朝顔

日々の見聞からトンガったことを探して、できるだけ丸く書いてみたいと思います。

高瀬川スケッチ

2009-05-31 | 油彩水彩画、雑誌の表紙
鴨川の西側には、高瀬川が南北に流れています。この川は、運河として京の豪商角倉了以(すみのくらりょうい)が慶長16年(1611年)に開削したものです。
 幕府の許可は得たけれども、その建設費は全て角倉が負担しました。
 この運河の開通により、大坂(大阪)から淀川、桂川を経て、鳥羽、伏見の津(港)の物流路線が都の中心に直結しました。
 角倉家はその船賃の半額を通行料として独占して、建設費もすぐに回収できました。材木、薪炭、米塩などを運ぶ150艘もの舟が運航したと記録されています。
 
 荷物だけでなくて、人の往来にも利用されました。
 森鴎外の短編「高瀬舟」には、流人の護送にも使われたこの川船が舞台となっています。この作品のテーマは安楽死の問題で、古くて新しい課題ですね。
 著作権が切れているので、「青空文庫」にて全文がインターネットで公開されています:
http://www.aozora.gr.jp/cards/000129/card45245.html

 さて、今回この川の最上流、木屋町二条下がるに在る「一の舟入」を水彩スケッチしました。

 本来、その現場でスケッチすることが絶対的に好ましいのです。そうすれば臨場感が画面にも一層強く現れるのですが、都合により今回は写真を元にしてスケッチしました。
 船や運河などの人工構造物は、バランスが外れると見る人に違和感があります。絵によっては、それも一興となるのですが。
 ここでは、写真を元に構図のバランスをみてトリミングしました。それをパワーポイントのソフトでA4サイズに貼り付け、格子の線を「作表のツール」で挿入して、左右上下のバランスをとります。それを紙にプリントしました。パワーポントがなければ、手で線を書き入れればOK。
 次に、スケッチブックの紙にも、2Bくらいの鉛筆で同じコマ数の線を引きます。
 この枠を目安にして、あくまで目安で可、川両岸の石塀、桜の木と枝、船、遠くの橋などを鉛筆でざっくりとマークします。

 見えるものを全て描く必要はありません。
 そこが写真と違う一番のポイント。
 大いに省略して結構です。位置を平行移動してもオーケー。電柱など構図の上で邪魔なものは省略してみましょう。
 ...あえて、電線や看板、通行人、ゴミなどを描いてリアリティを出すのもありですね。



 鉛筆のラフスケッチを元に、細いサインペン(またはグラフィックペン)と極細ボールペン(ハイブリッドインク)で、多少詳しく描き込んでいきます。定規はつかわずにフリーハンドのほうが味がでると思います。
 遠近法を意識して、手前のものは太いほうのペンで、遠くは細く、あるいは意図してかすれた線にすると遠近の表現ができます。





 線画が出来上がったら、鉛筆の補助線は消しゴムで丁寧に消します。
 サインペンを使わずに、鉛筆だけで描きその線を残す手法もありますが。その場合は、輪郭が薄くなります。

 あとは水彩絵具をパレットに溶いて、少しずつ着色していきます。
 この作業はとても楽しいですね。徐々に風景が現れてきますから。

 でも、あまり塗り過ぎないように。白い部分が所々に残るのもいいもの。色がにじんでぼやけるのもご愛嬌。
 色も水彩の場合は、薄めのほうが風情がでると思います。油絵ではしっかり塗りこめる、重点的なモチーフ部分には原色も使うなど描き方が異なります。

 さて、完成したスケッチ画は数ヵ月後に発行されるITU協会誌の表紙として、このブログに後日掲載の予定です。

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電氣ブラン

2009-05-30 | 食べること、レストランなど
珍しいお酒を近所にあるスーパーの酒売り場で発見したので、衝動買いしました。

 「電氣ブラン」は、明治時代まだ本物のブランディー(ブドウを原料としたワインを蒸留し樽に詰めて熟成した酒)が輸入困難であった頃、ブランディーの琥珀色に似せて作った度数の強いカクテルです。
 当時、浅草の神谷バーにて調合されたといわれます。ボクの友人にこのご関係の人がいて、実は(銀座のbarで)案内していただいて飲んだことがあります。

 今は、こんなボトルに入れて、合同酒精(株)が製造販売していますね。
 「伝説」にしておきたっかた、、、かな。



 森見登美彦の小説にも登場します。なんと、太宰治の小説にもでている模様です、興味ある方は検索して探してください。
 このブログ、2009-04-24のミュージカル観劇の記事もご参照ください。



