遅いことは猫でもやる

まずは昔メールした内容をひっぱってきて練習...
更新は猫以下の頻度です。

徳川茶会

2010-10-31 12:25:12 | 行ってきました

知人から頂いた招待券で友人ご夫妻と茶会なるものに出席した。

徳川美術館開館75周年記念の各流の茶会である。
表千家、裏千家を始めとして9流派が交代で担当する正式のお茶会だ。知人は武
者小路千家である。

名品と言われるお茶道具がみられることもあり、一度正式なお茶会なるものを経
験しようと出かけてみた。

なにせ初めてなので、家内に要領を聞く。着てゆくもの、用意するものなど約束
事があるらしい。和装で来い、等と言われればちょっと尻込みするが、通常のスー
ツで良いとのこと。茶室に上がるときには新しい白い足袋又は靴下に履き替える
こと、という決め事もある。

更にお茶園をやっている同級生にも要領を聴きにゆく。扇子、懐紙、口拭き懐紙、
クロモジが必要と教えてもらい揃える。また素人は一番先と最後の席には決して座らず、
間に席をとり、前の人の所作をよく見て、そのとおりにやれば恥をかかずにすむ。
と親切にアドバイスをしてくれた。

絶品の点心

場所は徳川園の中にある「餘芳軒」(本席)と山の茶屋(副席)、その他点心
(食事)は宝善亭である。現地で友人ご夫妻と待ち合わせをし、いよいよ開始。
受付から実に親切な案内だ。台風の影響を考え、葦簀の上にビニールを貼った渡
り廊下みたいな趣向でまずは点心席へ。サービスをしてくれる方も門人の方らし
く、年配の方も若者も袴をキリリと履き、颯爽と立ち働く。実に格好が良い。

出てきたお膳が本当に美味しかった。眼にも綺麗だし、出汁のよく効いた薄味の
料理はまさに絶品と言ってよいだろう。「日本料理ここに極めり」といった趣だ。
参考までにメニューを載せておく。
 向付  鯛 塩削ぎ造り 山葵卸し花穂紫蘇
     くるみ豆冨 とんぶり いくら割り醤油
 椀盛  帆立貝柱真薯 もって菊 松葉柚子
 縁高二段盛 秋鮭幽庵焼 酢橘
       だし巻 衣かつぎ、
       なめ茸と小松菜の浸し
       車海老粒雲丹挟み
       松葉串刺し 銀杏 むかご
       筆生姜 白瓜奈良漬
       焚き合せ
       冬瓜 茄子 飛竜頭
       絹さや 紅葉麩
 飯蒸  赤飯 胡麻塩

素材の味と、調理の薄味が微妙にバランスを取っており、量も老人になった我々
には丁度良かった。ソース味コッテリのフレンチとは対照的な料理である。

終わって暫く時間があるので、宝善亭二階に飾ってある道具を見にゆく。利休作
成の茶筅、雨漏茶碗 蓑虫などが展示してあるが、言われてみれば幽玄の趣を感
じるが、普通においてあれば見過ごしてしまいそうなものばかりである。

寄付きからのお庭

まず副席から。寄付きと言われる控えの間にあがり、時を待つ。床の間には近衛
信伊筆の和歌の短冊。20分ほど待って、茶室へ。24人が肩を触れ合うほどの
牛詰め状態。若い席主?が掛け軸、釜,風炉,水指、茶杓、茶碗、などの説明を
丁寧にしてくれる。3席目からは豫め別室で点てられたものを運んできて頂く。
お茶菓子もあっさりとした甘味でさすがである。薄茶にぴったりだ。作法も滞り
無く終えて、無事退出。予想以上に時間がかかり、ここで友人は帰宅。奥様だけ
は残ることができ一緒に本席へ。



時間のせいか、外の縁台のような席でお菓子を頂き、寄付きもなしで席へ。今度
はお点前も十分拝見できる,広さと,角度の席へ着座。
女性の方がお客一人ひとりに声掛けをし、男性がまた茶道具の解説をする。二人
で一服の濃茶を頂く。次の席があるからと、道具を見ていたら早々に追い出され
た。

さすがにちょっとした緊張感から解き放たれ、気持よく、帰途についた。やはり
茶の湯はおもてなしの心遣いの極地というだけあって,応対は行き届いていたが、
反面道具説明が多すぎるような気がした。

こんな経験は滅多にできないので、面白かった。ちょっとした緊張感が心地良い。

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