なかなかのものだ 2013-08-22 08:03:52 | 本 道尾秀介「ラットマン」光文社 2008年刊 前回「鬼の足音」を読んで、幻想と現実が錯綜する様を描く、描写力はさすがだと思いつつ、ストーリー展開が少し無理があるような気がして、次回の作品でこの作者を読み続けるかどうか決めようと思っていた。 主人公の揺れ動く心理、特に担当刑事のさりげない圧力などの描写はすごい。「鬼の・・。」と同様やや暗い印象は受けるが、バンドの仲間の心理などなかなかの描写力だ。 と書くと何やら上から目線のようでだが、一読者の感想だとしてお許し願いたい。 とにかく面白かった。