いよいよ永年慣れ親しんできた刈谷を離れることになった。70年以上住んできた土地なので感慨が深い。私の中では故郷というのは松本の自然と、学生時代の思い出が何やらピッタリするように思っていた。
考えてみれば、小学校、中学、(高校、大学は刈谷を離れた)社会人一年生、(3年目から3年間大阪に住んだ)を経て家業につき、同業者、育成事業、若手経営者会、青年会議所、ロータリークラブ、厄年同年会など、地域に根ざした数々の団体に属してきたし自分でも組織してきた。
今でも続いているおつきあいが多いが、今後はこれも次第に縮小せざるを得ない。家財の整理をしながら、あらゆるものに一つ一つ思い出がくっついている(写真がその最たるものだ)ので、それを振り払いながら進めてゆくのは、精神的にはかなり疲れる。結局モノの整理は思い出の整理ないしは決別である。
生身の人間との別れは、日頃からそう頻繁に付き合っていなくても、やはり辛い。故郷という人間関係は広くて深い。刈谷を離れる段になって、なにか胸騒ぎに似た揺らぎを感じる。見知らぬ大都会「東京」で残りどんな人生を送るのだろうか。
大いなる不安とほんの少しの期待とが交錯する。
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