杉浦貴之「命はそんなにやわじゃない」かんき出版 2011年発行
義弟が私のためにわざわざ講演会に出向き、買ってくれてきたがん闘病記である。著者は愛知県西尾市出身、闘病記というよりは、治療失敗記録というべきか。数々の食事療法、ヨーガ、気功、ヒーリング等あらゆる治療法を手掛けるもなかなか効果上がらず。
著者もがんと闘う中「こうあるべき」「こうあらねばならない」という縛りから開放され、がんと共存し、周りへの感謝に目覚めたあたりから他への依存から解き放たれる。加えて夢を持つ、実現する行動に移る、ところから回復に向かって動き出しているように見える。
まずは「大丈夫だ」「命はそんなにやわではない」と信じるところから始まる。確かに著者はスーパーマンには違いないけど、同じように煩悩に悩み、失敗し続ける生身の人間がそこにいる。
この本を買うためにきっと行列に並んでくれたのだろう。著者の私宛の署名入りサインを見ながら、ありがたさにふと感謝の念を抱く。もう一度読み直してみようかな。