展示場の一部
「私のエンジェル」原画渡邊良重 ラグ制作:岡本登志子
MIKIMOTO Cultural ExhibitionNews
かぎ針で作る暮らしのアート
フックド・ラグが奏でる、日々の喜び
株式会社ミキモトでは、2014年10月22日(水)~11月11日(火)まで、ミキモト本店6階ミキモトホール(銀座4丁目)にて、
「かぎ針で作る暮らしのアートフックド・ラグが奏でる、日々の喜び」を開催いたします 。
19世紀、アメリカの女性たちは自らの手で「フックド・ラグ」と呼ばれる敷物を作り、隙間風を防ぐとともに家を美しく飾りました。
どこにでもあった穀物袋を芯地に使い古着のウールを細く切り、芯地の下から鈎かぎ針ばりで引き上げて作るリサイクルウール
の「フックド・ラグ」は、ものが少なかった時代のアメリカの倹約精神や開拓精神を映し出すもので、キルトと並ぶアメリカを代表す
るフォークアートです。現在、普通の人々が作ったフックド・ラグが貴重な文化遺産としてメトロポリタン美術館やシェルバーン美 術
館などにも保存されています。
本展では、日米間の草の根カルチャーを紹介する活動を長年行っているライフスタイルジャーナリスト・小林恵氏の企画、指導に
より、伝統的なアメリカンフォークアートのデザインを始め、有元利夫氏の「夜のカーテン」や渡邉良重氏の「わたしのエンジュエル」
など日本を代表するアーティストのデザイン、小学生が描いた絵、「生命の樹」をテーマに制作された作品など約60点を展示いたし
ます。温かく、ユニークでどこか懐かしい、暮らしのアート「フックド・ラグ」をご覧ください。
【記】
日時:2014年10月22日(水)~11月11日(火)11:00~19:00
場所:ミキモト中央区銀座4-5-5 Tel03-3535-4611
主催:株式会社ミキモト
協力:一般社団法人日本フックド・ラグ協会 ・トヨタ自動車株式会社
後援:アメリカ大使館
バラのポスターサイズのラグです。見る人を微笑ませる美しいバラです。制作者は大津律子さん。
少し元気のなくなったお母さんを勇気づけるために 「私と一緒にフックド・ラグ作りをはじめませんか?お月謝は私からのプレゼントです」
と出かけるのが嫌になった藤沢に住む母親を誘い、母娘でクラスに参加したのはちょうど1年半前のことでした。
作っていくうちにフックされたのか、みるみる明るくなっていきました。作ったのは19世紀の針ブックの絵を参考にしました。当時縫い針は大切なものでしたので針は大切に扱い小さなブックスタイルの表紙カバーの中におさまっていました。針ブックはとても時代を感じさせる楽しいデザイン画が多く当時の暮らしの文化の一端を忍ばせるチャーミングなものです。
このアイデアから律子さんが作ったラグは「バラ色の人生」と題名をつけると顔がバラ色に輝いたのです。本当の話です。教えるほうも作る方もハッピーになれるラグ作りとはこのことです。
バラに限らず皆さんが作ったラグをそう思ったことを確信します。娘さんの大久保史子さんはお母さんを励ます言葉のアメリカンポスターでお互いに勇気づけあいました。
「親切な言葉は蜂蜜のように心に甘く体も元気になる」 というアメリカの諺の一つです。玄関にまたは部屋にこのようなラグが敷いてあれば、家族とも訪問者とも暮らしを豊かにするメッセージを分かち合え、家もあかるくなりますね。
縫い針袋のブックカバーです ポスターサイズのきれいなラグに出来上がりました 大久保史子さん制作のポスターサイズのラグです。
ポスターサイズのラグ61枚が銀座ミキモトの6階ホールで10月22日~11月11日まで展示されますので、ぜひ見にいらしてくださいね。会期中無休 11時~19時まで。入場無料。
時代を作るには長い月日がかかる。
何かをしようと志す人には誰でも長い間寂しい日々が続きます。寂しいと思っていなくても目的があれば細い道を歩き続けられます。
人は知らないものに反応を持ちません。自分が素晴らしいと思っていてもそのものが語りだすまでなかなか伝わらないものです。
火がついてもパっと燃え上って消えてしまう物もありますが、消しても、踏んでもまた燃え上がる火元でなければ伝承するのは易しいことでもなさそうです。
私は人間の持つ人間力に感動したり、コミュニケイションの大切さ、巡り合いの不思議さを思うとき、誰の心にも神様が宿っているような気になります。
自分の知らないものを疎んじる、誰かがよいと言えばよいと思う有名を崇める有名社会では、私たち普通の人間には一歩一歩やる、やれば出来ると信じるのが
自分で自分を作り出す人間力だと思います。
2011年秋のことです。砂浜美術館のキルト展の審査でとても考えさせられることが起きました。キルターでなくとも誰でも驚くような稚拙な花火のキルト、2枚綴りが展示されました。
布地を切りっぱなしで1センチ位の大きな縫い目で回りを縫い、中心にはテルテル坊主の時に作る頭を寄せ合ってくっつけてあります。
こころをこめて一生懸命キルティングしたキルトは努力だけでもそれなりの尊敬できる価値があります。ぶつぶつ縫いは美しくてもダメか。悩みました。
大賞はあげれないけれど、表現賞は上げたいと思いました。2011年、震災の数年前の年だと思います。ダイビングからウエットスーツで展示を見ていた方が、つぶやきました。
「私も作ってみたいなー」と。 「アラ誰でもできるのよ」というと 「私針も持ったことないのです!」 「大丈夫。誰でもやればできるのよ!」 「え?ほんとうですか?」という短い会話をしたのを
覚えています。
私はキルトを展示してある畦道をはなれ、ラッキョウの花畑を超え遠くからキルトを眺めてみました。70年代地域に分配された町作りの分配金で美しいドライブウエイを整備し、ここには「美術館はありません。美しい砂浜の自然が砂浜美術館です」というコンセプトで誕生したというドライブウエイからキルトを眺めると、一番目立ったのは花火のキルトでした。 ー遠方から眺めてみるー 膝の上で作らずビジョンを持つことの大切さを学びました。
数年がたち、ミキモトでのフックド・ラグ展が近づきました。ポスターサイズのラグ60枚の展示です。この花火のインパクトが忘れられず、ポスターサイズのラグの下絵をたくさん作り花火も入れました。好きなデザインをくじ引きで生徒が選択しました、その結果、福田節子さんが2枚続きのこの花火のデザインを選びました。1枚でも大変と思いますから初めから2枚続きに挑戦したのをとても嬉しく思いました。いろいろな思いをを結ぶ素敵な感動的ラグを福田節子さんが丁寧に作ってくれました。