太宰治の小説「人間失格」に、「酔いの早く発するのは、電気ブランの右に出るものはないと保証し、……」と書いています。
 彼はこの小説を雑誌に連載していてその最終回の掲載直前の6月13日深夜に、三鷹の玉川上水に飛び込んで自殺しました。
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お茶の木

2009-05-29 | 国内各地の風物
京都府の南部、奈良県、三重県の西部の辺りを車で走っていると、いたるところで茶畑に出会います。
 5月は新茶の季節ですね。
 大型バリカンみたいな機械で刈り取られるのでしょう。お茶の木の畝はカマボコのように丸くきれいでした。
 あるいは、緑の絨毯。

 道端で、出来立てのお茶の葉や、草もち、野菜などをよく売っていました。


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岩船寺

2009-05-28 | 京都の文化(春)
こちらのお寺も、京都府の南端。加茂町です。
 こじんまりした境内には、かわいい花が咲いていました。

 丈六という大きなサイズの阿弥陀如来がご本尊です。相当に古い仏像で、平安時代の銘が内部に記載されているとのこと。
 雨が強くなってきたので、雨宿りも兼ねて本堂のお守りをしていた和尚さんとお話しをしてきました。

 門前には、素朴な茶店があったので昼食とし、キツネうどん、ちらしずしとうどん定食を3人で分けて食べました。
 店頭では、地元の作物を並べて売っていました。自家製の漬け物を買っていく人が多かったですね。












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浄瑠璃寺

2009-05-27 | 京都の文化(春)
京都府の南端、ほとんど奈良県とも思われる場所にこのお寺があります。
 山村の小さなお寺ですが、大変に由緒があり歴史を感じさせます。京都市内の有名な大寺とは全く雰囲気が違いました。
 この日はあいにくの雨でしたが、かえってしっとりと情緒を感じました。

九体仏といって、国宝の九体もの金色の阿弥陀像が並んでいました。
 この日は、秘仏の吉祥天立像も拝観することができました。

 和辻哲郎の「古寺巡礼」を読んで高校生の時に初めて訪問した記憶があります。
 浄土式庭園という形式の庭があります。池を挟んで、東に三重塔、西に阿弥陀堂が対峙しています。三重塔には、秘仏の薬師如来像が安置されているそうです。

 池のほとりには、あやめが咲いていました。

 この辺りの道路沿いには、所々に、農作物の無人スタンドがありました。
 お茶、野菜、漬け物、かき餅などを100円で売っていたので、お菓子やたまねぎなどをつい買ってしまいました。







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Day 13

2009-05-26 | 朝顔のこと
発芽から、ほぼ2週間たちました。(写真は5月25日朝)
 二葉の中心から、3番目の葉が出てきました。
 鉢の中が込み合ってきたので、多少は他の鉢に移植せねばなりせん。
 ツルを取り付けることも準備しましょう。

 下の写真は、虫除けの香りを出すといわれる植物(ゼラニウム?)で、一昨年の母の日にプレゼントした鉢物です。夏場に窓から蚊が入ってこないように。
 良く育って大きくなり、母が数本を挿枝したら増えました。
 元の草は室内にあったせいか花が咲きませんでした。増やした子の方は外で栽培したところ、今年はこんな花が咲きました。



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GoogleMapのストリートビュー

2009-05-25 | もろもろの事
夜桜見物に行った「高台寺」の境内に、グーグルのストリートビューのカメラが入って撮影したとの記事を見ました。
 色々とハイテクの情報が増えているようです。
 お寺も、観光情報の充実にずいぶん積極的です。



 検索サービスの「グーグル」は、1998年米国スタンフォード大学学生のラリー・ペイジとサーゲイ・プリンの二人によって創業された会社です。当時、画期的な検索方法の着想を得てソフトウェアを開発し、その後株式上場を果たして、2005年末の時価総額が10兆円を越えました。

 この会社は豊富な資金力と技術・人材を有するので、次々と「変な」サービスをマーケットに投入してきます。
 「ストリートビュー」もその一つ。無料の地図検索に加えてその地点と周辺街路の画像を360度の視角で提供しています。現在のところ、日本では大都市とその周辺だけ。米国内はかなり広範囲にデータが入っています。

