遅いことは猫でもやる

まずは昔メールした内容をひっぱってきて練習...
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幹事さんの気遣い

2018-03-09 13:42:19 | 雑感


3ヶ月に一回会合が持たれるR社のOB会に出席。前会長がご病気のため急遽指名されあとを引き継いだI氏が実務派らしく堅実に運営されている。

今回は岡崎工場の現状の稼動内容をレポートをされた。この工場は以前は信管、計器などの専門工場だったが、今やそれらはほとんど制作されておらず、信管が1割程度。複写機の部品は殆どゼロで、主力は自動車部品らしい。日産、三菱、デンソーなどに納入しているが、自動車メーカーに直接取引ではなく、一次部品メーカーへの納入となっている。

精密部品製造で培った技術を活かし、最近では自動運転分野にも進出しているとのこと。親会社のR社が不調な中、気を吐いているとのことであった。私達の居た時代の主力商品の時計は、貯蔵してある部品を使ってほそぼそと作っているらしい。退社してから50年近く経っているので思い入れは少ないが、それでも消滅してしまう危機もあったと聞くのは何か寂しい。

恒例の社員の消息情報にはほとんど関心はなかったが、会長のお陰で会社の最新情報に接せられたのは嬉しかった。

身につまされる

2018-03-07 02:14:27 | 


重松清「定年ゴジラ」講談社1998年刊

私の好きな作家の一人重松清の作品。この著者のさりげない描写のなかに、共感を呼ぶ意味があり、我が身に引き比べ身につまされる。「3匹のおっさん」もそうであったが彼は爺キラーではなかろうか。

ホリエモンこと堀江清文が獄中生活の折、彼の著書を読んでいたと封ぜられるが、きっと檻の中で号泣していたと想像に難くない。

物語はニュータウンと呼ばれるバブル前後に開発された新興住宅地で、定年を迎えた勤勉なるおじさんの定年後の日常を描いたものである。特に趣味など持たない人達が「一生懸命」ブラブラする有様や、子供たちが巣立ってゆく時期にあたり、寂しさを味わう様子などが、ほぼ自分と等身大の姿で登場する。

大袈裟な仕立てもなくありそうなエピソードを挟んで、各家庭の変化、それに伴う各々の対応を見せる。標題はこの街の開発時に作ったジオラマをおじさんたちが、ゴジラよろしく踏み潰すことから付けられたもので、なかなか示唆に富んでいる。

やっぱりホロっとくる。この作者は好きだ。同年代の人達にお勧めする一冊だ。

梅花繚乱

2018-03-05 03:07:36 | 雑感

今が満開

梅に鶯 鳥も来ていた

ようやく春めいてきた。日中の陽射しに暖かさを感じるようになってきた。小さな庭に一本だけある梅も、気がつけば一面に花が咲いている。入れ替わり立ち代り数種類の鳥たちも花をついばみに飛来する。

ピョンチャンオリンピックの小平奈緒主将が、「選手は百花繚乱の活躍を見せてくれた」と表現したが、まさに梅花繚乱というべきか。桜のような豪華絢爛という咲きっぷりではない。寒さがまだ残る大気の中、まだ冬の気配の真っ只中で、敢然と空気を打ち破って季節を替えてゆく力強さを感じる。

暖かくなったから梅が咲くのか、梅が咲くから寒気が和らぐのか、どちらもありそうである。
今年の冬は、感覚的には随分寒気が厳しかったような気がするが、3月の声を聞いて急に春になったような趣である。

魂案内人の活躍

2018-03-03 01:45:27 | 


知念実希人「優しい死神の飼い方」光文社文庫 2013年刊

題名は何かおどろおどろしいが、死後、この世に未練を残して彷徨う魂を誘導する役目を持った案内人(これを死神と呼ぶらしい)がその未練を断ち切り、幾つかの魂を見事天国へ誘導する物語である。

著者は才気あふれる医者として、医学知識を縱橫に駆使し、多彩なレトリックでストーリーを展開するが、内容は簡単で、善人悪人ははっきりしており、善人だが誤解、錯覚によって後悔や未練を持っている人を導くというものである。

以前読んだ大川隆法の「魂の救済」みたいな分野だが、小説仕立てだけあって、押し付けがましさがなく、独りよがりな所に救われる。

帯に書いてある読者メーター第一位、とか「感動!」というほどではないが、面白い方の小説である。

平日午後のオーケストラ

2018-03-01 11:02:41 | 雑感


久しぶりに名古屋に出て、オーケストラを楽しんできた。名古屋フィルハーモニー交響楽団の「平日午後のオーケストラ」というイベントの第1回公演であった。場所は日本特殊陶業市民会館フォレストホール。表題通りpm2:00開演だ。

客席は8~9割の入り。さすがに高齢者が多い。指揮は円光寺雅彦、ピアノは岡田奏、オーケストラは50人を超えるフル編成である。演目のせいもあるのだろうけど管楽器や打楽器が充実していた。ハープも2台揃っていた。

演目はまずムソルグスキー「展覧会の絵」。題名のごとく次から次へと色々なテーマが出てきて、管楽器、打楽器が共演する。まるで部屋が変わると新しい絵が展示されているようだ。昼間のコンサートはこんなカジュアルな曲目がよく似合う。

続いてラヴェルのピアノ協奏曲ト短調。ピアノの岡田奏さんは熱演するのだが、なんというかもう一つ私には伝わってこなかった。曲後円光寺氏がインタビューをはさみ、アンコール曲「クープランの墓」よりメヌエット、を演奏。これは張り切りすぎなくなかなかであった。

最後はラヴェルのボレロ。「展覧会の絵」とは違い、始めから終わりまで一つのテーマで貫かれる、壮大な演奏であった。はじめはフルートと小太鼓のピアニシモでスタートし、次第にヴィオラやチェロ、ホルンやクラリネットが参加し、最後はティンパニートランペット、シンバルなどフルオーケストラが合奏する。大いに盛り上がって終了したが、アンコール曲も「カルメン」の前奏曲と派手に盛り上げた。

軽い興奮とともに会場を後にした。このアフタヌーンのコンサートというアイデアは悪くない。まだ陽は高いのだが、どこかで一杯やってから家路につこうとこの時間から開いている手軽な居酒屋へ飛び込んだら、同じようなコンサート帰りの面々がいる。経済活性化になっているのは間違いない。

曲目の選定といい、途中に解説を挟むコンサートの運営といい、なかなか考えたイベントのような気がした。