最近の調査で花火のキルトを教えたの松木由子さん。3月11日の震災のショックを受けた大方高校生と一緒に夜空に大きな花火をあげて慰めたいという気持ちで作ったそうです。現在松木さんは砂像アーチストとして活躍中です。繋がりの楽しさ、不思議さを感じますね。皆で元気を分かち合いたいと思います。
花火のフックド・ラグ制作: 福田節子
お知らせ
かぎ針で作る暮らしのアート MIKIMOTO Cultural Exhibition News フックド・ラグが奏でる、日々の喜び
日時:2014年10月22日(水)~11月11日(火) 11.00~19.00
場所:ミキモト本店 6階ミキモトホール 中央区銀座4-5-5 ℡:03-3535-4611
主催:株式会社ミキモト 協力:一般社団法人日本フックド・ラグ協会: トヨタ
*入場無料・開催中無休
私のわたしチャン:可愛いの遷り変わり
2013年、so-enに実物大型紙付のユニークな人形が掲載された。作者は皆川明さん。
禿げ頭。ほんの少し残った髪の毛を大切にのばしているのこれから作ろうという人形ではかつてないアイデアだ。
片足も少しはずれ。イケメンでない人形がなぜかとても可愛い。「この人形可愛いわねー」とページを渡すと山下和子さんは早速作ってプレゼントしてくれた。
我が家の一員になった”私ちゃん”早速いろいろの場所にに飾られることになった。
我が家に”私ちゃん”の登場ラララ・・・ 家中の何処にいてもいいよ ここもいいわね 100年以上年上だけれど弟と一緒 ヘアースタイルを変えると・・ ビキニ水爆スタイル、流行
にさきがけて
ウン!なかなかなもん アメリカの鳥ちゃんとも仲良し ガラスのキューピーちゃんとも仲良くしようね 私ちゃんのプリントと19c.のスペイン陶器とマッチしていてここもい場所ねー
山下和子さんは仲間と一緒に私ちゃんを誕生させた 私ちゃんのラグデザインをこんな風にしたいなーと思っていると山下和子さんは早速「わたしの家族の”私ちゃん”」ラグをお見事に完成した。
髪の毛もちゃんと遺伝しているわね。
フックドラグはやる気があれば誰でもつくれ、なんでもデザインになるの。デザインをしたことがないし、私できるかしらと心配した人も見事なラグを完成させます。やればできると言うことです。下手にできても、見る人も、作る人もなぜかいとおしくなります。テクニックはローテック。かぎ針とウドン状に細く切ったウールを荒織り芯地の下からひきあげ、裏はランニングステッチで埋めていくだけ。
”フックする”とはかぎ針で引き上げるという意味で、コツを会得すれば、デザインはあなたらしくそのままでいいんです。これではどうだ!と気張らないのが皆の心を温めます。ここがキルトと違う点です。
キルトは経験年数が証明のようになっていますね。確かに経験年数が多いと尊敬できる匠の世界に到達していますね。キルト作りは正確に完成させネバならないことです。
しかし、両方ともフォークアートです。自分らしく楽しく作れ、自分発見をしていければいですね。髪の毛が少なくても、手足の長さが違っても、イケメンでなくとも可愛いと思うのと同じことなの。感じたまま、そのままが素敵です。”手にハートを”の世界です。自分の世界を創作し暮しを楽しみましょう。
お知らせ:
かぎ針でつくる暮らしのアート
フックド・ラグが奏でる、日々の喜び・ フックド・ラグ展
日時 2014年10月22日(水)~11月11日(火) 11.00~19.00 開催中無休
場所 ミキモト本店 6階ミキモトホール 中央区銀座4-5-5
展示枚数 ポスターサイズ ラグ 60点
主催 株式会社ミキモト
入場無料
協力 株)トヨタ: 一般社団法人日本フックド・ラグ協会:
*フックド・ラグをもっと知りたい方へ: 暮らしの手帖60号と61号を参照してください。または小林恵著 「アメリカンフックド・ラグ」主婦と生活社 2002年
フックド、ラグって、それなーに?
「恵さん、ドラッグ何とかと言うもの教えているんだって?」と聞かれたこともあり驚きました。
キルトも初めの頃、キルトってなんですかと何度聞かれたことでしょうか。日本的にキルトといってもアメリカ人には通じませんでしたが今はquiltと言えなくともアメリカ人のほうが日本語のキルトになれているほどです。
Hookedのフも日本人には易しくありませんし、Rugのラも”え?”と聞き直されることでしょう。しかし手が物言う’手にはーとを’の世界です。通じなくとも構いません。
誰も知らないものを理解していただくのは難儀なことです。「アメリカンパンチワークキルト事典」小林恵著 (文化出版局)1982年、出版以来日本には600万人のキルターがいるといわれています。
公共放送でキルトを宣伝してくれているのは世界でもユニークなことですが、女性たちに職業を開放していることは同慶の至りです。
フックド・ラグはキルトと同じようにアメリカの社会現象を起こしたほどたくさん作られましたが、キルトは結婚や贈呈用にも作られもしましたが、ラグはよそ行き用に保存されたものが少なく、消耗されてしまいました。
残っている状態の良いラグはキルトよりもぐんと高価で、何十万ドルでオークションで落札されます。キルトより個性的で絵画的に楽しむこともできる理由です。キルトのようにキチンと作らないと幾何学模様が正確に連続模様にならないというルールもありません。下手にできてもチャーミングです。
フォークアートとは専門にアートの訓練や教育を受けなかった人たちが作ったものです。アートとは何か。アメリカのお父さんが息子に教えた「人をハッピーにさせるもの」との答えはまさしく正解です。
私は教える時テキストを好きなようにあなたらしく自由に表現してくださいと渡します。全生徒の作品は全部違ったものができるのは、新しい発見で本当に楽しいことです。
長い間リーダーとして世界中の橋を作り、最後の浸水式のラグを引退してから作った唯一の男性の生徒だった私の生徒の一人は、「50年間の結婚を記念したラグと心を籠めて作った最後の船の進水式のラグを作れたことは、ことのほか私の人生の喜びでした」と。
