遅いことは猫でもやる

まずは昔メールした内容をひっぱってきて練習...
更新は猫以下の頻度です。

お知らせ

Twitter で更新情報が観られます。やってる方はこちらからフォローどうぞ。
http://twitter.com/gaiki_jp

政治家の殺し方

2011-12-11 08:07:37 | 
中田宏著(前横浜市長)「政治家の殺し方」幻冬舎刊

なんとも、おどろおどろしい題名の本だ。37歳で政令都市市長になった著者の、
スキャンダルとの戦いの告白本である。

議会(議員)、マスコミ、地方役人、などの実態と、現役時代の闘いを報告して
いる。タイトルほどのどぎつさはないが、おかしなことが、日常的、或いは制度
的に行われている。志や良心というものが失われると、歯止めが効かなくなっている現実はおそろしい。

政治家とは選挙で選ばれる人気商売の職業であり、スキャンダルに弱い。そこで
それを狙って、足を引っ張る政敵が現れる。背後には既得権を守ろうとする、利
権構造があるので、執念深く、熾烈である。

同じようなことのミニチュア版を私の町でも垣間見たことがある。市の公共事業を手がけている、有力
建設会社社長が、現市長に対抗して出てきた市議に対して、とった行動は陰に
こもってすざましいものがあった。小さな地方都市でこんな争いがあるのだから、
政令都市ではその何十倍の争いがあっておかしくない。

議会も、あいのり首長を担ぎ、オール与党で、行政のチェック機能を果たさなけ
れば、ぬくぬくと居心地の良い環境をつくり、お手盛りの待遇を自ら決め、おい
しい職業となる。

中田氏が2期目の任期を全うせずに引いたのはなぜか、と思っていたのだが、本
人は多選防止、国政選挙との同時選挙で選挙費用の節約、同時にオール与党化の
防止を狙ったと言っているが、このスキャンダルとの戦い、利権を守ろうとする
議員・職員との戦いに疲れたのかもしれない。

だとすると、とても惜しいことである。愛知県の知事、名古屋市長はここまでの
改革をやっているとは思わないが、それでも名古屋市長は市民税減税を旗印に孤
軍奮闘して、市議会と戦っている。だがマスコミもこのごろは河村市政に対し少
し批判的な論調が出てきた。まさにここに述べられているマスコミの体質が現れ
ているのではないか。大阪/橋本前知事に対してもそうだ。バランスを取る、批
判勢力を育てる、という大義名分はあるのだろうが、これらの改革で改善された
行政の事実はきちんと報道すべきだろう。