UC Irvine(UCI) を見学しました。 南カリフォルニアに長年住んでいる友人の紹介で、若い日本人留学生の話を聞いて、日米のイノベーション創造と理工学高等教育の差異を調査するためです。
カリフォルニアでは、冬に雨が降り平地の気温は零下にはならないため、草木が緑です。反対に、夏は雨が非常に少なくなるので、水をまかない野原や山地は茶色になってしまいます。春はその乾燥の始まりで、時々、山火事が発生して強風にあおられて大きな火災となるようです。
さて、太平洋海岸からさほど離れていない高台に、UCIは広大なキャンパスがあります。この大学は、医療技術や医薬品の分野ですぐれた成果をあげています。ノーベル物理学賞の受賞者もいます。
Araiさん、日本生まれのトライアスロン愛好家、博士課程学生さん。テキサス州の高校に単身で留学して、一度銀行事務職に就いたけれど思い直して大学に入り化学を専攻する大学院で研究しています。アルツハイマー病に関係するタンパク質を捕まえて、その分子構造をX線分析機で解析する研究中。あともう少しで結晶を作れそうでそれができるとX線にかける。するとPh.D論文が書けると張り切っていました。
米国では博士課程学生の授業料と生活費は、研究室の教授(ボス)が支給します。
その資金は、ボスが研究提案書を政府系研究助成機関に提出して、承認されて得ることができます。Grantと言います。当然、教員間の競争は非常に激しい。学生にとっても、いい先生に採用してもらうための競争が厳しいです。
米国の大学では、学部であっても普通は親は子供の学費などの資金を援助しません。学生は自分で、夏休み(3ヶ月)のパートタイム・ジョブで資金を貯める、銀行から教育ローンを借りる、奨学金(Fellowship)を獲得するという方法で勉学を続けます。資金がなくなったら、一旦、休学して働くことも珍しくない。学期期間中の平日は予習復習がたくさんあるので、アルバイトは無理。土日は気分転換と運動のために休日が必要。
大都会の大学の中には、勤労学生のために、平日の夕方から夜間にかけて多くの授業を開講しているところもあります。日本でも、かつて夜学がいくつかありました。今でもあるのかしらん。
廊下に張り出されたポスターで、研究実績をアッピールしています。
彼は、東工大で学位をとってPD(ポスドク)留学中のYonamineさん。PDは、申請書をしっかり書いてFellowshipで生活費と研究資金を獲得する能力が大切です。その獲得事実が次のステップへの実績、つまり説明能力、説得力、コミュニケーション力の証明となるのです。
こんな実験室の風景は、いかにも理科系ですね。
彼からは、日本の大学のラボと米国のラボの違いをたっぷり聞き取ることができました。
UCIキャンパスを歩いて駐車場まで戻るときに、こんなグループツアーを見ました。
全米各地から、見学に来る高校生たちを案内する学生と大学スタッフです。UCIはトップ大学の一つですが、優秀な学生を確保するために、色々な方法で広報活動をしているとのこと。
入試の方法は、「本来」の「AO(アドミッションオフィス)入学」です。高等学校の成績と校長の推薦状、全米統一試験(SATなど)、小論文である程度足きりをして、あとは面接試験。その面接はたっぷり時間をかけて教員も複数参加して真剣に評価すると聞きました。入試期間の幅も長い。良い学生ほど、ライバル校に取られる可能性があるので、熱心に勧誘します。また、落選した学生には、特に親切丁寧に応対するそうで、その理由は同級生や下級生への口コミ効果のため。
筆記試験だけ、ほぼ統一された試験日で、「機械的」に選別する日本式とは大きな違いがあることを実感しました。(AO方式は、現実的に多くの場合、学力検査なしの入学に使われている日本)
カリフォルニアでは、冬に雨が降り平地の気温は零下にはならないため、草木が緑です。反対に、夏は雨が非常に少なくなるので、水をまかない野原や山地は茶色になってしまいます。春はその乾燥の始まりで、時々、山火事が発生して強風にあおられて大きな火災となるようです。
さて、太平洋海岸からさほど離れていない高台に、UCIは広大なキャンパスがあります。この大学は、医療技術や医薬品の分野ですぐれた成果をあげています。ノーベル物理学賞の受賞者もいます。
Araiさん、日本生まれのトライアスロン愛好家、博士課程学生さん。テキサス州の高校に単身で留学して、一度銀行事務職に就いたけれど思い直して大学に入り化学を専攻する大学院で研究しています。アルツハイマー病に関係するタンパク質を捕まえて、その分子構造をX線分析機で解析する研究中。あともう少しで結晶を作れそうでそれができるとX線にかける。するとPh.D論文が書けると張り切っていました。
米国では博士課程学生の授業料と生活費は、研究室の教授(ボス)が支給します。
その資金は、ボスが研究提案書を政府系研究助成機関に提出して、承認されて得ることができます。Grantと言います。当然、教員間の競争は非常に激しい。学生にとっても、いい先生に採用してもらうための競争が厳しいです。
米国の大学では、学部であっても普通は親は子供の学費などの資金を援助しません。学生は自分で、夏休み(3ヶ月)のパートタイム・ジョブで資金を貯める、銀行から教育ローンを借りる、奨学金(Fellowship)を獲得するという方法で勉学を続けます。資金がなくなったら、一旦、休学して働くことも珍しくない。学期期間中の平日は予習復習がたくさんあるので、アルバイトは無理。土日は気分転換と運動のために休日が必要。
大都会の大学の中には、勤労学生のために、平日の夕方から夜間にかけて多くの授業を開講しているところもあります。日本でも、かつて夜学がいくつかありました。今でもあるのかしらん。
廊下に張り出されたポスターで、研究実績をアッピールしています。
彼は、東工大で学位をとってPD(ポスドク)留学中のYonamineさん。PDは、申請書をしっかり書いてFellowshipで生活費と研究資金を獲得する能力が大切です。その獲得事実が次のステップへの実績、つまり説明能力、説得力、コミュニケーション力の証明となるのです。
こんな実験室の風景は、いかにも理科系ですね。
彼からは、日本の大学のラボと米国のラボの違いをたっぷり聞き取ることができました。
UCIキャンパスを歩いて駐車場まで戻るときに、こんなグループツアーを見ました。
全米各地から、見学に来る高校生たちを案内する学生と大学スタッフです。UCIはトップ大学の一つですが、優秀な学生を確保するために、色々な方法で広報活動をしているとのこと。
入試の方法は、「本来」の「AO(アドミッションオフィス)入学」です。高等学校の成績と校長の推薦状、全米統一試験(SATなど)、小論文である程度足きりをして、あとは面接試験。その面接はたっぷり時間をかけて教員も複数参加して真剣に評価すると聞きました。入試期間の幅も長い。良い学生ほど、ライバル校に取られる可能性があるので、熱心に勧誘します。また、落選した学生には、特に親切丁寧に応対するそうで、その理由は同級生や下級生への口コミ効果のため。
筆記試験だけ、ほぼ統一された試験日で、「機械的」に選別する日本式とは大きな違いがあることを実感しました。(AO方式は、現実的に多くの場合、学力検査なしの入学に使われている日本)