船を作った部下の人々、男泣きに泣いた最後の進水式がラグになりアメリカの美術館でも展示されました。
2度目のアメリカでのオープニングのあいさつでこの話をすると列席者から拍手が沸き起こりました。ラグの作者がいなくなった今、ラグはいつまでも人々の心に残り、感動させてくれます。
4点とも京都からいらっしゃる平野陽子さんの最初のチェアマットの作品です。クラスのすべての人の作品提出を待っていましたが、そろいましたら是非見てください。それぞれの個性に驚くことでしょう。
* 手にハート:小林恵のラグフッキングキング谷中スクール
* お知らせ:アメリカンフックド・ラグの初級クラス募集 *
2014年1月より6月まで。毎月末1度、最後の火曜日
場所:JR&千代田線、舎人駅、西日暮駅より徒歩5分。日暮里駅より7分。
問い合わせ:keikobayashiny@gmail.com ℡・(03)6670-8019
参考書/小林恵著 「アメリカンフックド・ラグ」2002年 主婦と生活社
Ⅶ
歴史が大切な理由
生まれつきなんでもうまい人がいますが、アメリカでラグやキルトを作ったときは、本もなく学校も先生もいませんでした。
どうして作るか考えながら、なんとかして家に花を添えるように楽しくしたくて、ありあわせのリサイクル布でフックド・ラグも作られました。
デザインスクールもなく、デザインは自分のアイデアを暮らしのまわりから取り入れました。
子供が絵を描くように、ナイーブペイントのように無名の人たちが暮らしの中で感じたものをデザインしたので、見るものの心に作者の暮らしの詩が聞こえてくるようです。
ウエスターン映画でご存じのように、馬とアメリカ人は密接な関係です。西部移動も馬なしには考えられません。力のパワーもホースパワー、馬力が基準でした。
馬が車に代わった今は想像しがたいことですが、アメリカの暮らしの夢でした。家を建て、花を植え、馬小屋がある。家の中にはその暮らしの夢をデザインしたラグが各部屋にありました。
上のラグはアミシュのラグです。下絵が印刷されたものです。アミシュの人たちはキルトでご存じの通り、「これはどうだ!}と見せびらかしのデザインはご法度でした。しかし、キルトのデザインだけは素晴らしい独自のデザインが発展しましたが、お化粧をしたり家の周りを見せるために美しい花壇を作ることもありません。家具も質素です。現代ごく最近になって仕事のための車は許されますが近代的「もの」を否定して暮らしていますから馬は彼らの暮らしの一部です。競馬もなく、ホースバックライディングのレジャーもありません。
キルト歴何年、ラグ歴何年などの単位が表現の上手さ?と関係ないことがお分かりになりますか?
誰でもできる、創造性ある個性こそがアンリカン フォークアートのエッセンスなのです。
そして自分の手で作る出すものは、精神的自立につながっていきます。
恵
フックド・ラグのこともっと知ってほしい。
絶版になった「アメリカンフックド・ラグ」主婦と生活社 2002年の本がネットで紀伊国屋が2万円になり最近在庫なしになった。
2009年、ミキモトで開催された第3回日米フックド・ラグ展は5,000人の入場者があり、一時は和光の角まで列ができたほどだった。
”このご時世に展覧会の列ができるなんて” とミキモトからも感謝されたのは自分でいうのは僭越だが企画、プロヂューサーとして嬉しいことであった。参加者、制作者、多くの皆さんの協力のおかげと感謝している。
なぜフックド・ラグが面白いのか。アメリカに47年も住んでもっとも感動したことは社会現象を起こした手創り、キルトとフックド・ラグであった。
両方とも繊維であったこと、そして作った動機は家を美しくしたいという素朴な願望であった。
教えるところもなく、出版物もほとんどなかった19世紀の初めからお互いに影響を受けながら必要を満たしていった普通の人々の創作力に感動した。ただ作っただけでなくデザインがナイーブペインティングのように楽しい。
ラグのデザインには ”かわいい!発想がいい!” と素直なデザインに驚かされる。 技巧的でなく微笑ましい。
アートとは何か。アートとは人をハッピーにさせるものだ。評論家が定義し、”これこそがアートだ” と押し戴くのはもうやめよう。
なんでもデザインになる。誰でも作れる。恐れず素直に実行しているのがいい。
鳥のデザイン
この後どんどんラグのサンプルを掲載します。
作って見たい方はホームスパンで小林恵のラグスクール初級と中級(月1回)が7月から始まります。
お問い合わせはホームスパン原恵子:℡070-6642-6416にお問い合わせください。
アメリカン フックド・ラグを作ってみたい方へ
ラグのいろいろ
作りたいもの自由に作れるようになります。
意思を表現・
優しいハズは愛しているけれど彼の親類はいただけないわ。 卵の上を歩くようにすれば私を好いてくれるのね。
日米ラグ展にも参加したリンダ フリードマン シュミッツはお父さんがナチ収容所ですごし、「子供時代の囚人」を発表しました。
ミキモトの展示でみた方も、あるいは 朝日新聞にも出ましたからご存じの方もいるでしょう。
リンダの悩みは破壊された父親の精神との戦いでした。右は「耳をふさぐことね」と彼女の精神的葛藤をラグに表現しています.
ニューヨーク フォークアート美術館で展示されました。 左:「オオカミは嫌い。 (父親とのトラブルです)
ニューヨークフォークアート美術館のシンボル、天使がラッパを吹いています。「あなた、アメリカ人の発明の才能をしっている? 私はやられているわ」
フォークアート美術館で展示したラグ。アメリカの旗のカーテンと 日本の旗。中心は自分の手に ハートとニューイングランドの友情のシンボル、どんぐり。
ラグをやり始めたころの私の作。
上記で見るようにラグは実用だけでなく、自分を表明できるツールになります。美しいデザインにとどまらず自分の意思を表現できる声なきパワフルな発言ともなります。
ここが私の強調したいラグ作りのおもしろさなのです。手創りの中に、作者のアイデアばかりでなく言葉も社会背景すらも書き込めます。
初めからは難しいかもしれませんが上手下手の評価より、美しくつくるより、自分らしいものを作れること、ここがアメリカンフックド・ラグの素晴らしいポイントなのです。!
