遅いことは猫でもやる

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リセットの世界

2016-11-28 03:25:46 | 
   

香月日輪「大江戸妖怪かわら版」講談社文庫 2007年単行本刊

著者得意の妖怪本である。直前に読んだ著者の妖怪世界の本では、人間の住む世界より妖怪世界の方がまともである。このシリーズでは登場人物(登場妖怪と言うべきか)が男っぽい快男児、空を飛ぶパシリ、口うるさい瓦版屋など、一昔前のキャラを持った者たちである。

人間世界からこの大江戸妖怪世界に飛び込んだ、人間の子供が俗っぽい事件に巻き込まれ、先に述べたキャラの妖怪たちに助けられ、事件を乗り越える。想像の世界なので、束縛も少なくかなり自由にストーリーは展開する。しかし前作の感想でも述べたように、義理人情だとか、親子の情愛だとか言う側面はむしろ保守的な展開である。

妖怪世界の設定だから、現在の世界を一度リセットして自由に、古き良き時代に戻って語れる。 このあたりがこのシリーズの人気の秘密だろうか。

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