(写真はウイキペディアより)

 ビ-バーは生まれつきの技術者だ。柳、ポプラ、白樺など直径30セ
ンチぐらいの木の根元を一晩で齧り切る。木を倒し枝を集め夜を徹し
てダムを作る働き者。左右の牙は使わないと頬を貫くそうだ。
 ビーバーの働きによって出来るダム、湖や池、湿地帯はエコーシス
テムに大いに貢献している。
 川の流れをスムースにし、侵食を緩和し、沈殿を少なくする。新しい
ダムを建設し魚や鳥によい環境を作り、地下水を清浄にし、水域を深
くし、流れをもよくし、洪水を防ぎ旱魃も防いでいる。そしてダムが
沈泥でふさがる場合、肥沃なビーバー牧草地が生まれる。

 ビーバーのエンジニア才能にあやかって、NY市立大学、マサチューセ
ッツ工科大学、カリフォルニア工科大学、オレゴン州立大学、トロント
大学など共にビーバーをシンボル マスコットにしている。
 カナダを象徴する国の動物、ビーバーは1976年、モントリオール オ
リンピックのマスコットにもなった。

 カナダの友人トンボが「恵さん、ビーバーダムを見てみたい?」とドラ
イブの途中で言った。「見たい!」というとトンボは彼の背中を提供し
てくれた。

「僕は梯子だよ。背中に乗ってー」 「失礼します。ドッコイショ と!」

ヨッコイショ!           「わー!すごいすごーい!ビーバー
ちゃん、あんたは偉い!もう帽子もつくらないし、食べたりしないから
安心して働いてね-」
                   

  
 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