そして時代を、自分を、フクックしてみましょう!
小林恵のラグスクール
2013年度 スケジュール
入門クラス…1月~6月まで 毎月1回 午前(A)と午後(B)の2クラス 内容は同一
*7月よりは再び初級と、入門クラスを終えた方のみ中級クラスを開講します。
日程:(A)午前クラス
1月30日水曜日 10時半~12時半
2月27日水曜日 同
3月27日水曜日 同
4月24日水曜日 同
5月29日水曜日 同
6月26日水曜日 同
(B)午後クラス
1月30日水曜日 2時~4時
2月27日水曜日 同
3月27日水曜日 同
4月24日水曜日 同
5月29日水曜日 同
6月26日水曜日 同
定員:午前、午後クラスとも18名
お問い合わせ:ホームスパン/℡:03-5738-3310 担当・原、稲船、貴山: e-mail: office@homspun.com
又はkeikobayashi@gmail.com に連絡ください。
授業内容:用意されているキットで鉤針の使い方、フックの仕方、を徹底的に学びます。
参加したい方はクラスの前に小林恵著「アメリカンフックド・ラグ」をお読みいただけましたら参考になり
理解が早いかと思います。(本:ホームスパン扱い)
ラグの歴史の背景やデザインの仕方などラグ制作に必要なコツのコツを提供します。
11月24日刊行の『暮しの手帖』61号に掲載されているアメリカン・フックド・ラグの展示会を開きます。
ぜひ、お出かけください。
アメリカン・フックド・ラグと暮しの手帖」展
日時:12月5日(水)~12月30日(日)
11:30~20:00(最終日17:00まで)
場所:かぐれ表参道
渋谷区神宮前4-25-12 MICO神宮前
お問い合わせ先:03-5414-5737
HP:http://www.kagure.jp
トークイベントは定員に達したため、ご応募を締め切らせて頂きました。
たくさんのご応募ありがとうございました。
上田恵美子 福田節子 安斉栄子 福田美津江 大内久美子 西山恵理子 小林和子 稲船佳世子 貴山宏美 原恵子
小林恵 貴山征美 橋本裕子 川上晴美 村田春美 真弓淳 星野弓子 (花森安治デザイン:17点すべてポスターサイズです)
小林恵からのメッセージ
ご自分のメッセージを守り続けた花森安治さん。生誕100年を記念して暮らしの手帖社から表紙デザイン集が出版され、美術館でも展示されました。
フックドラグを作ったら楽しそうなデザインが沢山ありました。
”やってみたい”と目を輝かせた人たちの参加作品です。出来上がった喜びは作った人たちの誇りになりました。やればできることを皆さんと共有し、みなさんへのメッセージにしたいと思います。
小林恵
(写真は雨の日にメモとして撮ったものです。実物はもっと素敵ですので「暮らしの手帖」61号、または「かぐれ」での展示をご覧ください)
No.3 US/Japan Rug Hooking Exhibition
第3回日米フックド・ラグ展
展覧会後のコメント(続)
小林恵
平和・ストライプで手をつなごう
中心は現在の混沌とした泣いている地球。ストライプは手をつなぎ
合って地球を救っていこうというメッセージのつもりですが通じている
か、どうでしょうか。 今回の日米展はパブリックとアイデアを分かち
合うという展覧会の解釈が契約にもかかわらず、アメリカ側の担当者
は個人的解釈で、苦労をしましたが、インディアナの展示場はインデ
ィアナ美術館のキューレーターが展示をしてくださり、専門的でした。
企画の段階でレベルを読めないと展示は成功しないと思います。目的
が同じでないと、限りなく問題が起こります。しかし、素晴らしい展覧会
はたくさんの人々協力で実現し、成功裡に終了し、参加した作者たち
から続けていきたいとの声をきき、とてもうれしく思っています。
ーなぜ私は展覧会をしたいのか?ー
日本はアメリカのより社会システムが遅れていて、人間は独立して
初めて社会参加できるという概念がありません。子育てが終わっても、
まだまだ夫の収入に依存している女性たちが多いようです。仕事がな
いということも理由でしょうが、危機感がないと自分を見失うことにもな
ります。その上何をしてよいかも分からなくなり、素晴らしい能力も活用
出来なくなります。誰でも自分はいったい何だろうと悩むことがあると思
います。出来ることを実行してみる。自分らしさを自分で確認してみる。
例えそれがラグ作りであろうとも。世界の人と分かち合いアイデアや素
晴しい創作を影響し合えるのです。たかがボロの様なラグかもしれませ
が、自分で創作出来るようになると、どんどん成長して社会を動かすこ
とだってできるのです。
女性の手作りはともするとミデアをぐうじっている男性たちからは「女
の手作りはどうも我々男性には分かりません・・・」とはっきり言って見縊
られています。しかしそれで儲かるとなると男性は垣根を飛び越え躍起
になる世界です。男性の欠点を云っているのではなくて女性の意識の
問題と考えましょう。 ファインアートを評価し、名のない人のフォークア
ートが評価されないのはおかしいことだとおもいませんか?
