遅いことは猫でもやる

まずは昔メールした内容をひっぱってきて練習...
更新は猫以下の頻度です。

最後の宮大工

2007-06-12 11:40:40 | 


法隆寺金堂薬師寺西塔などの復興を果たし、
最後の宮大工といわれた、西岡常一氏という人がいる。

ご存知の方も多いと思うが、
晩年は文化功労者、文化財保存技術者としてみとめられた。

彼と、その唯一の内弟子小川三夫氏、聞き書きの名手塩野米松
3氏が書いた「木のいのち、木のこころ」という本を、社員のF君から贈られた。

「良い本だから読んでください」


 西岡さんの事は以前に、台湾にまで建築用の木を探しに行って、
南面に生えている木は建物の南に、北面の木は北側に使うなど、
こだわっている人だとは聞いていたが、
改めてこの本を読んでみて、すごい教育論(技術者養成論)だと思った。

 技術者はもとより、およそビジネスマンといわれる人から、
子育て、親業にいたるまで、今大事な事を語っている。

基本を大事にする事、自分で工夫する事、理屈でなく身体で覚える事、
「教える」のでなく「育てる」ことが、徒弟制度の基本である。

自立性を第一とし、師匠を見習い、創意工夫を加え、
一人ひとりの特性を生かす。

けっして理論的には難しい事ではないが、
なかなか実践が出来ないことを繰り返し強調される。


 日本のものつくりの真髄がここにあると思った。

F君良い本をありがとう。
皆さんもお読み下さることをお薦めします。

(新潮文庫 857円+税)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