鴨川の西側には、高瀬川が南北に流れています。この川は、運河として京の豪商角倉了以(すみのくらりょうい)が慶長16年(1611年)に開削したものです。
幕府の許可は得たけれども、その建設費は全て角倉が負担しました。
この運河の開通により、大坂(大阪)から淀川、桂川を経て、鳥羽、伏見の津(港)の物流路線が都の中心に直結しました。
角倉家はその船賃の半額を通行料として独占して、建設費もすぐに回収できました。材木、薪炭、米塩などを運ぶ150艘もの舟が運航したと記録されています。
荷物だけでなくて、人の往来にも利用されました。
森鴎外の短編「高瀬舟」には、流人の護送にも使われたこの川船が舞台となっています。この作品のテーマは安楽死の問題で、古くて新しい課題ですね。
著作権が切れているので、「青空文庫」にて全文がインターネットで公開されています:
http://www.aozora.gr.jp/cards/000129/card45245.html
さて、今回この川の最上流、木屋町二条下がるに在る「一の舟入」を水彩スケッチしました。
本来、その現場でスケッチすることが絶対的に好ましいのです。そうすれば臨場感が画面にも一層強く現れるのですが、都合により今回は写真を元にしてスケッチしました。
船や運河などの人工構造物は、バランスが外れると見る人に違和感があります。絵によっては、それも一興となるのですが。
ここでは、写真を元に構図のバランスをみてトリミングしました。それをパワーポイントのソフトでA4サイズに貼り付け、格子の線を「作表のツール」で挿入して、左右上下のバランスをとります。それを紙にプリントしました。パワーポントがなければ、手で線を書き入れればOK。
次に、スケッチブックの紙にも、2Bくらいの鉛筆で同じコマ数の線を引きます。
この枠を目安にして、あくまで目安で可、川両岸の石塀、桜の木と枝、船、遠くの橋などを鉛筆でざっくりとマークします。
見えるものを全て描く必要はありません。
そこが写真と違う一番のポイント。
大いに省略して結構です。位置を平行移動してもオーケー。電柱など構図の上で邪魔なものは省略してみましょう。
...あえて、電線や看板、通行人、ゴミなどを描いてリアリティを出すのもありですね。
鉛筆のラフスケッチを元に、細いサインペン(またはグラフィックペン)と極細ボールペン(ハイブリッドインク)で、多少詳しく描き込んでいきます。定規はつかわずにフリーハンドのほうが味がでると思います。
遠近法を意識して、手前のものは太いほうのペンで、遠くは細く、あるいは意図してかすれた線にすると遠近の表現ができます。
線画が出来上がったら、鉛筆の補助線は消しゴムで丁寧に消します。
サインペンを使わずに、鉛筆だけで描きその線を残す手法もありますが。その場合は、輪郭が薄くなります。
あとは水彩絵具をパレットに溶いて、少しずつ着色していきます。
この作業はとても楽しいですね。徐々に風景が現れてきますから。
でも、あまり塗り過ぎないように。白い部分が所々に残るのもいいもの。色がにじんでぼやけるのもご愛嬌。
色も水彩の場合は、薄めのほうが風情がでると思います。油絵ではしっかり塗りこめる、重点的なモチーフ部分には原色も使うなど描き方が異なります。
さて、完成したスケッチ画は数ヵ月後に発行されるITU協会誌の表紙として、このブログに後日掲載の予定です。
幕府の許可は得たけれども、その建設費は全て角倉が負担しました。
この運河の開通により、大坂(大阪)から淀川、桂川を経て、鳥羽、伏見の津(港)の物流路線が都の中心に直結しました。
角倉家はその船賃の半額を通行料として独占して、建設費もすぐに回収できました。材木、薪炭、米塩などを運ぶ150艘もの舟が運航したと記録されています。
荷物だけでなくて、人の往来にも利用されました。
森鴎外の短編「高瀬舟」には、流人の護送にも使われたこの川船が舞台となっています。この作品のテーマは安楽死の問題で、古くて新しい課題ですね。
著作権が切れているので、「青空文庫」にて全文がインターネットで公開されています:
http://www.aozora.gr.jp/cards/000129/card45245.html
さて、今回この川の最上流、木屋町二条下がるに在る「一の舟入」を水彩スケッチしました。
本来、その現場でスケッチすることが絶対的に好ましいのです。そうすれば臨場感が画面にも一層強く現れるのですが、都合により今回は写真を元にしてスケッチしました。
船や運河などの人工構造物は、バランスが外れると見る人に違和感があります。絵によっては、それも一興となるのですが。
ここでは、写真を元に構図のバランスをみてトリミングしました。それをパワーポイントのソフトでA4サイズに貼り付け、格子の線を「作表のツール」で挿入して、左右上下のバランスをとります。それを紙にプリントしました。パワーポントがなければ、手で線を書き入れればOK。
次に、スケッチブックの紙にも、2Bくらいの鉛筆で同じコマ数の線を引きます。
この枠を目安にして、あくまで目安で可、川両岸の石塀、桜の木と枝、船、遠くの橋などを鉛筆でざっくりとマークします。
見えるものを全て描く必要はありません。
そこが写真と違う一番のポイント。
大いに省略して結構です。位置を平行移動してもオーケー。電柱など構図の上で邪魔なものは省略してみましょう。
...あえて、電線や看板、通行人、ゴミなどを描いてリアリティを出すのもありですね。
鉛筆のラフスケッチを元に、細いサインペン(またはグラフィックペン)と極細ボールペン(ハイブリッドインク)で、多少詳しく描き込んでいきます。定規はつかわずにフリーハンドのほうが味がでると思います。
遠近法を意識して、手前のものは太いほうのペンで、遠くは細く、あるいは意図してかすれた線にすると遠近の表現ができます。
線画が出来上がったら、鉛筆の補助線は消しゴムで丁寧に消します。
サインペンを使わずに、鉛筆だけで描きその線を残す手法もありますが。その場合は、輪郭が薄くなります。
あとは水彩絵具をパレットに溶いて、少しずつ着色していきます。
この作業はとても楽しいですね。徐々に風景が現れてきますから。
でも、あまり塗り過ぎないように。白い部分が所々に残るのもいいもの。色がにじんでぼやけるのもご愛嬌。
色も水彩の場合は、薄めのほうが風情がでると思います。油絵ではしっかり塗りこめる、重点的なモチーフ部分には原色も使うなど描き方が異なります。
さて、完成したスケッチ画は数ヵ月後に発行されるITU協会誌の表紙として、このブログに後日掲載の予定です。