何事もあらゆる分野で市民権を得て、公平に評価されるべきだと信じ
やみません。日本では本当のレベルを見極めれないので残念ながらす
ぐ肩書に走りがちです。良いものは良いと評価出来る審美眼を各自が
持つことが、大切な自立につながります。参加することから、また作って
みて、人からの評価も享受して能力が磨かれていきます。 アメリカから
は、どうして日米展に処女作を出すのかと何度も聞かれました。
[良いからです」と答えます。経験があれば必ず巧いことではないことを
この展覧会からおわかりになると思います。展覧会の成功は心を打った、
それを試みたあなたらしさへの評価です。嬉しい嬉しい展覧会でした。
みなさん本当に有難うございました。
注)ラグ展示後のコメントは参加作者たちからの任意投稿です。続きはアルファベット順
になりませんがあしからずご了承ください。
写真:高橋仁巳
小林恵のラグ教室:お問合わせ: ホームスパン ℡:03-5838-3313
ミキモトアカデミー 「アメリカン・フックド・ラグを作る」
5月19日・6月2日。6月23日 お問合わせ: ミキモトアカデミー事務局
フリーダイヤル:0120-461176
No3: US/JAPAN Rug Hooking Exhibition
日本参加者のラグコメント
伊藤恵子
もったいない
アメリカのラグはいろいろなアイデアや工夫がされていて、見ていて
すごく楽しい気分になりました。アメリカのラグはいろいろな素材が利
用されていたのに比べ、日本のラグは同じ素材で作っていたので、す
ごく綺麗に仕上がっていて、全体的に落ち着いた感じがしました。
2005年の展覧会をみて、「私のラグもいつか展示されたらどんなに
楽しいだろうなぁ~」と思っていたので、本当に参加することができ、
夢が実現しました。
ラグを愛する方々と心がつながって楽しい時間を共有できて、とても
幸せでした。
展覧会の関係者の方々には感謝の気持ちでいっぱいです。
自分にとって、自分が生きた足跡、歴史みたいにしていきたいなぁ~
と思っています。日々、感じたことや思いなどをたくさんラグにこめて、
会うこともなかった孫やひ孫が、ラグをみて「こんなおばあちゃんがい
たんだねぇ~」と懐かしんでもらえ、温かい気持ちが伝わるといいなぁ~
と思っています。毎日毎日が、なんとなく過ぎていってしまいそうですが、
一つでもお気に入りのラグが完成してたくさんのラグの画像を先生に
送れるようにがんばりたいと思っています。
これからもよろしくお願いいたします。
井上美沙
四葉のクローバー
アメリカのラグはイロイロな素材を使ってあるのに驚きました!
ウールだけでなく何でも使えるんだと感心しました。アメリカのラグも
だけど、デザインが皆さん素敵でした。それぞれのストライプが面白
かった。 いらなくなった布を再利用して日常で使えるモノを作って身
近にラグを感じられたらいいなぁ~と思っています。
藤村奈保子
春の川面
「あれは、確か2008年のはじめのことだったと思います。
笹塚の喫茶店で恵さんとお会いし、久しぶりの再会を喜びあった後、
恵さんは目をきらきらさせて言いました。「ラグの日米展をやろうと思
うのよ」。その時私がどんな事を答えたのか覚えていないのですが、
恵さんのきらきらした目が印象的で、直感的に「ああ、恵さんはきっと
実現されることだろう」と思いました。
私が、全くの初心者にも関わらず、恵さんに誘われるままに思わず
「参加します」と答えてしまったのも、あの恵さんの”目力”に動かされ
てしまったからなのだと思います。その後、「超」が付く不器用な私は、
自分の軽率さをものすごーく後悔することになりますが、恵さんの叱
咤激励を受け、先輩たちの温かい助けを受けながら、その年の秋、
なんとか初めてのラグを仕上げることができました。
今、アメリカから戻り、自宅の居間の壁におさまった、自作のラグを
眺めながら、あの時の恵さんの目の輝きの意味が少しわかったよう
に思います。それは、「自分の手を動かして、ものを作り上げることの
喜び」を知っている人の目だったのだと。
拙いながら、一枚のラグを織り上げることのできた私も、少しは恵
さんの輝く目を手に入れられたのだろうか、と思うのです。
今回ラグ作りを通して恵さんから教えていただいた、「ものを作り上
げる喜び」や、「ものに思いを込め、人に伝える」あり方は、現在の私
に与えられたミッションである「番組づくり」にもつながるものとして、
生かして行きたいと思っています。
河合香都子
商品宣伝用掛け
アメリカのラグデザインの発想がすばらしい。大自然のこと、日常
のことあっと目を引くものがたくさんあった。配色もきれいだ。
日本のラグは私を含めてデザインは平凡なものが多かった。色彩的
にも暗い感じが多かった。
フックの仕方は、日本人独特の繊細さが出ていたような気がする。
天下のミキモト3箇所、玉川高島屋、アメリカへ自分の作品がこん
なにたくさんのところで展示されることは一生ないと思う。恵先生のお
陰です。とても嬉しかった。友達もたくさんみにきてくれ、鼻高々でした。
感謝です。歩けなくなっても、一生の趣味として続けて行きたいです。
もっともっと、ラグが普及するように、協力していきます。
よろしくお願い致します。
小林和子
北斎の驚き
アメリカ側は堂々と自己主張していて、さすがと思いました。
殆どの作者は先生クラスの経験者たちだと聞きました。
日米交換展はいろいろの事を学ばせていただき、素晴らしい。
経験になったと喜んでいます。日本側のラグもなかなかなものでした。
私は大好きな北斎の「神奈川沖浪」を3Dメガネで見てみましたら、こ
ういう画風にまりました。実は切り紙で自由に部分を作り、置き直して
みると北斎らしくもあり、私らしくにもなりました。多分北斎も驚いたこ
とでしょう。離れてみても北斎風になっています。
タイトルは「あ!北斎」で、銘は 「AHOKUSAI」としました。
「あ、北斎だ」と思ってくれても良いし、英字で書くと「アホくさい」
ユーモアもうまれました。多分北斎も笑ってくれることでしょう。
恵から好きなようにするのが一番と言われたことで自信がつきました。
「ああ!北斎か」とアメリカ人も喜んでくれたと聞いて安心しています。
影響をたくさん残してくれた素晴らしく、誇り高い第3回日米フックド・
ラグの交換展でした。 生きている限り作り続けるつもりです。
山根基世
私の猫ちゃん
私がフックドラグを作ることになったのは、小林恵さんの勧めがあっ
たから。恵さんは私の敬愛する「人生の先輩」で、その生き方に深い
共感を覚えている。彼女とのつきあいは、かれこれ四半世紀以上に
及ぶ。最初は私が担当していた番組の中で小林恵さんがプロデュー
スした「アメリカンキルト」の展覧会を紹介するためにお会いした。
彼女のアメリカンキルトへの深い理解や愛情は、私の胸を打ち、視
聴者にもその思いは伝わったと思う。彼女がデザイナーから日米文
化比較研究者へと変身していく上での重要な意味を持つが、アメリカ
ンキルト研究であり、その著書は全米の図書館に納められている。
そんな小林恵さんが、アメリカンキルトと訣別する。アメリカ開拓時代
の女性たちが家族を愛し、日々の暮らしを美しくしようと心を込めて
作った「キルトの心」を伝えようとしたのに、日本ではなぜか恵さんの
意図とは違う方向にキルトが進み、本来の精神が見失われているよ
うに感じられたからだ。そこで次に小林恵さんのプロジェクトは、キル
トと同じにつくられたフックドラグ。アメリカンキルトと同じく、開拓民た
ちの暮らしぶりや、創造性を象徴するクラフトで、原点に戻るもの作り
精神の入れ直しをしたいという。
小林恵という人は、人がまだ気づかないことに最初に手をつける。
あまりにポピュラーになりすぎ、方向が変わってくると、すぐに嫌気が
さして次の対象へと移っていく。このあたり、進取の気性に富むとい
える。常に他の人がやらない新しいことに挑戦する、真のアーティスト
だともいえよう。
私は何年も前からフックドラグをやるように勧められていた。下手
でもいいのよ、作ることに意味があるのよ、手で何かを作り出すって
すばらしい事よ、あなたのような忙しい人が作ることは多くの人の希
望になるわ・・・と。少しずつ心を動かされ、古い布を同じ幅に切る器
械(うどん製造器と呼ぶ)は購入しておいた。だが、NHKの現役アナ
ウンサーの間は、なかなか時間がとれなかった。定年退職し、やっと
こさっとこゆとりができたところで、改めて恵 さんから、展覧会を開く
ので出展してみないかとのお誘い。「作って見よう」という気持ちにな
った。図案を考え、古いセーターやウールのスーツなど解体し、うどん
製造器で細い紐にしながら図案のどのあたりをどの色にして、どう組
み合わせようかと考える楽しさ。 毎日のちょっとだけ空いた時間に、
少しずつ作業を進めて、だんだんできあがっていく嬉しさ。
ながーい髭のかわいいネコの姿ができあがった。 完成したときには
「ヤッタ!」という、大いなる達成感があった。ボコボコの荒い目で、
見るからに不器用な、まことに粗雑で下手な作品だが、私の処女作!
