朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

インクジェットプリンターのビジネス

2012-04-28 | アメリカ2012
米国の家電やPCの販売は、日本以上に過激です。



ここはPCやテレビを中心に売る家電量販店。アメリカらしく広い駐車場完備です。



テレビ番組で人気のキャラクタ人形なども売っています。

PC用のキャノンのプリンタが山積みに置いてあり、価格を見ると、



なんと、19.99ドル(約1600円)。

これでビジネスが成り立つのは、インクカートリッジを沢山売って、そこから利益を上げるためでしょう。
実際、純正インクは相当に高くて、4色セットでプリンター本体よりも高い。

その隙間をねらって、使用済みのインクカートリッジをリサイクルして、インクを詰め直して、キャノン以外の会社が販売するビジネスが成立しています。日本では、詰め替えたカートリッジの再販売を違法として訴えて裁判がされ、純正品メーカーが負けたり、勝ったりしています。PC用品店頭で販売しているので、まだ最終的な決着はみていないと思います。

一方で、「詰め替え用インク」は、たとえば100円ショップで販売されています。こちらは、完全に合法。なぜならば、前記の争点は特許法違反を訴えているから、つまり、インクカートリッジの容器自体に元のメーカーの特許権があるので、中古品といえども「再販売」するには特許権者の許諾が必要と主張しています。

一方、インクカートリッジはその純正品を正規に購入した人にとっては個人の持ち物ですから、それをどのように使おうと所有者の自由です。インクが切れたカートリッジに非純正のインクを入れて使えるなら、それを使っても、品質問題や故障が起こっても自分の責任とすれば、問題ないわけです。

やや類似の事案として、音楽CDやDVD、ビデオゲームCDの中古品流通の問題がありました。この場合もやはり裁判で何度も争いましたが、最終的には中古販売業者の勝訴で決着しています。理由は、単純にいえば、従来の「古本」の流通と同じだから。著作権の法律はそこまで再販売の規制をしていないし、古書は昔から流通していて社会習慣の一つです。

訴えたのが、コンテンツ事業者、音楽出版社やゲームメーカだったからでしょうか、もしCDやDVDのメーカーが特許権を理由に争ったら結論はちがったかもしれません。もっとも、音楽CDのCD単体の価値はとても低いので訴訟費用にもならないでしょうが。

コメント
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