遅いことは猫でもやる

まずは昔メールした内容をひっぱってきて練習...
更新は猫以下の頻度です。

新しいジャンルだが・・。

2014-04-01 01:44:22 | 


重松清「希望が丘の人々」小学館 2009年刊

図書館で借りてきた重松清の本の3冊目。今度は新興住宅地、場所も関東で関西弁は飛び交わない。妻に先立たれた夫が早期退職をして、学習塾のフランチャイズの教室長として二人の子供と再出発をしてゆくという設定。

ここは亡き妻の出身地で思い出がいっぱい詰まる土地。二人の子供は思春期の入口と小学生。モンスターピアレント、や無気力生徒、不良仲間も登場し話が賑やかになってゆく。
幼なじみが聞かせてくれる亡き妻の思い出の中に、彼女の初恋や片思いが混じって、主人公を慌てさせる。新設の塾の経営がスタートからうまくゆかず苦労する。(ここらあたりは「あすなろ三三七拍子」の応援団発足時の設定に似ている)
ここで、ちょっとアウトロー的なヒーローが登場し活躍する。なにかサラリーマンの悲哀や苦労をこの作者はよく知っている。

例によって暖かい人間に囲まれて、人情の機微に助けられるのはいつもながらだ。
週刊ポストの連載小説として書いていたのだから、読者層を意識していたのだろう。教育問題(落ちこぼれや、父兄の立場)、塾の経営など器用に触れている。エンターテイメントとしてはうまく書いてある作品だった

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