遅いことは猫でもやる

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可笑しくて やがて・・・。

2014-03-19 14:16:01 | 


重松清著「あすなろ 三三七拍子」毎日新聞社 2010年刊

先日読んだホリエモンの本の中に、重松清の「とんび」を読んで号泣した、という事が書いてあったので、早速図書館に「とんび」を探しに行った。
残念ながら貸出中。書架には著書が10冊ほど並んでいたので、何気なく借りてきた一冊だ。

弱小大学の応援部が存亡の危機に立たされ、窮地を救わんとOB幹事長の会社社長が、自社のOB社員(リストラ寸前の45歳)を社会人入学させ、倶楽部復活のため応援部に入部させる。にわか集めの新入部員3名と本人の4名が、強面のOB先輩にしごかれ、同じ弱小大学のライバル校と張り合ってゆく。という愉快なストーリーである。応援団というアナクロニズムの権化の中で、現役、OBのやりとり、そこにジェンダーを振りかざす田辺陽子先生まがいの女子教授が絡み、団長として現役部員を取り仕切る主人公は板挟みに悩む。現代っ子の学生と時代錯誤のOB部員とのやりとりが実に面白い。

しかし面白いだけでなく、現在の大人社会の「立場と本音」の葛藤、「清濁併せ呑む」選択についての悲哀、などについて私は徐々に思い知らされる。

「面白うて やがて悲しき 応援団」 直木賞作家の著者は、情感に訴えるすべは心得ている。やはりこういうアナクロは大阪弁かひろしまべんだろうなあ。エンターテイメントとしても大いに面白い。

「とんび」の貸出が終わったら、すぐ借りに行こう。