愛着はひとしおだ。
上手下手は関係ないのよと言っていたその口で、小林恵さんは、私
の作品を基礎のできていないラグだと言ってガッカリした様子だったが、
そんなの何のその。私は、わが処女作ラグの、このかわいいネコちゃ
んを生涯の宝として大切にするつもりだ。作ってみて思うのは、本当
に上手下手はたいした問題ではないということ。プロになろうというの
ならともかく。勿論上手に作れればもっと楽しいのだろうが、ただ作る、
それだけで十分楽しめる。できあがるまでの過程が心躍る時間になる。
手を動かすことで、何らかのモノが生み出されていく時、何か「確かな
もの」を手でつかみ取るような実感がある。それは、とても心を安らが
せてくれる感覚だ。
日本を代表する彫刻家・佐藤忠良の話では、戦後シベリアに抑留さ
れていたとき、極寒の食べ物もない希望のない暮らしの中で、多くの
人が手近な材料で何かを作り始めたそうだ。たとえば白樺の木切れで、
お椀やスプーンや、タバコのパイプを作ったり・・・。
夜、ペチカの前で、背を丸め、黙々と手を動かすその姿は、「俺は生
きているのだぞ」という無言の叫びのように感じられたという。
「人間というのは、自分が人間であることを主張せずにはいられな
くなったとき、触覚に身体や心をゆだねながらものを作り出すのかも
しれない」とも佐藤は書いている。
「手でモノを作り出すってすばらしいことよ」という小林恵さんのことば
は、確かな真実なのだと思う。
写真撮影:高橋仁巳
小林恵のラグ教室:お問いあわせ ホームスパン
℡:03-5738-3318
hara@homspun.com
ミキモト アカデミー:「アメリカン・フックド・ラグを作る」
5月19日、6月2日、6月23日
お問い合わせ: フリーダイアル:0120-461176
http://ginza2.mikimoto.com/5f/
No.3: US/JAPAN Rug Hooking Exhibition
アメリカ参加者のラグコメント
Marilyn Bottjer マリリン ボッチャー
眞夜中の宇宙トレール
日米交換フックド・ラグ展には3回とも参加し、2回日本にいくことが出
来ました。人生には思わぬことが起き、やり続けること、参加することの
素晴らしさに感謝しています。日米展示ともに素晴らしく、アメリカでも多
くの人たちにメッセージを贈りりました。ありがとうございました。
June Chapman ジューン チャップマン
喉の渇いたブルテリア
私のラグ歴は浅いのに日米フックド・ラグ展に参加できたことは忘れ
られない光栄なことでした。創作することが人生をこれほど豊かにし、
みなさんからも学び、チャレンジしていけることを幸せに思います。
アメリカの伝統であるラグ作りが、小林恵さんの御蔭で交換でき、世
界が広がり、更に新しい分野に挑戦していきたいと思っています。
足を骨折したためアメリカの展覧会を見ることができませんでしたが
美しいブロッシュアを頂き楽しんでいます。アメリカ人と日本人が同じ
動機で創作し、自己表現していることがとても嬉しく励みになりました。
Barbara Held バーバラ ヘールド
代え難い喜び
展覧会が成功であったことをとてもうれしく思っています。
作りながら本当に楽しんだラグです。実は私の息子の一人が赤い太
陽をバックに使用するすることを提案してくれ日本の国旗になりました。
世界中が共有するストライプのバーコードを加え、ユニバーサルメッセ
ージを分かち合えると思いました。結果は今まで作ったこともなかった
効果的なデザインが出来ました。
日本のラグは世界に通じるアートフォームで初めて作った人がいる
作品とは信じがたい作品です。特に色彩豊かなアブストラクトなデザ
インが好きです。素晴らしいラグ作家がいて、私も参加出来ましたこ
とを光栄に思っています。
Tracy Jamar トレーシー ジェーマー
まじ会う海流
私はいつもグループショーに参加してラグ作ることが好きです。
好きなデザインを作れるばかりでなく、みなさんが同じようなチャレン
ジをすることから啓発されるからです。
違う国ー日本の作家たちととストライプの展覧会をすることはもつと
魅力のあることでした。二つの国のたくさんのデザインの説明は同じ
様でもあり、違いもあり、本当に素晴らしいと思いました。個人のデザ
イン能力範囲は個人的なものですが、日米両国の間でそれぞれの違
った個性、考え方を表現することは相互理解に役立ちました。
それぞれの個性はとても興味あるものでした。しかしすべての点で
結果が素晴らしかったのは二つの文化が一緒に興味を持って展示さ
れ合体された結果だと思います。
Alice Rudell アリス ルッデル
すずき
日米ラグ展に再度参加出来たことをとても嬉しく思います。ラグフッ
キングはアメリカのフォークアートですが、日本人のラグには幾何学
模様や強烈な自己主張があり、自分らしを強調していることに多くの
事を学ばされました。そしていつも思うのですが両国の展示が一緒に
見れることは貴重なことですし、人に会うこともすばらしく経験を豊かに
してくれています。
Linda Shmidts リンダ シュミッツ
子供時代の囚人
日米ラグ展に参加出来、違う国の人たちと分かちあえたこと、人種、
宗教、性別、どこの国というのでなく、つなぎあえる機会をとても嬉しく
思います。人間としてヒューマニティを分かち合うコネクションや理解
出来ることは最も重要なことだと思います。
すぐれたクラフトマンシップで作られた日本のラグは美しいです。
時間を無視し、ハートをこめて作られたアメリカンラグの価値さながら、
日本のラグも誇り高く、ハートがこめられ、展示は注意深くメッセージ
の焦点が決められていました。
私のラグも参加させていただき感謝しています。
、
