遠山金四郎、長谷川平蔵旧居跡地のメモリアルモニュメント
墨田区の観光案内図を見ていたら、端っこの方に遠山金四郎、長谷川平蔵旧居跡と表示がある。菊川駅付近である。散歩の距離にちょうどいいので、駅に向かって闇雲に歩いてみた。
それは地下鉄菊川駅出口の直ぐ側にあり、歯医者さんの前に立つ、石とステンレス製の近代的なモニュメントである。池波正太郎の「鬼平犯科帳」の主人公長谷川平蔵は実在の人物で、長谷川家は家禄400石の旗本でしたが、天明6年(1786)、かつて父もその職にあった役高1500石の御先手弓頭(おてさき ゆみがしら)に昇進し、火付盗賊改役(ひつけとうぞくあらためやく)も兼務した。
延享3年(1746)赤坂に生まれ寛政7年(1795)この地で没した。彼は下手人捜索に才能を発揮したが、もう一つは「人足寄場(にんそくよせば)」を作ったことが特筆される。犯罪者の働き場所であり、職業訓練所であった。できるだけ社会復帰が恙無くできるようにという配慮である。
刑罰を与えるだけでなく、更生の道を切り開いたことが彼の幅広い視野を物語っている。3代後に屋敷替えになり、入ってきたのが同じく旗本の遠山金四郎であった。長谷川平蔵と遠山金四郎が同じ屋敷に住んだというのは意外であった。
モニュメントには歴史の匂いがしなかったが、このあたりから本所、堅川周辺が活躍の舞台だという感慨に少しだけ浸れた。