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警世の書

2011-12-08 18:47:39 | 
官僚を国民のために働かせる法 古賀茂明著 光文社新書刊

これは警世の書と言っても良い。内部告発というほどではなく、ごく常識的な官
僚批判が平明に記されている。こんな事で圧力を加えるとはまったくもってけし
からんと思う。明治以来、戦後復興期でも城山三郎の「官僚たちの夏」で描写さ
れたように、国の将来を考えぬいた官僚たちが、日本の未来を築いてきた。

それが国の将来より、省益、省益より自分の保身を第一に考えるという現在の体たらく
を、さらりと描く。しかもそれが体制的、システム的に行われている。政治主導とか何とか言っている政治家に、意気込みや個人的なパフォーマンスで、この厚い壁が破れるわけはない。

本書は、まずは実態を報告しそれを糾弾するが、それにとどまっていない所が、
新鮮で、単なる批判書にとどまっていない。古賀氏なりの改革提案を最後の章で
おこなっている。大阪市の橋本市長が古賀氏を顧問に迎えようという動きがある
と聞くが、現状打破を図る手段としてとっても良い発想ではないかと思う。

官僚の使い方を真剣に学ぶという点では、今の民主党も自民党も参考にすべきで
あろう。とにかくいろいろな政策論議の前に、この官僚支配の構図を改善せねば、
今の日本はよくならないと痛感する。消費税とか復興増税とかいう前に、まずこ
の官僚改革を手がけなければ日本の成長はおぼつかないと感じた次第。日本のエネルギー政策の前に東電を始めとする電力会社の改革が先だと思われるように、まずはここから手を付けないと日本の将来はない。

まさに警世の書であろう。一読も二読もおすすめする。