Rosario Villanvicencio ロザリオ ヴィランヴィセンシオ
てっぺんにおいで
”ストライプの展示に参加させていただき、アメリカの作者たちにも
会え、とりわけ日本の作者数人にもお目に掛かることが出来たこと
を光栄に思っています。 日本のラグの多くのテーマは抽象的なデ
ザインで、色彩の彩度や豊かさに感激しました。
コーナーに赤ちゃんの足跡をつけたラグや、もういなくなった作者の
話しなどをを伺ったりした事が個人的にも意味が深まりとても意味の
ある展覧会だったと思います。
写真撮影:高橋仁巳
小林恵のラグ教室:お問合わせ: ホームスパン
℡:03-5738-3318
hara@homspun.com
ミキモト アカデミー:「アメリカン・フックド・ラグを作る」
5月19日、6月2日、6月23日
お問合わせ:ミキモトアカデミー事務局:
℡:0120-461176(フリーダイヤル)
http://ginza2.mikimoto.com/5f/
マリリン ボッチャーさんの会(Hooking in・・・Marilyn Bottjer)
会場風景 中写真:右端 Bottjer, Alice, June, 恵、Carrie B.日米展参加者
ボッチャー先生は1994年以来、1月の最後の金曜日一年に一度
イーストチェスターの教会を借りてフックド・ラグの集まりをしている。
習いに来ていた教会の女性牧師があいている教会を提供してくれた
ことから始まった。
教会や学校の教室、運動場など空いている時間を公共に提供し、ス
ペースを役だたせるアメリカのポジティブアイデアは素晴らしい。
儲けでなく、基本的維持費を出し合うのも、常識になっている。
ニューヨーク、コネチカット、ニュージャージーなどの近郊から、各自
ランチ持参で集まり、皆がどんなものを作っているか、いらないウール
や材料をを売ったり、作ったものを床において展示したり、今作ってい
るものをお互い覗き学ぶチャンスを作っている。パイやクッキー、ケー
キ、お茶やコーヒーなども持ちよりで、和やかな雰囲気でそれぞれが
新しいアイデアを得るチャンスでもある。
ボッチャー先生はPearl McGownで習い、1966年以来イーストチェ
スターの家で友人や小さいグループに教えだし、現在は日本人も多い。
転勤で渡米した人のミセスは働くことができないので最高よい学びの
チャンスだと思う。大いにアメリカのよいことを学んで日本で教えれれ
ば素敵なことだと思う。。ラグ作りばかりでなく、アメリカの暮らしの知
恵も自然に学べるチャンスにもなっている。
ボッチャーさんは私の企画した日米ラグ交換展に2度も来日した。
「インターナショナル日米ラフ展をやりませんか? 」のお誘いに
「考えたこともなかったけれども、やりたい!」と即答。
ポジティブなことをすぐ受け入れるのもアメリカのよいところ。
おかげで第1回目の日米ラグ展は銀座東京ガス展示場で、ニュー
ヨークでは最高便利な場所、42丁目のグランドセントラル ステーシ
ョンのメットライフ、(昔のパンアメリカンビル)の画廊で展示すること
ができた。
現在インターナショナルに活躍、その貢献によりアメリカのラグ協会
から表彰されている。
私は1994年、フォークアート美術館で初めてボッチャー先生から
アメリカンフックド・ラグを習った。初めは何も分からず、先生の説明
は概要10分位ですぐ実習。先生は黙って見ているだけ。初めて参
加した生徒も黙々とやっている。ただやるのみ!。初めからいくら言
っても、その通りにはいかないから、自分で発見していくより道がな
い。あとで気がついたけれども考えながらやることを学ばせてくれると
てもいい先生だと思う。
第一アメリカ人にこうしなさいと言ってもその通りになどやりたがら
ない。子供の時から自分らしさを表現すること、個性の尊重を教育さ
れているからだろう。しかし、キットでそっくりに教える Pearl Mcgown
派は刺繍の好きな人向き。学校の教え方はマニュアルがあり、免状
を出す。アメリカ的教え方ではないがビジネスとしては大成功している。
その教え方を学んだ人で結構うまい人がいるので習作と思えば、そ
れはそれで素晴らしい訓練になっていると思う。
とにかく理屈抜きにやるしかないというのが上達するなるコツだと思
う。
日本でも週末あいている空間を教育の場として提供する人や、積
極的に求める人がもっと出てきてほしいと思う。私の住んでいるブロッ
クの集まりは教会で、だれかが近くのピザ屋さん、ケーキ屋さん、マー
ケットなどから寄付を集めてくる人が出てきて、楽しいパーティになる。
皆1分間で何をしているか、協力してほしいことを発表する。「写真家
です。頑張っていますが売れません。写真のブックを机の上にお来まし
たので、見てください」 「私は試みましたが雇ってくれる人がいません
ので、スーパーマーケットの買い物役をしています。お要望の節はお願
いします」 などの売り込みもありとてもアメリカらしい。
ラグ教室 お問い合わせ:
ホームスパン: ℡ 03-5738-3310 中山恵子
ミキモトアカデミー: ℡ 03-6226-9870 蓑作(みつくり)美帆
手作りと商品の差・たかが手作り、しかし大企業にもなり得るもの
ー量産フックド・ラグと手作りフックド・ラグの差ー
フックした商品ツール 量産されている毛糸で作った機械製ラグ
手作りで量産可能なものと出来ないものの差はいろいろの理由があ
ります。
インターナショナル新商品紹介にはアメリカに来てからずっと続けて見
ていますが、ちょっとしたアイデアで商品にもなり、大ビジネスにも広が
ります。手作りアイデアが毎年大きくなっていくものと、消えていくもの
理由もさまざまで、残念と思うもの、当然だなーと思うものなどいろいろ
です。
環境とか資金とか、システム、マーケッティング、タイミング、いろいろ