 「高台寺」境内の風景は、まだアップロードされていないようです。同様に旭川動物園の園内ストリートビューも撮影済み。
 グーグルは「パートナーシップ」募集中で、今後色々な場所、遊園地、ショッピングモール、デパート、大学キャンパスなどの構内の画像も一挙に増えることでしょう。
 投稿動画で有名なYouTubeも、実はグーグルが買収したのでいまではこの会社の子会社です。
 米国では検索エンジンのYahoo!の利用が減少して、Googleの利用がNo.1になっており、Yahoo!をマイクロソフトが買収する話しが昨年ありましたが、最近もその提案が再度されています。

 ストリートビューの使い方を、以下のスライドで紹介します。
 まず、Googleのウェブページで「地図の検索」により、興味ある地名や建物名を検索します。一例として、京都、南座、を検索すると、サムネイル(左上の画像、クリックで拡大)の様になります。



 もし、その地点の「吹きだし」の説明書きに「ストリートビュー」のリンクが無い場合は、この図↓のように、「人形アイコン」にカーソルを置き、ドラッグ&ドロップすると、街路写真が現れます。方角と上下角度の調節はカーソルを動かせば可能。道路を進行して、連続的に別の場所に移動することができます。



南座の周辺のこんな写真が、360度向きを変えて観察することができます。
(掲載した写真は、画像の切り抜きなのでここで矢印などをクリックしてもコントロールはできません。GoogleMap本体の画面上で試してください)




東京都内に在住の方は、自宅や勤務先を見ることができます。京都も市内はほぼ網羅されています。
 プライバシーの苦情も発生したので、個人の顔姿や洗濯物などはグーグルに連絡すると消去するそうです。 

 冒頭に書いた高台寺の取材の動画はここにあります:「オンラインで街を歩こう。Google マップのストリートビュー 」
 
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桜の実

2009-05-24 | 京都の文化(春)
葵祭の日、御所の庭にあった桜には、立派な実が成っていました。
 果物の「さくらんぼ」は品種が違います。白い地味な、でも五弁の桜の花びら形の花が咲きます。

 「そめいよしの」は、一代雑種なので結実しないと聞きました。そのため、増やすのは、枝接ぎだそうです。台となる母の木に枝を接木して増やします。
 と思うのですが、哲学の道の桜にも、しっかりと実が成っていました。実は成っても、発芽しないのでしょうか??




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新型インフルエンザ(2)

2009-05-23 | もろもろの事
予定原稿はすでに入力してあったのですが、話題性もあるんで差し替えます。
 フルーのことです。

とうとう、京都でも市内の小学生に感染者が出て、その余波で市内にある大学も休校(あるいは「全休講」[職員は出勤])となりました(京大以外)。

 ある人のところも突然の自宅研修です。
 伝聞によれば、一昨日、学内委員会での雑談で、隣にいた若手教員が「休校になってくれたら(講義しないですむので)うれしい」と言ったので、「その分、夏休み短くなるよ。そっちのほうがイヤだ」と応答したとか。

マスクの不足も発生しました。近所の商店等には全くありません。ある人の場合、職業柄つけるように指示もあったので(将来性ある若者に対して感染源とならぬように)、八方手を尽くしてやっと数枚入手したとのことです。

さて、今回の騒動は、いくつかの教訓と(滑稽な)エピソードを、歴史に残すことになるのでしょう。

1.費用対効果に照らして、合理的な措置がとられているか。(医学面と経済面で)
2.非感染者のマスクの有効性は如何。マスクは1日で廃棄と推奨しているが、乾燥・日光消毒(紫外線)で再利用は不可か。
3.いまや患者が「急増」したこのかぜは「Japan Flu」とも呼ばれている、との報道もありました。香港カゼ、ソ連カゼに並ぶ「日本カゼ」。(日本での報道映像が突出しているので)
4.本当に弱毒ならば、この際、健康人には感染させて免疫をつけさせれば、本年冬以降の流行の抑止効果があるのではないか。ワクチンの新規開発と接種より、コスト(人命と税金)がかからないかもしれませんね。

 いかがでしょうか。
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風薫る五月

2009-05-22 | 国内各地の風物
爽やかな季節です。
 奈良県の東部、柳生の里にある古寺を見物しました。

 その門前の茶屋に「味自慢わらび餅」と「名代うどん」の旗が、薫る風に舞っていました。
 食べたくなってきませんか?











※なかなか、そよ風が静まってくれません。2枚の文字が読めて、少し斜めになって動きも示せるような画面を期待したのですが。・・・撮れなかったので、あえて、紙芝居風に並べてみました。


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