小林恵のNY通信

NY在住47年、2011年より東京谷中に居住。創造力をのばすためのエッセンス、スパイスをいれた私の暮らしの手帖です。

1930年代ライフスタイルを変えたニュープロダクト「ベークライト」

2007-12-21 14:23:38 | ものつくり

 似合うものを探す

 ある人は輝く宝石がほしいと思い、ある人は普通のアクセサリーを
自分に似合うようにこなす人もいる。まずい事は高価なものを身につ
けると自分も高価になったと思う錯覚でないだろうか。趣味や意識を
変えていくには、その人のセンスによるけれど、いろんな経験をつん
で自分の「素敵」を磨かねば身につかないようだ。銀細工は金細工
よりもデザインが豊富でよいデザインが沢山あるのはご承知の通り
である。加工が簡単で金よりも安いこともある。

 ベークライトはモールドさえ作れば大量に好きなデザインが出来、
美しい色彩とあいまって、1930年代のファッション界に君臨した。  
 ニューヨークで働いていたベルギーの移民レオ ベークランドは
1907年、化学的に作った樹脂を発明し、時代の先端を切ったアイ
テムとなった。安くて簡単に出来、セルロイドと違って断熱材質でもあ
ったのでラジオケースやランプなどの電気用品にも使われ、美しい色
彩が人気を呼び、ボタンや服飾用品、アクセサリー アイテムに多く
使われた。  
 基はセルロイドやゴムのモールから得たアイデアで、ベークライトで
作られた様々な分野のグッドデザインは1930年代、暮らしのスタイル
を変えた大ヒット商品となった。 当時安かったべークライトのアクセ
サリーは現在、とても高価なコレクターアイテムになっている。
 
特にセンスに溢れたブレスットやブローチ、ネックレスは毎年驚くほ
ど値段が上がっている。
 本物のベークライトか複製のプラスティックかを見極める眼も必要に
なる。 お年寄りが本物の宝石をつけねば可笑しいというのも、ステレ
オタイプ。安物は私には似合わないと決め付けるのもヘンなアイデア
だと思う。
        
ナンシー クナード(Nancy Cunard) 詩人、作家、編集長、出版者。
1930年ファッション界のアイドル。象牙や当時大流行したベークラ
イトの腕輪を腕一杯にしたナンシー。恋人であったマン レイ撮影の
この写真はファッション史に残るもの。


 


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