の条件がそろって商品のヒットが生まれますが、それをいかにするかは
多くの場合、クリエイトした人でなく、マーケッティング専門の人がのめり
こむことでビジネスが成功した例も多いのですが、全部自分でやって成
功した人もたくさんいます。
大抵のアメリカ女性企業家はポケットマネーから始まり、基本的に
キッチンからスタートしています。
デザイン バラエティも多く安く出回っている機械織りマット
私はアメリカに来た初め、まづビジネスと関係なく、特別の知識もな
く作り上げた素晴らしい手作りキルトに関心を持ち、お蔭でアメリカ女
性たちの暮らしのエッセンスを身をもって体験することが出来ました。
美しいベッド掛けを作ると見せたいと誰もが思います。当然ベッドルー
ムが美しいだけでなく、ほかの部屋も美しくしたいと思うことになります。
機能的な住まい作りはアメリカ女性の大好きなマネージメントの発露で
す。
作っているうちにデザインもどんどん進歩していき、現在残っている
19世紀のキルトはすでにマーケットにでる事が極小になりました。
1983年に日本で出版された最初のキルト総括本、「アメリカンパッ
チワークキルト事典」(文化出版局:)には500枚以上のキルトの写真
が掲載されていますが、その大部分は現在、美術館所蔵になっていま
す。19世紀せっせと作った作者不明のキルトが美術館に保存され得
るとは誰が考えたことでしょうか。
キルトと同じころ作られたアメリカン フックドラグはキルトと同時に私
の関心を持ったアメリカで最もアメリカらしいフレーバーのある手作りで
す。キルト同様19世紀の社会現象ともいわれるほど流行しました。
この二つの話しをしましたら文化出版局の当時の編集長・今井田
勲さんが 「キルトを先にするといい。それだけよく知っているのなら、自
分で書きなさい」 とキルト事典の出版チャンスをくださいました。
それから ”キルトってなんですか?” と何百回聞かれたことでしょうか。
特に男性は女ものや、ビジネスに続がらないと興味をしめしません。
現在キルト関係で大きなビジネスをしている人たちの多くは男性ですが
女性たちにもビジネスに介入出来るチャンスが出来、教師として立派に
自立営業をし自立しているキルターがいますから本当に喜ばしいことで
す。アメリカで学んだ分かち合いの精神、私の出来ること、使命というと
大げさですが、やりたいことは達成されていると思います。
しかし、キルトに遅れること10年以上、フックド・ラグはキルトの様な
計算と企画なしに、自由表現が出来、創作上もっと自由に作れます。
キルトは既にうまい人がたくさんいますので下手だと習いに行かないと
だめかと思いがちです。出来上がると箪笥の肥やしで次の展示まで眠
ってしまいます。アメリカンフォークアートは私たちの様な普通の人、誰
でも作れること、暮らしを豊かにすることが身の上です。
フックド・ラグは誰でもできる!下手でも嬉しい!やってよかった!
などキルト程大きく広げなくても見せびらかせるチャンスが多いのも楽
しい理由です。キルトはベッドがない理由もありますがラグはすぐ使え、
部屋を楽しく、訪問者にも 「私の作品」 を見てもらえます。
さて私の言いたいことは手作りの価値観についてです。
現在ビジネスとしてマスプロダクションのキルトが大量に出回ってい
ます。デザイナーが介入して作ったコピーライト付のキルト、無名の人
の作ったキルトのコピーがインドで、中国で、ガテマラ、ハイチなどで
も作られ、安いものは100%コットンで$50ドル位からあります。ミシン
の技術が発達したこと、作り慣れたこともあって、普段の使用に十分
価値ある実用品です。ラグも機械で、毛糸で作ったものは小さなドア
マットで39ドル位から大量に出回っています。皆で安価なものを共有
できることは結構なことです。ビジネスをやりたい方は可能性絶大です。
しかし、あなたの作った手作りの価値はお金に代えがたいものです。
お金を得るために作ったものでなくても、下手でも手にハートを込めて
作ったあなたのラグは、たとえ完璧でなくとも宝になります。美術館に
展示される可能性もあります。
アメリカと日本を巡回した「第3回日米フックド・ラグ展」に出品した
唯一の男性、有吉熙さんがお亡くなりになる前にニューヨークにお
手紙を下さいましたのでみなさんと分かち合いたいと思います。
「会社を辞めてからラグを作ったことは私の人生をどれぐらい豊
かにしたか計り知れないものがあります。思いもよらない方々にめ
ぐりあい、小さな価値観がどれほど人生を豊かにするかを学びま
した。私の手で作り上げたものが、アメリカでも展示され、孫たち
にも残したという喜びでいっぱいです」
アメリカの展示場でこのことを伝えました。あとからアメリカの作者の
みなさんから ”胸が詰まった、ラグ作りをこれほど愛情を込めて伝
えていただき嬉しかった。” との感想をたくさんの方々からいただきま
した。
キルトに遅れること何十年でしたが、アメリカ・日本で開催されました
キルト展や、ラグ展は私の半生を豊かに充実したものにしてくれました。
私がやったのでなく皆さんが作ってくれたからこそです。
すでに作っている方、これから初めようとしている方々と嬉しさを分かち
合いたいと思っています。
メイン州立美術館所有 アメリカン アンティック ラグ 幾何学・花デザイン 19世紀
ニューヨーク アメリカン フォークアート美術館 アンティックショーにて 1/24/2010 撮影
小林恵のラグ教室:(代理インストラクター7名)
お問い合わせ・ホームスパン・中山恵子・稲船佳代子
渋谷区富ヶ谷1-19-7, コーポラフォレ1F.
電話:03-5738-3310
ミキモトアカデミー:(小林恵指導)
5月19日、6月2日、6月23日
お問い合わせ・ミキモト広報部・蓑作真帆(みつくり まほ)
電話:03-6226-9870