震災直後連続して流されていたACのCMで「こだまでしょうか、いいえ誰でも」でおわる。金子みすゞが気になっていた。
ぶらりと本屋に立ち寄ったとき、ふと目につき手にとって見た。「私と小鳥とすずと」という題名の小さな詩集だった。帯に”こだましあって100刷に”とある。
わたしが両手をひろげても、
お空はちっともとべないが、
とべる小鳥はわたしのように、
地面をはやくは走れない。
わたしがからだをゆすっても、
きれいな音はでないけど、
あの鳴るすずはわたしのように
たくさんなうたは知らないよ。
すずと、小鳥と、それからわたし、
みんなちがって、みんないい。
なんとも、やさしい、きれいな、詩だ。
ダイアモンドやエメラルドのような豪華さはないが、翡翠か真珠のような、繊細な温かい美しさが伝わる。心が洗われるとはこんなことを言うのだろうか。(金子みすゞ童謡集「わたしと小鳥とすゞと」JULA出版局)
そういえば、歯医者のK先輩がこの作家が好きだったっけ。
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